メディアグランプリ

生れた初めてご飯を食べずに7日間過ごしてみた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:辻井恵美(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「辻井さんの場合は7日間ですね」
「えっ? ファスティング7日間ですか?」
「そうです」
「……」
 
私はたべることが好きだ。自分の美味しいにはこだわりがある。外食も好きだが、上手が下手かは、別として料理も好きだ。とにかく、食べることが好きなのだ。
 
コロナ禍で自粛となり在宅時間が増えたのでお菓子作りにハマり、クッキー、パウンドケーキ、わらび餅などをせっせと作り、さらにパン作りにも始めて、毎日パンを焼いていた。
小麦粉と砂糖、バターを食べ続けたのである。そんな生活を続けていたら、微妙に体調不良になった。アレルギー性鼻炎がひどくなり風邪でもないのに、鼻水がでる。身体も重い。肌も荒れた。気持ちもだるい。何かおかしい。
 
そんな時、友人から誘われて、健康系の講座を受講した。食生活や健康習慣を見直してみようと軽い気持ちで受講した。講座の特典である個人面談にてファスティングを勧められた。
肌のキレイな美人の先生は優しい口調でキッパリとファスティングの日数を教えてくれた。
個人差があるが、私の体の調子には最低7日間が必要だと言われた。ファスティングをしてデトックスをしないと状況は変わらないと診断されたのだ。
安くない受講料を払ったし、マンツーマンの面談で断る勇気がなく、ついやります。と、答えてしまった。なりゆきでファスティングをやることになった。内心、7日間食事を取らす、生きていられるか本気で心配していた。
 
ファスティングとは、簡単に言えば絶食である。いろいろなやり方があるが、私の場合、水と酵素ドリンクと塩だけで7日間を過ごすのだ。
 
指導された通りに準備期間を過ごして、7日間のファスティングに入った。
 
午前中はまだ良い。昼過ぎから午後が辛い。酵素ドリンクは甘いから少し空腹は紛れるが
やはりお腹は空く。お腹が空いたらとりあえず水を飲む。水はいくら飲んでもお腹は満たされない。時間が過ぎるのがやたらと遅い。とりあえず、空腹を感じる前に夜は早く寝た。
辛いことは家族の食事を作ることである。修行のようだった。
 
健康を気遣っていると言いつつ、お菓子ばかり食べていたことを反省した。手作りだろうと市販のものであろうがクッキーには砂糖が入っている。無農薬だろうが有機だろうが砂糖は砂糖で甘いものは膵臓を疲弊させるし、バターは飽和脂肪酸なのだ。
 
食べないことを選択すると、時間ができる。食事時間が無くなるし、何を食べようかと迷う時間も買いに行く時間も無くなる。コンビニ、スーパー、デパ地下に寄ることもなくなる。お茶や食事が出来ないから、友人にも会えない。今まで「食」に対して、かなり時間とお金を使っていたことに気が付いた。外出できず、時間があるので家の中で断捨離や掃除が捗った。交際費も減った。ファスティングには、デドックスや減量の他にもメリットはあるようだ。
 
そんなこんなで2日間過ぎた。2日目以降はここで止めたら、今までの苦労が水の泡になる。もったいない。という思いが日に日に強くなった。
 
3日目、記憶にない。
 
4日目、折り返し地点をやっと過ぎた。あとは半分と思おうと気が遠くなった。
 
5日目、終わったら何を食べようかと考え、ひたすらお店を検索しつつ、友人と約束を取り付けて未来に希望を持たせ気を紛らわせた。

6日目、突然、腹痛になりトイレに駆け込んだ。お腹を下した。デトックス効果だと
喜んだ。お腹を下して喜ぶ自分が変だと思った。
 
7日目、朝から時間をカウントダウンしていた。
 
なんとか7日間のファスティングを終了したら、鼻炎は止まり、肌の調子がとても良くなった(普通に食事をしたらあっという間に戻ったが)身体は軽くなり、気分も軽くなり、新しいことをやってみようという気分になり今までなら、絶対にやらないだろうライティング講座に申し込みをした。
 
体重の変化については微妙だが、それ以外、かなり変化を感じることができた。
ファスティングをして、食事を取らないと元気がでないというのは妄想だと知った。7日間、食事を取らなくても生きている。水と栄養(酵素ドリンク)を取っていれば元気だ。
少しくらい食べなくても死なないだ。
 
驚いたことは、好きだったケーキを食べたいのに、胃腸が受け付けなくなったことだ。頭は食べたいのに胃腸が拒否をするのだ。過去の美味しいと思った記憶で食べたいだけで、
胃腸は求めているわけではないようだ。私の食欲って何だ? 自分のこだわりが小さいことに思えた。
 
ファスティングは山登りに似ている。途中は苦しい。でも、ここまで登ったから
今更、止めるにはもったいない。と思いつつ進むうちに頂上に着く。
携帯を見ることも、本も読めないから、周りの景色に集中する。空の美しさや道に咲いている花に感動したりする。日常、気付かないことに気付けるのだ。そして頂上に着いたときの達成感や頂上からの景色の美しさ、満足感は病みつきになる。
 
7日間のファスティングは辛かったが、あの終えた時の達成感や身体の軽さが忘れられない。
だから、今月もファスティングを計画している。思考では、辛いから嫌だと思っているが、
身体が求めているのでどうにもならないのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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