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記事:鈴木彩友 (リーディング&ライティング講座)
 
 
その本と出会った数年前、当時の私は人間関係に疲弊しきっていた。
 
スタッフ数10人も満たないそのコンテンツサービスを提供する会社には前職である金融業の経歴を評価され役員として入った。
 
しかし、思ったように売上を伸ばすことが出来ないばかりか、ちょっとした言葉の行き違いから他のスタッフ達との壁ができてしまったため、見方も仲間も居ない完全に孤立状態になってしまったのである。
 
もともと、私は人の感情や空気を読むのが苦手であった。「周囲の空気を読めない」ということなど日常茶飯事。そのため「場になじめない」ということも多くあった。
 
また、「気が利かない」ともよく言われた。私からすれば「言いたいことがあるなら言葉にすればいいのに」と思うのだが、周りからは「言葉にしなくてもそのくらいのこと察しろ」ということらしい。
 
人付き合いって本当に難しい……周りから浮いてしまう私はいつも孤立することに怯えていたのである。
 
言葉を理解することはとても困難だ。例えば、同じ言葉を複数の人間に伝えたとき、聞いた側の人間の育った環境や性格、健康状態や心理状態などによってそれぞれが違う意味で捉えてしまう場合がある。
 
ある人にとってはなんともない言葉が、別の人には鋭利な刃物のようになってしまうことも少なくないのである。事実、私は何気ない言葉で人を傷つけ、そして私自身も傷つけられて人と会うことに恐怖を感じ、そのコンテンツサービス会社を辞めるにまで至ってしまった。
 
もし、言葉をちゃんと伝えることができたのなら、お互いに傷つけ合うことなどなかったのに、そう思うのである。
 
コンテンツサービス会社を退職した後、暫く引き込もっていた頃だった。ふと以前勤めていた金融会社のことを思い出した。
 
私はコンテンツサービス会社の前に金融会社に約15年間勤めていた。正直、当初はまったく希望していない業種であったが、それでも15年間続けられたのは「数字的思考」のおかげであった。
 
「数字的思考」とは何か?
 
それは数字を活用して真実の意味を伝えたり理解したりすることである。
 
例えば、小学生が津波に巻き込まれないようにさせたい場合、その恐ろしさを伝え、いち早く逃げないといけない事を理解してもらう必要がある。しかし、「津波の速さは時速40キロです」と言っても小学生にはなかなか伝わりにくい。なぜなら、自分で車の運転ができない小学生にとって車が走る速度を正確にイメージすることは難しいからである。
 
一方、「津波は50メートルを約4.5秒で駆け抜けます」という伝えた方をすると多くの小学生に理解してもらえる。なぜなら体育の授業で50メートルのタイムを計測している経験があるため、自分のタイムと比較し津波の速度をイメージすることができるからである。
 
つまり、50メートルを4.5秒で走り抜けられる小学生はいないため、だれもが恐ろしい津波から簡単には逃れられないことを即座に理解できるのである。
 
このように、数字を臨機応変に使うことで、伝えたい相手に確実に伝えることがきるのだ。
 
上司からは、人から聞いた話は「数字」で考え、人に何かを伝えるときも「数字」を積極的に使うようにと指導された。なぜなら曖昧な感情的な表現方法よりも、感情の影響を受けない正確な数字の方が正しい内容を相手に伝えられるからである。
 
そして、人付き合いを苦手とする私にとってこの考え方は相性がよかった。
 
感情のまま発せられる言葉を本当の意味で理解するのは私にとっては非常に困難な作業である。なぜなら、相手の背景や状況などを考え忖度しなければならないからだ。しかし、その金融会社は違った。感情にまかせるのではなく、場を読むことが苦手な私でも理解できるように数字を使って的確に目的や趣旨を伝えてくれたのである。
 
にもかかわらず、転職した先の会社において、私は金融会社で教えてもらったことや学んだことの何一つ活かす事が出来なかったのである。「数字」を使ってのコミュニケーションをうまく使いこなせなかったのだ。色々な事を私に教えてくれた上司や先輩の方々に申し訳ない気持ちとなり涙がこぼれてくるばかりだった。そして、当時の私は自分の過ちをただ責め続けた。
 
自責の日々を過ごす中、気晴らしに出かけた本屋である書籍を見つけた。何かを買い求めるわけでもなく、ただ呆然といくつもの本棚を眺めている中で唯一目に止まった本があった。そして、私はその本を手に取り目を通してみた。
 
それは私にとって懐かしさを感じる本であり、私が忘れてしまっていたことを思い出してくれる本であった。そして何よりも当時の私が最も必要としている本でもあったのだ。
 
その本には、かつて金融会社で教えてもらったことの全てが書かれていた。
 
なぜ、この本ともっと早く出会えなかったのだろう。もし、この本を手にしていれば、転職した会社のスタッフ達とも良好な関係が築けていたかもしれない。会社にだってもっともっと貢献できたはずである。そして、本当に私が伝えたかったことを若いスタッフに届けることができたであろうと思えた。
 
私は悔しい気持ちになった。そして私は今後同じ過ちを繰り返さないために、または自分への戒めのためにこの本を購入した。
 
この本には金融会社に勤めていた頃に一番印象に残っている言葉もそのまま書かれていた。
 
繰り返しになるが、金融会社に勤める以前から私は人付き合いをとても苦手としていた。場の空気も読めず周囲から浮いてしまうことも多かった。そのため「孤立してしまわないか?」といつも怯えていた。そんな私の精神状態を感じたのだろうか? 次長が私に掛けてくれた言葉がある。
 
「どうあがいても100人中16人はお前のアンチだ。でもな、お前の味方だって16人いるってことを忘れるんじゃないぞ。当然、俺はお前の味方だ。」
 
これは「偏差値」から導かれる言葉であり、この本にも説明がされているのであるが、いつも「孤立」に怯えていた当時の私は次長のこの言葉に救われたのである。
 
「数字的思考」は数字が苦手な人は少しハードルが高いと感じてしまうかもしれない。しかし、むずかしく考える必要はない。「津波の速さ」の例のように「どう伝えれば相手に届くだろうか?」と相手の立場になって考えれば自ずと導かれるからである。
 
また、「数字的思考」は他人との意思疎通の時に最大限に発揮できる一方で、自分自身と向き合うこともできる万能なコミュニケーションツールでもあるのだ。
 
そのため、「相手に物事を伝えることを苦手にしている人」だけではなく、「情報が整理できず、うまく活用する事ができない」や「自分のやるべきことが見えない」などのような悩みや問題を抱えている場合でも「数字」を活用することによって解決できるのである。
 
それは何故か?
 
「数字を使えば9割伝わる(深沢真太郎著)」にその答えがすべて書かれているので是非確認をして欲しい。
 
その後、私はフリーランスとして起業をした。起業した後も私はいつも傍らにこの本を置いている。そのため、私は同じ過ちを繰り返すことなく素晴らしい仲間と仕事ができるようになった。プライベートでも最愛の人と出会うことができた。私は「怯えない」人間になれたのである。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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