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笑顔でいることの大切さ


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記事:岡本 サキ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
みなさんは普段の生活で、笑顔に意識を向けているだろうか。
 
毎日同じような日常を送っていると、つい、笑顔でいることを忘れて、眉間にシワを寄せるのが普通になってしまっているかもしれない。
常に笑顔でいる必要はないが、周りの人に「怖い」と思われない柔らかい表情には、コミュニケーションを円滑にする力があると、私は思う。
 
私は3年前、フィリピンで、フィリピン人日本語教師のアシスタントをしていた。
生徒は、現地公立校の中学3年生から高校1年生。
初日に私が意識したのは、できる限り笑顔で、みんなに接すること。
初めはそう思った。だけど、そんな必要はなかった。
 
先生と一緒に教室に入った私に、キラキラとした好奇心いっぱいの目を向けてくれた生徒たちは、みんな笑顔だったからだ。
それを見たら、こちらも自然と笑顔にならずにはいられなかった。
笑顔は、伝染するのだ。
それからは、生徒たちを目の前にすると、いつも笑顔になった。
生徒たちからは、「いつも笑っているね」と言ってもらえるようになった。
それはみんなのおかげだよ、と心の中で思っていた。
 
学校の外でも、同じように笑顔でいることが多くなった。
住んでいる場所が田舎だったので、日本人が珍しかったこともあり、みんながジロジロと視線を送ってくる。
しかし、そんなことには気にせず、見ている人には笑顔であいさつすると、笑顔で応じてくれることが多かった。
日本のように、「見たら失礼だから」という気遣いの習慣はないので、遠慮なしにこちらを見てくるが、全く悪気はないことが分かった。
笑顔を振りまいていると、周りの人が優しくしてくれることが多くなった。
バスやバイクタクシーで降りる場所を教えてくれたり、現地語が分からなかったので確かではないが、一緒に乗り合わせた人が、自分が下りるときドライバーに「あの子をあそこで降ろしてやれ」みたいなことを言ってくれていることがよくあった。
笑顔の効果は絶大だと思った。
少しニコッと微笑んで「Hi!」とあいさつするだけで、みんなが助けてくれるなら、笑顔でいたほうが絶対に得だ。
 
ある日の授業で、私はなにか忘れかけていた大切なことを、改めて教えてもらった気がした。
その授業は、自分たちの好きなものを絵や写真で持ち寄り、それを一枚の画用紙に貼り付けて、コラージュを作り、みんなの前で「私は〇〇が好きです」と日本語で発表するのが目的だった。
生徒たちは思い思いのイラストや雑誌の切り抜き、ネットの画像を印刷したものを持ってきた。
フライドチキンやポテトフライ、イケメンに美人。生徒たちの好きなものがいろいろ分かった。
いくつかのグループが発表を終えて、あるグループの発表となった。
そのコラージュは、いろいろなものが貼り付けられた画用紙の中央に、微笑んでいる口のイラストを配置したものだった。
そして、そのグループのひとりの生徒が、こう発表したのだ。
 
「ぼくは笑顔が好きです」
 
ああ、「笑顔が好き」って、なかなか考えないことだな。
「好きなもの、何?」と聞かれて、焼き肉とか、嵐とか、猫とか答えたりはするが、「笑顔」とはなかなか答えない。
たしかに、あの子はいつも笑顔だ。私は、「笑顔」が好きと言える彼を、心から素敵だなと思った。
彼は、笑顔が人と自分とをつなぐ、いちばん簡単なコミュニケーションと、本能的に知っているのだろう。
 
笑顔は、共通言語である。
 
お互いに話している言語は理解できないときも、笑顔は理解できる。
また、言葉を発さなくとも、笑顔は理解できる。
だから、共通言語なのだ。
外国の人も、赤ちゃんも、静かな場所でも、話せない距離にいるときでも、笑顔が見えれば安心する。そして、その安心が相手に伝わって、相手も笑顔になる。
笑顔になると、不思議と、マイナスの感情がなくなっていく。
優しい気持ちになったり、楽しい気持ちになれる。
その優しさに触れた人や楽しい気持ちになった人が、他の人にも笑顔を向けると、また笑顔がつながっていく。
こうして、笑顔の連鎖が生まれてくるのだ。
 
最近はいつもマスクをしているので、人の表情が分かりにくくなってしまった。
しかし、マスクの下は、できるだけ笑顔でいることを心がけている。
笑顔は、笑顔を引き寄せる。
自分が笑顔でいることが、周りの人たちの笑顔を引き出すのだ。
 
フィリピンの生徒たちが教えてくれた笑顔の大切さを、今度は自分が周りの人たちに教えてあげたいと思う。
笑顔に国境はない。笑顔に言葉はいらない。ただ笑顔でいることを心に留めておこう。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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