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メディアグランプリ

リアリティ番組としてのNBA


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:野村美帆(ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
 
 
あなたは、組織のリーダーを務めたことがあるだろうか。もしくは夕食の献立を考えたことがあるだろうか。もし、あてはまるものがあるなら、これから紹介するNBAの魅力について少し理解していただけると思う。
NBAとは何か。NBAは、national basketball associationの略。北米を拠点にする、世界最高峰の男子バスケのプロリーグである。最近では、八村塁選手が日本人で初めてNBAにドラフトされたことがニュースで取り上げられ、その関心も少しずつ高まりつつある。しかし、サッカーや野球に比べると、日本での知名度は依然として低い。
その大きな要因としては、競技人口が少ないこと、もしくはルールがイマイチわからないことが挙げられると思う。しかし、NBAファン歴5年の私もルールやプレーについては未だ完全に理解できていない。けれども、NBAを観るのがやめられないのは、スポーツとしての面白さだけでなく、人間ドラマを見るような娯楽性が味わえるからである。
ここでまず、最低限のバスケのルールを補足しておきたい。(以下の通り)
①チームのスタメンは5人。敵チームと合わせ、計10人がコート上でプレーする。
②シュートが入ったら、得点。オフェンスとディフェンスを交互に繰り返す。
③5人にはそれぞれポジション・役割が与えられている。
④相手と強く接触すると反則となる。(つかんだり、ひっぱったりするのもNG)
しかしながら、ルールが分かったところで選手の顔や名前も分からないのに、どうやって楽しめばいいんだ、と感じた人もいるかもしれない。そうしたら、まずトラブルが起きた時(主に④の時)の選手たちの様子に注目するのがおススメだ。なぜなら、反則を指摘された時のリアクションを見ると選手のキャラが掴みやすいからだ。審判に詰め寄り、猛抗議する選手。素直に認める選手、怪訝な顔をする選手、知らんぷりする選手など。様々だ。こうして、キャラが少しずつわかってくると、今度はそのキャラクターに裏打ちされた選手の能力やプレースタイルにも目が行くようになる。例えば、反則を取られた時に猛抗議していた熱い選手は、案の定プレーも攻撃型だった、という風に新たな発見が生まれる。また、その逆も然りだ。
このように個性が結集されたものがチームとなり、これまた一つの集団としての個性が生まれる。勝ち星を増やすという目的のもと、いかにうまく個性を組み合わせ、強いチームを作っていくかが重要なポイントだ。
もう一つのNBAの面白い点は、強いチームをそう簡単には作らせないシステムを、リーグで定めていることだ。その一つが、サラリーキャップ制度である。つまり、各チームで予算が決められており、そのお財布の中に入っているお金だけでやりくりしなければならないのだ。そのため、1万円でステーキと本マグロの両方が買えないのと同じように、年俸の高い選手だけを集めようとすると予算オーバーになってしまうため、上手にお金を使いきれるように計画を練る必要がある。
また、もし仮に能力的に最強のメンバーを選んだとしても、必ず勝てるとは限らない。なぜなら、チームとしての強さは、個々の能力の合計ではなく、メンバーの掛け合わせによるバランス力で決まるからだ。ステーキと本マグロを買えたとして、それらを食卓に並べたとしても、これではメインディッシュ同士がケンカしてしまい、バランスが良い食事であるとは到底言えない。チーム作りもこれと同様だ。だからこそ、メインディッシュにステーキを選ぶなら、それを引き立てるような赤ワインを選ぶといった風に相性の良い組み合わせを選ぶ必要があるのだ。現地の解説者は、この現象をシナジー(相乗効果)、もしくはケミストリー(化学反応)と呼び、シナジーやケミストリーが高くなるほどチーム力が高くなると言っていた。
ともすると、本当は赤ワインよりも抹茶のほうが好きだけど、ステーキに合わせるという前提だったら赤ワインを選ぼうという判定方法も増える。つまり、自分の好き嫌いの感情を頼りに各ポジションを埋めるのではなく、全体のバランスを見ながら配役することが大切になるのだ。これが上手にできると、最強のチームが出来上がるのだ。
しかし、実際はそう上手く進めないのが現実だ。スター選手を集めようとするばかり、チームゆかりの選手を追い出したり、選手自らが優勝するためにチームを裏切って他チームへ移籍することがしばしば起こる。それに伴い、チームとの確執や因縁ができたり、選手同士の人間関係に亀裂が生じたりするのだ。こうした怒りが沸点に達したとき、コート上で乱闘が起きることもまれにある。
私はNBAの中で、このようにスポーツを通して人間と人間の感情がぶつかり合う瞬間を目の当たりにすると、一つの人間ドラマを観たような気分になる。それを取り巻くチームは企業でありコートは社会の縮図であると思う。スポーツとしての知識は少なくとも、人の感情に注目しそれを足掛かりすることで、エンタメ視点からNBAを楽しむこともできると思う。NBAには人を沼に引きずり込む魅力がたくさんある。
 
 
 
 
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2021-01-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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