利き耳を上手に活用して生きづらさから解放されよう
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:垣尾成利(ライティング・ゼミ日曜コース)
私は「音」に対してとても敏感です。
もう、ずっと幼い頃からそうだったから、誰もが当たり前に同じだと思っていたのですが、そうではなく、私の持つ気質のひとつだということを知りました。
そうか、普通じゃなかったんだ、と知ったことで、聞こえと上手に付き合う生き方を考えるようになりました。
音に敏感なのが自分自身の気質によるものだということは、HSP(ハイリーセンシティブパーソン)という言葉を知ったことで理解できました。
HSPとは、音や光、匂い、感情など様々な刺激に対して普通の人以上に敏感に反応してしまう気質を生まれながらに持っている人のことを言います。
私の場合は「音」に対する感度が高く、近くにいる人の話し声はもちろん、少し離れたところにいる人の話し声、空間に流れているBGMの音色、スマホのバイブレーションの振動音、引き出しを開ける音、書類を捲る音、部屋の外から聞こえてくる音など、鼓膜を震わせる音という音を常にキャッチしています。
集中したら周りの音なんてなにも聞こえなくなる、という人もいますが、私の場合はそうはならず、どんなに集中していても、音が消えることはありません。
仕事中、必死に仕事に取り組んでいても、周りの会話が聞こえなくなることがないので、これはどうしたらいいのだろう? と困っている人の嘆き声や、サボって雑談をしている人の会話、他者が叱責を受けている声、コピー機が紙詰まりを起こした音など、職場の音が全部聞こえてくるのです。
目の前に集中しながらも四方八方にセンサーを張り巡らせて情報をキャッチしているような状態なので、脳が処理する情報量が多く、毎日とても疲れるのです。
聞こえ過ぎることで、周りの状況が把握できていて変化に素早く反応できるという良い面もありますが、聞いてしまうことで嫌な気持ちになる声や、音に込められた嫌な感情までも拾ってしまうため、精神的にマイナスな影響を受けてしんどさを感じることの方が多くて、聞こえなければよかったのになぁ…… と生きづらさを感じることもたくさんありました。
誰もがそうだと思っていた聞こえ方が実は普通じゃなかったと知ったことで、この生きづらさから解放されるために、耳を上手に使うことを意識するようになりました。
耳栓を使って「利き耳」を使い分けるようにしたのです。
皆さんは利き耳って聞いたことはありますか?
利き腕、利き脚、などと同じく、耳にも利き耳があります。
利き耳は脳の使い方に左右されるそうです。
左脳は分析的で論理的な捉え方、右脳は感覚的、直感的な捉え方が得意なのだそうで、どちらを優位に使っているかは人それぞれです。
右耳から入った音は左脳で処理され、左耳からの音は右脳で処理されます。
自分が左脳優位なのか右脳優位なのかは人によって違いますが、片方だけ耳栓をしてみると、聞き取れる情報量が大きく違ったり、気になる音の種類が違うことがよくわかります。
私の場合は右脳優位なようで、同時に複数の音の情報を聞き取り、処理することができるのは左耳のため、左耳を塞ぐと周りで何か話し声がしていても内容を聞き取ることが難しく感じます。
逆に、右耳を塞ぐと、全体の音の情報量は減るけれど、話し声は聞こえているのがよくわかります。
電車や人混みなど、音を気にする必要のないところでは両耳を塞いでいても問題はありませんが、仕事中はそうはいきません。
周りの音を聞きながらも音の量を減らしたいときは右耳を塞ぎ、より集中を高める必要があるときは左耳を塞ぐ、というように利き耳を活かすかどうかを使い分けるようにしたのです。
耳栓を使い、利き耳のセンサーの感度を調節するようにしたら、聞こえていた音の量が変わるとこんなにも違うのか! と実感できるくらい、脳が処理する情報量が軽減され、目の前のことに集中できるようになり疲れが減ったのです。
今では眠るときも両耳に耳栓をするようにしています。
小さな音ですが、眠りの浅いときには掛け時計の秒針が刻むカチカチ音が聞こえていましたが、聞こえなくなり夜中に目覚めることが減り、ぐっすり眠れるようになりました。
自分ではコントロールできない聞こえで、長く生きづらさを感じていたことにさえ気付かずにいたけれど、音への敏感さは私の気質だと知り、利き耳を使い分けることを考えるようになったら、これまでのしんどさが嘘のように軽くなりました。
食べ過ぎて胃もたれしたときに、食事を減らしたり胃に優しいものを選んだりするように、聞こえ方も量を減らしたり、聞かなくていい音を聞かないようにすると、楽になるのです。
それが当たり前だと思わずに、楽になる方法があるかもしれないと考えてみれば、生きづらさを我慢し続けることをしなくて済むのです。
いろんな音が聞こえ過ぎていて生きづらさを感じていませんか?
利き耳を上手に使い分けて、楽に生きることを考えてみてください。
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