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メディアグランプリ

海だけじゃない。湘南、藤沢

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:田中真美子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
神奈川県藤沢市に住んで10年近く経つ。
藤沢といえば、多くの人がイメージするのは海だろう。
 
「藤沢」という地名を知らなくても、「湘南です」と言えばたいていの人にイメージが伝わる。
サーファーが集まる海があり、アニメ「スラムダンク」のオープニングに海岸沿いの踏切が登場し聖地化した場所であり、サザンや湘南の風が歌っている舞台、それが湘南だ。
 
人に住まいを聞かれるたびに羨ましがられるのがちょっとした自慢になっていた。
 
自転車を20分ほどこげば江ノ島まで行ける距離に住み、天気の良い日はふらっと海まで出かけて波の音を聞きながらぼんやり海を眺める。
最高の週末を過ごせる環境を手に入れることができた。
 
ところが、今年。
そのオサレな湘南ライフに「なんで今まで知らなかったんだ……」と後悔するような衝撃の発見があったのだ。
 
はじまりは新型コロナウイルス感染が拡大し、緊急事態宣言が発令された4月にさかのぼる。
緊急事態宣言を受けて、私と夫の勤める会社もテレワークや自宅待機の指示が出された。
 
私の職場ではコロナ前から環境が整備されていたためすんなりテレワークにシフトしたが、夫の勤務先はそうもいかず、週2日ほど自宅待機することになった。
 
自宅待機が続く中で、会社から1件も連絡が来ない日が続いたので気分転換に散歩しだした夫。あくる日のこと、散歩から帰宅した夫の手には真っ赤でツヤツヤなトマトがあった。
 
「それどうしたの?」
「散歩してたら野菜の直売所があったから買ってみた」
 
最初は海を散歩していたようだが、たまには海と反対方向へ歩いてみよう、と北へ北へと歩いたらしい。
そして手に入れたのは真っ赤なトマトだった。
 
早速夕飯に切っただけのトマトを出して二人で食してみたところ、これが恐ろしく美味かった。
トマト嫌いで生のトマトは食べない私もおかわりが欲しくなる程だ。
瑞々しく甘みがあり、程よい酸味と旨みを感じるそのトマトは40年生きてきた中で一番美味しいトマトだった。
 
それがきっかけで、週末に海……じゃなくて夫婦で直売所へ通い、平日の夕食に買い込んだ野菜を消費する生活がはじまった。
 
藤沢には引地川という相模湾に合流する川が流れていて、周辺に畑や田んぼが多く存在する。
その川のきれいな水が農業用水として利用されているからか、採りたてで新鮮だからか、とにかく野菜がすごく美味しいのだ。
 
時には歩き、時には自転車で。
美味しい野菜を手に入れて、ちょっとした運動もできて一石二鳥だ。
 
緊急事態宣言が解除されてからも、その日課は続いている。
 
きっと、これはもう止められないだろう。
もし仕事がコロナ前に戻りまた忙しくなってこの生活ができなくなったら、会社を辞めることも考えるくらい、この新しい日課と生活を気に入ってしまった。
 
直売所で通うことで得られたことは大きく3つある。
 
まずは健康。
歩く距離が増えて運動量が増えたのと、野菜中心の健康的な食事にシフトできたことでお通じも良くなった。
そのおかげか夫は痩せたし、私はここ何年か毎年風邪をひきやすかったり、頭痛が起きたりと体調を崩しがちだったが、今年は体調を崩すことなくずっと健康に過ごせた。
 
次にお金。
輸送コストがかからないからか、直売所で買う野菜は新鮮なうえに安いのだ。
1週間分の野菜をまとめていっぱい買っても1,000円でお釣りがくる。
そして飲みに行かなくなり、自炊が多くなったので全体的に食費が抑えられた。
 
そして最後に、心の豊さを手に入れることができた。
今まで夜遅くまで残業してクタクタになって、ストレスをお酒で発散し、外食続きだった頃には気づかなかったことに気づくことができた。
毎週直売所に通うことによって、売られる野菜が変わっていくことで季節の移り変わりを感じることができたのだ。
 
最初に手にしたのは春先のトマトだった。トマトやオクラ、枝豆が夏まで続き、秋になるとナスや梨が売られ、冬は白菜やブロッコリー、季節の変化とともに旬の野菜も変わっていく。
そんな当たり前のことにようやく気づいたのだ。
 
散歩することで川の流れる音に耳を傾け、川辺に咲く野花に自然を感じ、ヘトヘトになっていた心を癒すことができた。
 
また手に入れた野菜をどうやって食べるか考え、レシピを調べていろんな料理を作って、それを夫婦で一緒にゆっくりと食べることでコミュニケーションも増えた。
 
満員電車で揺られて夜中帰ってくる生活を続けていた頃とは比べものにならないくらい豊かな生活だ。
なんでもっと早く気づかなかったんだろう。
でも、これから長い時間をかけて、この生活を楽しんで行きたい。
 
ふとしたきっかけで新しい藤沢の楽しみ方を獲得した私たち。
きっとあなたの住む街にも探検すると自分の興味を引く、新しい発見、出会いがあるのでは無いだろうか。
海外旅行のような遠出が難しい今だからこそ、ご近所の探検をおすすめしたい。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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