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辞書よりずっと便利な一冊


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山田THX将治(天狼院リーディング俱楽部)
 
 
最近思うことだが、天狼院でライティングを習う様になってから、文章を書き始めた私だが、もし、現在も手書きで書かなければならなかったら、ここまで続けては来られなかっただろう。
 
漢字を読むのは得意な私だが、書くとなると極めて苦手だ。多分、読むだけなら漢字検定の一級近く迄行っていると思うが、書く段になると間違いなく最下級だ。小学生並みとは思はないが、中学生並みとは胸を張って言うことは出来ない。
こんな私は、PC以前にワードプロセッサが出始めた時に、飛びついて購入した。何しろ、文章を書く際に変換機能を使うことで辞書を引く必要が無くなったからだ。これで、書く時間が一気に短縮され、文章を書くストレス、正確には、辞書を引く為に時間が取られるストレスから解放されたのだ。
 
ところが、ワードプロセッサが、PCのワードに代わった現在でも、一部で辞書を引いた方が良いと提唱する方が居る。何でも、PCの変換機能を信じ過ぎ、漢字の誤用が多いというのだ。
その論に反するつもりはないが、キーボードの傍(かたわ)らに、分厚い辞書を置くことは、どこか美しいとは感じられない。しかも、漢字を読むだけなら何の苦労もない私にとって、辞書がそばに在るだけでもストレスを感じるものなのだ。それは、昔の嫌な想い出が蘇るからだろう。
 
そんな私でも、キーボードのスペースキーを叩いた時、いくつもの漢字候補が出てきて、一瞬迷うことがある。辞書を引くよりましだが、多少なりともストレスを感じるものだ。
そんなストレスにピッタリの本が在る。水野靖夫・著『微妙な日本語使い分け字典』(PHP文庫・刊)という本だ。2003年1刊行の古い文庫本なので、現在は絶版になっていると思うが、もし出遭ったら入手することをお勧めしたい。
 
先ず、著者の水野靖夫氏は、1943年生まれの銀行マンだ。東京大学経済学部を出ていらっしゃることから、我々よりも数段お勉強が得意な筈だ。
ただ、国語や漢字の学者ではなく本職がビジネスマンなので、我々一般人が迷うのと同じ様な体験を、漢字に関して御持ちだったのでは思う。より実践に近いということだ。
しかも、文章自体も学者のそれとは違って、砕けていて読み易い。
 
例えば、『あいびき』を変換する時、間違えると“デート”とを意味する打ち込みが、“ひき肉”になってしまうと書いてある。『逢引き』と『合い挽き』の違いだ。
ここで水野さんは、『あいびき』とひとまとめで変換するのではなく、先ず『あい』で変換し『逢い』なり『合い』なりを選びなさいと書いている。そうすれば間違いが減るし、『あい』に続く『びき』を間違えずに済むとも書いている。
そしてその上で、変換終了後にこの『微妙な日本語使い分け字典』で確認する様に勧めている。
 
実際、『微妙な日本語使い分け字典』の表紙にも在る『ひく』を変換すると、『引く』『牽く』『惹く』『退く』『弾く』『挽く』『轢く』『抽く』と数多くの変換候補が出て来る。どの漢字も、読んで読めないことは無いが、意味を問われると一瞬答えに窮するものだ。
そんな時にこの『微妙な日本語使い分け字典』を読んでおくと、選択に迷うことが無くなる。何故なら、この本は“字典”と在る様に、同音漢字が多い言葉をアイウエオ順に記載しているからだ。
また、各言葉に短いが実用的な説明がついているので、理解するには大変便利なのだ。まさに、サブタイトルに在る通り『ひと目でわかる』様に出来上がっているのだ。
 
もう一つ、この『微妙な日本語使い分け字典』の特徴は、傍に置いておくことでストレスを感じることが少ないことだ。それはこの本が、文庫本サイズだからではない。絶えず目にする処に置いておいても、邪魔にならないからだ。何故なら、普通の辞書や字典は、大きくて場所を取るだけでなく、字を引く時以外に役立たないからだ。
その点、『微妙な日本語使い分け字典』は、読む本としても活用出来るのだ。例えば、キーボードを打ち続けていて、ふと止まってしまったほんの数分、無理に書き続けるのではなく、本の数行『微妙な日本語使い分け字典』は読むことが可能なのだ。しかも、何等かの漢字に対する知識が増えるのだ。少なくとも、知識が減ることだけにはならないのだ。
傍に於いていても、邪魔になろう筈がない。
 
毎日、キーボードを打ち続けている私だが、その横には必ずこの『微妙な日本語使い分け字典』を置いている。
 
 
 
 
***

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2021-01-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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