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メディアグランプリ

「考える」の因数分解


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鳥井 春菜(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「もっと、考えて行動して」
 
「考えが足りてないよ」
 
誰しも一度くらい、そんな風に言われたことはないだろうか? とくに仕事場において。私自身、社会人になってからの日々は「考える」ということを徹底的に言われ続けてきた期間だったように思う。
 
「とにかくどんな小さなことでも考えること、考えることがクセになることが大事」
 
私が勤めていた広告会社ではアイデアが売り物であり、そのアイデアを生み出すためには、日頃から「考える力」を鍛えることが重要だと言われた。だけど、そう教えられたとき、正直に言って私には「考える」という言葉があまりに漠然としていてその意味が明確に理解できなかった。その「考える」の意味を、少しずつ紐解いていったのがこの4年間だった。今思うに、「考える」ということは習得すればどんな仕事にも役立つし、逆に言えば、どんな仕事も考えなければクオリティは上がっていかないのだと思う。
 
さて、私が思う「考える」ということには5つのパターンがある。
 
まず1つ目は、「理解する」こと。
理解するためには、話している相手と同じ知識、あるいは類推して理解する元となる知識が必要であり、話の文脈を掴んでいなければステップアップになる発言をできない。自分の知識をベースに共通認識を持ち、文脈を掴みながら相手の目的・譲れない部分・その理由などを整理していくことが必要になってくるのだ。
 
そして2つ目は、「察知する」こと。
人は意識的にしろ無意識にしろ、思っていることをそのまま言わないことがある。そういうときにも、相手の表面的な言葉や態度を鵜呑みにせずに、ちょっとした言い回しや指先の動き・目線にどういう意味が込められているのかを読み取ることができるかどうか。「なぜこの人がこんなことを言い、こんな行動をとったのか?」そう疑問をもつことが「考える」ことだ。
 
3つ目は、「思考する」こと。
相手の話を聞いて本心も引き出し、情報が揃った時、それに対して自分がどういう意見を持つかということだ。賛成なのか、反対なのか、折衷案があるのか、その理由はなんなのか。それが本当に正しいかどうかはさておき、他人に依存しない自分なりの「答え」を出すことが必要だ。答えが一つではないこともしばしばあるのだから、恐れずに自分の意見を持たなければ自分の存在価値を作ることはできない。
 
4つ目は、「伝達する」こと。
自分の考えを正確に伝えるためにも「考える」ことが必要になる。情報を整理して過不足なく伝えることはもちろん、話す順番やそれぞれの話題のボリュームに配慮すれば、勘違いや間違いを防ぎ、スムーズに理解してもらえるようになる。
 
そして最後、5つ目は「表現する」こと。
ただ伝達するだけではなく、どういう言い方をすればつかみで興味をもってもらえたり、肯定的に受け取ってもらえるのか。モチベーション高く話を聞いてもらうためには、内容だけでなく、その伝え方にも気を配らなければならない。
 
相手の話を理解して、その本心を掴み、自分の頭で改めて考え、それを正確に伝える、更には届きやすく工夫して伝える。その一連の流れの中には一貫して「考える」という思考の回転がある。
また、こうして並べてみると「考える」ということは日常のメール一つから大一番のプレゼンテーションまで常につきまとうことだと分かる。だからこそ、日頃から「考えることをクセにする」ことが重要なのであり、その日頃の鍛錬が重要な局面でも自然と力を発揮させてくれることになるのだと思う。
 
私には、最初、「考える」ということが分からなかった。
ただ、社内打合せであまりの会話のスピードや言葉の省略に理解が追いつかなかったし、お客さんと話した後に上司や先輩が「実際はこう思っているんじゃないか?」と話すのを聞いて驚いた。様々な視点を取り入れた思考の組み立てを目の前で見せられたし、いつも自分自身が考えを持てるかというところで評価された。メール一本の分かりにくさを指摘され、広告表現を通してただ伝えるだけではなくどう伝えるかにもアイデアがあることを実感した。そして、ようやく「考える」ということは、「本当に全てにおいて考える」ということなのだと身体で理解できるようになった。
 
「考える」ことを因数分解してみると、自分のことも分解して考えやすくなった。
それぞれの項目においてまだまだ足りていないなと思うけれど、以前よりここは成長したかもしれないと思える部分も見つけられた。
目標に向かって何ができていないか、そして何ができているかを把握できるようになることはとても大きなことだ。私はずっと道のりを思い描けないまま走っていたけれど、「考える人間」であるためにやっと自分なりの地図を持てたような気がする。もちろん、今思っていることが最終形でもないし、自分なりのものではあるけれど。
 
これは、私の「考える」についての備忘録。
だけど読んでいただいた方にも少なからず役立つものではないかと期待する。日常生活の中、5つの「考える」場面に出会ったら、一瞬立ち止まってみるのもいいかもしれない。
「今、自分は考えただろうか?」と。
それは多分、自分の思考をもう一つ練ることになり、次第に行動を変えていくことになると思う。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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