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中学受験算数を勉強することは、食育と似ている


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記事:内藤 睦(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
今、各地で中学入試真っ最中の時期である。
そのために追い込んでいる小学校6年生が全国各地にいる。
中学受験をする場合、一番大きく合否を左右するのは算数だ。
算数は問題数が少ないので1問ごとの点数が高く、さらに得意不得意によって点差がつきやすい教科である。
そして小学校で習う算数とは内容が異なっている。
問題文は複雑だし、特殊算などは独特の解法を用いる。
「中学受験算数」という科目は、他の国語・理科・社会と大きく異なって独立した科目のような存在だ。
 
そのため、親も子供も塾も、算数の得意不得意は大いに気にする。
でも中学受験を経験していない人が教えるのは難しい。
学習指導要領の範囲を超えられないし、高度に抽象的なことを理解させるのは年齢的に難しい。
だから、図を描いたり比を使ったりしながら、小学生が身に着け理解できることを最大限生かして「中学受験算数」を解いていく。知らない大人ならびっくりするような解き方をする。
 
少しでも理系科目が得意な親が勉強に関わる場合や、試験まで時間がない場合の塾で飛び道具として中学以上で習う方程式や定理を教えようとする人も多い。
でも中学受験指導に関わり、算数を教える機会が多い身としては「もったいない」と本音では思う。
それは早期教育とも違う。早くからドリルを解いて足し算や引き算の問題が解けるようになることは別物だ。
小学生の子どもにとっての中学受験算数は、あっという間に公式などで処理するのはもったいない、またとない思考力を伸ばせる機会だからだ。
 
それは、食育に似ている。
算数って本当は食育のようなものだから。
 
小さなお子様をお持ちの方なら、「食育」という言葉を聞いたことがある人が多いのではないだろうか。
2005年に施行された「食育基本法」によると、食育とは、「様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができるようになる力を伸ばす」ことであり、そのために「家庭、学校保育所、地域その他のあらゆる機会とあらゆる場所を利用して、食料の生産から消費等に至るまでの食に関する様々な体験活動を行う」とある。単なる料理教育に留まらない。
家庭でプランターを使ってミニトマトや葉野菜を育てて、収穫したら自分の手でちぎってサラダにするといった体験。
保育所や幼稚園でサツマイモを育て、芋掘りをしておやつに食べるといった体験などだ。
そうすることで、小さい子が苦手だった野菜に愛着を持ち、食べられるようになることも多い。
 
算数は、数や図形の不思議に触れて、いろいろ触り、おもしろいなあと思う。
その中で、最初はちぎったりレンジでチンしたりといった簡単な調理作業からだんだん高度な調理技法を使って美味しい料理を作りだせるようになるように、公式や解法を使ってスマートに解くようになる。
でもその時だって、「この問題なら、こういう公式や解法を使えばいいんじゃない?」という部分は問題を解く本人が考えなければならない。
他人が「この時はこうすればいいんだよ」というのを鵜呑みにしていては、「どの食材にどの調理法を使えば美味しい料理が作れるか」を「自分で考える力」は育たない。
 
算数もそれと同じで「問題に対してある程度試行錯誤して、この食材(問題)はどのような調理法(解き方)ができそうか」を考えてみることが必要だ。
その過程で、ある調理法で作ってみた料理(解答)がマズければ(間違っていれば)「あっはっは、これじゃマズいんだねー」とマズさを楽しむこともできるだろう。
そのような過程がなければ算数を楽しむことは難しいかもしれない。
最初から切れ味良すぎる包丁を与えられて「なんでも薄切りにして食べたら美味しいんだよ!」と言われたら、どんな問題でも危なっかしい手つきで薄切りにしようとして、手を怪我してしまって料理が嫌になるかもしれない。確かに薄造りは美味しいが、ぶ厚い方が美味しいものもある。なのに、他の調理法を思いつかなくなるかもしれない。
 
そのように、その時その時に合う調理法(解法)を伝えて算数のおもしろさを体感してもらうことが私の使命のように感じている。
実際に、今までに教えた子ども達の中には、最初は算数が苦手だったが、いろいろ考えた末に「解けた!」という快感を覚えてじっくり考える力を身に着けた子もいる。
もっとそのおもしろさを伝えていきたい。
 
 
 
 
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2021-01-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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