長引く鼻炎に、朗報だ!
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:高江洲朋美(ライティング・ゼミ平日コース)
「ティッシュ終わっちゃったから、明日持ってくから出しといて」
9歳になる息子は、3歳のころからひどい鼻炎に悩まされていた。
授業中にロッカーまでティッシュを取りに行く頻度が多くて面倒なので、机上にティッシュ箱を置いて、側面には大サイズのビニール袋を引っかけていて、使用済みティッシュの山になっていたらしい。
おおざっぱな性格のわりに、過集中な気質。だから、鼻水が床までタラリと到着していても、ポカンと口をあけたまま折り紙を折っているし、公園でティッシュがなければ葉っぱで鼻をかむ。
もちろん、治療のために耳鼻科へ通い詰めたし、漢方薬局でカウンセリングをうけて治療したこともある。ちなみに耳鼻科は、市内外の有名な耳鼻科へ5か所以上通院してみたし、漢方は保険の効かない一日500円の生薬を飲み続けてみた。しかし、どれも完治には至らず、鼻がとおるようになり通院をやめると、すぐに二つの穴から白い粘液がひょっこり垂れてくる。そしたら、また治療を始めるというのを、幾度も繰り返していた。
そんな矢先、目からうろこの出来事があった。
1年前に歯科の定期健診で、「歯並びの問題」を指摘された。
たしかに、生え変わった大人の歯は、乳歯よりも一回り大きくなっていて、上あごから生えてきた八重歯は隣の歯と重なり合って窮屈そうだし、正面二本の歯は、ねずみ男のように主張が大きい。小さなあごに、一生モノの大人の歯が現れたから、顎と歯はアンバランスなサイズ感だ。
それよりもっと問題があるという。それは、「受け口」だという。受け口とは、本来は上の歯が下の歯よりも、前で噛む状態なのに対して、下あごが上あごよりも広く、下の歯が前で噛んでいる状態だ。世代によってわからない人いるかもしれないが、クッキングパパのような、今で言ったら有名な顎チューバ―城之内さんのような、いわゆる、しゃくれている感じだ。
後日、精密検査を受けてレントゲン写真をみて納得した。
正面から見た感じでは分からないのだが、奥歯の方にかけて下あごがどっしり大きくなっていき、反対に上あごはどんどん華奢になっている。成長するにつれて、ますます顎が出てくる可能性もあるという。
しかも、口呼吸で息が浅く、食事をうまくすりつぶせずに消化が悪く、肩こり腰痛など、日常生活にさまざまな支障をきたすという。たしかに、彼の体系はすでにほっそりしていて、背骨が丸まり猫背、食事の量も細い。
「それと、実は、耳鼻科のお子さんが鼻炎を治すためにうちに通院してるんです。お子さんの歯ならびと、辛そうな鼻炎は関係があるかもしれませんよ。」と、言われたときは、目から鱗が落ちた。歯並びを整えることで、顎周辺がすっきりして、鼻水の通りもよくなるという。
受け口になっている原因の特定はできないそうだが、「鶏が先か、卵が先か」というように、鼻炎だから歯並びが悪くなったのか、歯並びが悪いから鼻炎になったのか。いずれにしても、治療はまだ骨が柔らかい子供のうちに行った方が治療はスムーズだという。
ただ、恥ずかしい話なのだが、まとまった治療費を準備することができず、矯正治療をはじめる予算がないことを告げると、治療できるようになるまでは、成長を促す目的で運動系の習い事を勧められた。体力がつきそうなサッカーか水泳がいいと思っていたが、たまたま近くにあった、総合格闘技のジムへ通うことになった。
週三回、キックボクシングと柔術を数か月。
それは、歯と鼻水に的確に技ありだった。
「歯が! 歯が!」ある日、洗面台を眺める息子が叫んでいた。
ニンマリした表情の奥に、整列し始めた前歯たち。
通い始めて数か月、なんと、飛び出た歯の主張が落ち着きはじめている。ごはんを食べる量も増えたし、学校が楽しいと言って朝早く登校する。体も柔軟になって、姿勢がピンとしてかっこいいシルエットだ。
さすがに、奥歯の方は下あごが広がっていて受け口のままだが、全体が綺麗にそろい始めている。
鼻炎の方も、季節の変わり目にはジュルジュルさせるが、つまりも少なくてすっきりしている。口を閉じて折り紙を折っているし、鼻水は垂れていない。
本人曰く、ティッシュが袋いっぱいになるまで時間がかかるらしい。
歯と鼻とともに、生活習慣が整いはじめた。
そもそも矯正治療をはじめていないので、小声でお伝えするけれど、我が家では「運動」、いずれは「歯科矯正」。悩める「鼻水問題」を抱えるお母さん達の、少しでも参考になったらうれしい。
大きく期待するならば、このまま運動だけで歯も鼻も治ってしまうことだが。
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