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育児書はコンパスであり教科書ではない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:かりん(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
数年間、私の中でシコリのようになっていたようなものが、先日やっと解消した。
私は読書が好きなので、常に習慣として本を読んでいる。家事はもちろん、6歳と8歳の二人の娘たちの育児、そして会社員をしながら読書をする時間を確保するのは簡単ではないが、1日のうちに10分でも15分でも読む時間を確保したいと思うくらい読書が好きだ。
 
そんな私なので、育児書も人並みには読んでいた。友人に勧められた本、何かの記事で紹介されていた本、選び方はそんな感じなので、偏ってはいないと思っているが、どの本を読んでも同様に書いてあったことで気がかりだったことが一つある。
 
習い事はさせない方がいい。させても1つか2つにすること。
 
うちの娘たちは好奇心旺盛タイプ。とにかく何でもやりたがる。
習い事に限らず「○○してみる?」「○○行く?」と言って断られることはほぼない。
私も闇雲に勧める訳ではなく、娘たちが好きそうだったり、将来役に立つのではないかと思うものを勧めるためか嫌になったり飽きたりして辞めてしまう結果になることも今までほとんどなかった。
従って習い事はどんどん増えていく。ついに長女は週6日通うことになってしまった。本人に何度も「どれか辞めない?」と聞いても「どれも辞めたくない」の一点張り。逆に他の習い事を知ると「これもしたい!」というので「もう曜日がありません」という会話をするくらいだ。
 
習い事をさせない方がいいと言う育児書の主張は、「子供自身がやりたいのではなく親がやらせたくてやらせている」だったり、「習うことで指示待ちする子になる」という主張が多い。要はもっと自由にしてやれ、ということなのであろう。その主張に対しては強く賛成だ。友達と自由に遊ぶと言う経験から得られる利点はものすごく多いと思っている。
とは言え、最近の子供事情はというと、気軽に友達と遊べる環境を用意するのが難しい。そもそも自由に公園で遊んでいる子どもが少ないのだ。みんな何かしらの習い事をしているのか家に閉じこもっているのか……公園に行っても誰とも遊べない日もあったりする。最近のゲームは持ち出せるので、公園なのにゲームをしている子は居るが……
させた方がいいと言われている自由遊びをする「前提」が難しいのが現実だ。
とは言え、だから習い事をさせたいと言いたいのではない。
 
ただ、たくさん習い事をしている子は全員が全員、「やらされている子」「指示されないと動けない子」なのだろうか……とずっと気がかりだった。
 
うちの娘たちは純粋に習い事を楽しんでいると思う。バレエを習ってきたら家で楽しそうに踊っているし、新体操の技も「もっと上達したい!」という気持ちで日々悔し涙を流しながらも新技を練習している。
英語に関しても自ら図書館で英語の本を選んだり、まるでお絵描きをするかのように英語の絵本の書き写しをしたり……
やらされている子がする行動には思えない。
 
指示待ちにしても然り。友達と自由に遊んでいる時の様子を見ていると、自分たちで遊びの内容やルールを「考えて」遊んでいる。異年齢の子が混ざっても、みんなで楽しめるように工夫している。
たくさん習い事をすることで、幼児期から曜日感覚は自然と身に付き、小学校に入ると、毎日の宿題習慣や時間管理も容易に出来るようになった。
 
そもそも子供の視野は狭い。私は大人の自分でさえ視野が広いとは思っていないが、子供は尚更だ。何事も体験ではないだろうか。やってみないとわからない。やってみて世界観を知り、自分に合っているかどうかを確かめ、好きかどうかを見定める。
子どもにはたくさんの経験も必要なのではないか、と思っていたが、ありとあらゆる育児書で習い事は拒否される。私のモヤモヤは数年解けなかった。
 
そのモヤモヤが、やっと解消したのだ!
 
非認知能力。子育ての世界ではよく聞く言葉になってきた。
アメリカでその能力を高めることを主軸としている幼稚園に通わせたと言う親の手記のような本だった。その本にはこれからの子供たちは「出る杭」を見つけることが大事だと書いてあった。確かイチローも「出る杭は打たれるのでは?」という質問に対して「出過ぎたら打たれない」と言っていたことを思い出した。
 
「出る杭」について、ここでは細かく触れないが、子供の「出る杭」を見つけるためには、とにかく色々やらせてみることが必要だと書いてあった。
色々試して子供が自分で自分の好きなことや得意なことを発見したら、次に親が出来る介入は、好きを真剣にやらせること。
これが「出る杭」が育つ環境づくりだそうだ。
 
数十冊読んでやっと一冊。それくらい否定され続けてきたが、やっと自分の考えが少し肯定された気がした。
 
子育てに悩んだ時、育児書に救いを求める人は多いと思う。私ももちろんその一人であり、育児書に教えられたことも多々ある。ただ言えるのは、何事も鵜呑みにするのは違う、ということだ。育児書に書いてあることについて、先ずは自分の頭で噛み砕き、熟考する。そして、トライ&エラーの精神で挑み、自分の気持ちや子供の言動をじっくり観察する。
人間誰一人全く同じ人はいない。うちの娘二人でさえ全然性格が違うと感じることの方が多い。それなのに育児書には千差万別なことは書いていない。一律の考えが書いてある。考えてみたら「書籍」なのだから当たり前だ。個別に宛てられたメッセージではなく、相手は「書籍」。大多数向けに一般的に書かれていて当然なのだ。
 
育児書はあくまで育児という航海をしていく上でのコンパスの役割。全て正解が書いてあり、指示通りにすれば解が解ける教科書とは違う。そう捉えてこれからも頼りにさせていただきたい。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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