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ニキビという名のコンプレックスを打ち明けたら世界が変わった


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記事:れな(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
ずっと、ニキビがコンプレックスだった。
思春期に差しかかったころ、私の顔には異変が起きた。顔中にニキビができるようになったのだ。私はこのニキビが、ずっとずっとコンプレックスだった。
周りの友達にはニキビの一つもないのに。すべすべの肌できれいなのに。どうして私はこんなにぶつぶつな顔なんだろうと落ち込んだ。洗顔や食事に気を付けていてもニキビは治らずにひどくなっていくばかりだった。毎朝を鏡を見ると、顔にぶつぶつニキビをかかえた私が、哀しい表情で見つめ返してくる。どうして私の顔はこんななんだろうと思うと無性に悲しくなって、涙が出たこともあった。私は、自分に全く自信が持てなかった。しだいに鏡を見るのが嫌いになった。写真に写りたくないと思うようになった。
 
そんな私に転機が訪れたのは、進路が決まった高校三年生の春休み。
私は、変わりたいと思った。所謂大学デビューを果たしたかったのだ。
 
私は悩みに悩んだ末、伯母さんに相談をすることにした。会いに行ける距離ではなかったので、電話をかけた。
伯母さんは、私に「病院に行ってみるといいよ」とアドバイスをくれた。
 
「ニキビで病院に行ってもいいの?」
「うん。ニキビも『尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)』っていう皮膚の病気の一つなんだよ」
 
さらに伯母さんは、伯母さんの妹である私の母にも口添えをしてくれた。そのおかげでスムーズに病院に行くことができ、塗り薬を処方してもらった。私が思っているほどすぐには治らなかったが、根気強く塗り続けているうちに、私の顔からニキビは消えていった。
あっさりと解決していき、もっと早く相談すればよかったと思った。
 
コンプレックスのせいで自分に自信を持てなくなってしまうことや、落ち込んでしまうことがあるのならば、ちょっとだけ勇気を出してみるだけで見える世界が変わると思う。自分のコンプレックスを信頼できる人に打ち明けることや、コンプレックスを解消するための行動をしてみるのには、やっぱり勇気がいる。だってコンプレックスだから。すぐさま人に言えたり、行動したりできるものは多分、コンプレックスほどのしこりを残していない。
 
それに、たまに人のコンプレックスを聞いて馬鹿にしたり、笑ったりする人がいる。そのようなひとに打ち明けてしまうと、自分のコンプレックスがみじめに感じられてしまう。私は確実に傷つく。けれど、笑ってくる奴には笑わせておけばいい。馬鹿にしてくる奴には馬鹿にさせておけばいい。
正直、笑ったり馬鹿にしたりする人の方がどうかしている。他の人にとってはどうでもいいことなのかもしれないけれど、本人がコンプレックスに感じているのならば、それは紛れもなくコンプレックスだからだ。多分、そのことを分かっていない。
 
自分のコンプレックスを笑われたり馬鹿にされたりした経験を持つ人は、他人の痛みが分かるようになる。どんな些細なコンプレックスでも絶対に、笑ったり馬鹿にすることはない。どんな振る舞いをされたら傷つくか誰よりも理解することができるようになる。だから、打ち明けたことで傷つくようなことがあったとき、私は人として一歩成長できたと思うことにしている。そして、私のコンプレックスを笑ってくるような人には、金輪際コンプレックスを打ち明けないし、失敗したことや自分の欠点も話さない。心の平安を守る方法を学んだと思うことにしている。
 
私も、ニキビコンプレックスを打ち明けるのには勇気とパワーが必要だった。ぶつぶつニキビのことを相談するために叔母さんに電話したときも、えいやっ! という思いで受話器を上げたし、コール音が鳴っている間も、心臓がバクバクした。「そんなの気にしなくていいよー。しばらくしたら治るからさ」なんて笑われたらどうしようなどと、頭の中でネガティブな想像が頭の中を駆け巡ったものだ。
そんな不安をよそに、叔母さんは私の話を真剣に聞いてくれた。しかも的確なアドバイスもくれた。そのおかげで、私は幸いにもぶつぶつニキビがほとんど治った。完全にニキビがなくなったわけではないが、私的には大満足だった。
 
肌きれいだねと言われた日には飛び上がるほどうれしくて、家に帰ってからもにやにやしてなかなか眠りにつけなかった。お世辞だったとしても、うれしかった。
 
もし、あの時勇気を出して叔母さんに相談していなかったらどうなっていたのだろう。コンプレックスを抱えたまま、周りの女の子を羨ましく思いながらの新生活を始めていたかもしれない。写真をとられるのが嫌いなままで、楽しい思い出に私の姿が一枚もなかったかもしれない。
 
コンプレックスを打ち明け、解消するための行動をしているときから、私の気持ちはどんどん良い方向へ変わっていった。顔のニキビは鏡を見ないと、どんな状態なのか全くわからない。ぶつぶつニキビが私の顔にたくさんあった時と、病院に行ってぶつぶつニキビを治療し始めた後で、私の視界を通して見える景色は全く変わらない。けれど、私は確かに見える世界が変わって見えた。それは自分の顔のぶつぶつニキビがあるなしに関わらに、自分の見た目に自信を持てるようになったからだと思う。
 
だからこれからもコンプレックスは抱え込まずに、コンプレックスを手放して生きていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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