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2020年、気づかされた不可欠なもの


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:堀紗章子(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
そう、この感じだ。
やっと、私たちの人生に不可欠なものが帰ってきた。
ドキドキして熱くなって嬉しくて楽しくて、身体中で音楽を楽しむ事ができている喜び。
久々のそれに目頭が熱くなった。
 
そのステージには、何百人もの熱い視線が注がれていた。
おそらく泣いている人もいただろう。
狂喜乱舞を体現している人もいた。
「ライブって楽しい」
そう言ったあのバンドマンの言葉に、あの会場にいた全ての人が共感したに違いない。
 
2020年、音楽を愛する人々にとっては過去一番辛い年だったと思う。
三密という言葉が完全に当てはまってしまうライブ。
ただでさえ世の中のライブハウスが惜しまれつつ閉店を余儀なくされている状況で、所謂フェスというイベントは悪しきもののように世間からは見られていたに違いない。
 
そんな中、9月にやる予定だったフェスが11月の半ば、開催された。
 
感染症対策はどうするのかとか、キャパシティはどれくらいにとどめるべきなのかとか、アーティストが全力でパフォーマンスできてお客さんも楽しめるためにはどうするべきかとか、本当にありとあらゆる課題がある中で、試行錯誤の末に開催されたフェスだったと思う。
 
オーディエンスである私たちも、このフェスの開催に最初から不安がゼロだったかと言われるとそうではない。
S N Sを見ると、行きたいけど世の中の状況を考慮して諦めたという声もあるし、自分たちが参加する上で絶対にクラスターを起こしたくないという声もあった。
それでも人々がフェスに足を運ぶ理由は、「音楽が好きだから」という理由に尽きると思う。
私たちには絶対的に音楽そしてライブが不可欠なのだ。
 
この1年で様々な事が制限されて、嫌でも不自由に慣らされる生活の中で、「無くても生きていけるもの」がたくさん炙り出されたような気がする。
 
例えば旅行や飲み会もそうだ。
全国各地のグルメが取り寄せられる時代で、世界の絶景なんかも調べればいくらでも画像が出てくるし、旅行をしなくても体に不調が出るわけではない。
飲み会だって、今年当たり前になってきたリモート飲みがあれば、誰かと飲むのが好きな人も一人で家飲みをせずに済む。居酒屋での飲み会がなくても代用できる。
 
そして音楽も、いろいろな工夫によって家で楽しむ事ができた。
そもそもサブスクリプションサービスで音楽を聴く事はできるし、ライブ配信だったり、過去のライブ映像がまとめられた動画だとか、音楽を楽しむ事は最低限できたのだ。
 
「音楽よりトイレットペーパーの方が大事」
 
そんな事を言っているアーティストがいた。
確かに、音楽は絶対的に必要なものでは無いかもしれない。旅行や飲み会のように無くても生きていけるものだ。
けれど、音楽を愛する私たちの人生には不可欠なものでもあるのだ。
 
恋愛とも似ていると思う。
恋愛をしていなくても一人で生きていくことはできるし、人生が全くつまらなくなるものでは無い。
けれど、好きな相手がいることによって新たな発見があったり、自分が少しずつ変わっていったり、思いもよらない刺激があったりする。
音楽も、家で一人で聴く事はできるけれど、実際にライブ会場で生の音を聞いて、ステージを見て感動して、そこから新たな発見をしたり元気が出たり自分に自信が持てたりするのだ。
 
私自身、毎日同じように仕事に向かって帰って寝て、そんな単調な日々の中に彩りを与え、生きるパワーを足してくれるのがライブだった。
たまに予定される週末のライブの予定があれば、頑張ろうと思えたし、終わった後もなんだかエネルギーに満ち溢れていた。
 
だから、トイレットペーパーの方が圧倒的に大事ではあっても、音楽やライブが無いと困る人はきっと大勢いて、それがあるから人生はカラフルになっていくのだ。
 
先日のフェスの話に戻る。
会場で生の音楽を聴いて、今年1年でポッカリと開いてしまっていた穴が埋まったような感じがした。
きっと無意識のうちに「無くても生きていけるもの」の箱に入れてしまっていた「ライブ」。
イヤホンから聴こえてくる音楽だけで満足し、当たり前の事のように受け入れていたけれど、やはり実際のライブを見てしまえばそこから感じるものの多さに圧倒され、泣けてくるほどに感情が揺さぶられた。
 
私の人生を彩っていたのはこれだったのだと、改めて実感した。
 
この1年で、「無くても生きていけるもの」がまざまざと浮き彫りになって、世の中的にはリモートだとか、省ける部分はできるだけ省くような工夫が施されて、便利にはなったと思う。
 
けれど逆に、何が自分の人生を彩っていたのかという事に気づく人も多かったのではないか。
 
不自由になって改めて、ライブなり旅行なり、対面した飲み会だって、どれだけ不可欠かという事を実感させられた年だったと思う。
 
それらが無くても生きていける便利な世の中かもしれないけれど、自分の人生を彩ってくれるものを絶やさないようにはしていきたい。
消毒や体調管理なんて今年は聞き飽きてしまったけれど、それが今後自分に不可欠なものを守るためにもなるんだと思って地道に続けていこうと思った。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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