ライティング・ゼミで人生は変わったか
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:住田薫(ライティング・ゼミ平日コース)
――人の欲望は尽きることがない。
そんなことをひしひしと感じる、今日このごろだ。
天狼院書店という本屋が運営する、「人生を変える」と銘打つライティングの講座を受けて、3ヶ月とすこしが過ぎた。
講座では、月に2回講義を受け、課題記事を16週間、毎週出さなければならない。
そのうち講義は残すところあと1回。
記事提出も13回が終わって、のこり3回となった。
私は文章を書くことが、ものすごく、苦手だった。
学校で、書いた文章を褒められたことなんて、一度もない。
読書感想文は、マス目を埋めるために、やたら引用や「、」を乱用した記憶がある。
社会人になっても、文章を書く機会というのは頻繁にあって、そのたびに、時間をものすごくかけ、でも何が正解かもわからず、「もっとうまく書けたらな」とモヤモヤしていた。
この苦手意識を、克服したかった。
講義は、シンプルにまとまった幾つかの要点を、丁寧に、わかりやすく、受講生を退屈させることがないよう工夫が凝らされた内容だった。たぶん殆どの人が、「あ、これならできるかも」と感じるのではないだろうか。
「講義も大切だけど、課題を毎週出すことも、けっこう大事ですよ」という店員さん。
実際には「けっこう」どころか、「かなり」大切だった。
課題とは、決まったお題があるわけではなく、「何でもいいからとにかく2000字の文章を書いて提出する」というものだった。
受講料は、まあまあする。取り返すつもりで、
「課題は何があっても、ぜったいに提出する」と心に決めて、4ヶ月がはじまった。
この課題が、めちゃくちゃハードだった。
毎週、2000字の文章を書かないといけない。
書くスピードが遅い私は、一つ記事を仕上げるのにとても時間がかかる。
生活を、かなり圧迫した。
毎週、ヒーヒー言いながら書いた。
提出した課題は、書店スタッフの方がチェックをし、規定レベルを満たしていると判断されれば、書店のweb内にて掲載、公開される。
最初はどう書いたらいいか分からず、1回目はOKが出なかった。
しょんぼりしながらも、「まあそうだよな」と自分を慰める。
目標は、まずは「掲載されること」だった。
2回目の投稿で、初めて掲載OKが出た。
嬉しくて、信じられなくて、心臓がバクバクしているのを感じた。
自分の書いた記事が、公のページで公開されるなんて、ちょっと想像しがたいことだった。
目標は、「毎回掲載されること」になった。
6回目まで、通過しては落ちる、を繰り返し、打率は5割だった。
8回目の投稿で、はじめて打率が5割を超えた。
そこから掲載OKが続いた。
目標は「記事ランキングに入ること」に変わった。
ライティングの講座は幾つかあるようで、各受講生が記事を提出し、その中でアクセス数を競うのだという。
アクセス数なんて、タイトルに依存するんじゃないの? それって中身に関係ある? 友達多い人が有利なんじゃ? などと思いつつ、できることは書くことしかなく、試行錯誤しながらも、書き続ける。
提出記事に対して、「掲載不可」の場合は、どこが良くなかったか、どの点に注意したらよいかなど、的確なアドバイスがもらえる。
だけど掲載OKの場合は、簡単なコメントしかもらえない。
私へのコメントは、だいたいいつも「新しい視点が提示されていましたね」みたいな、同じような内容で、次にどうしたらいいか指標が見えない。
どこか迷子の気持ちだった。
そんなある日、他の人の記事を読んで研究しようとweb書店ページを開いて
「……あ!」
夜中なのに、おもわず声が出ていた。
記事『私はオタクになりたい』が、記事ランキングで10位に入っていた。
ランクインすると、書店トップページに直接記事リンクがあがるようだ。
にわかに信じ難い光景だった。
書店ランキングで重視されるのは8位以上らしく、10位は大したことではないのだろうか。それでも、ずっと文字を書くことにモヤついていた私にとっては、心が震える出来事だった。
よく見たら、初めてOKのもらった記事『なぜプリミティブに惹かれるのか』も、受講生内ランキングで12位をもらっていた。
しんじられない。うそみたい。心拍数がめちゃくちゃ上がってる。
その日は興奮してなかなか寝付けなかった。
次の目標は……
「さらに、ランキングに載ること」
いやいや、なかなか難しいよね。狙ってできることではありませんよね。
毎回ランクインしているお名前もあって、いや、スゴイな、と思う。
その後は特にランキングに乗ることもなく、先週は掲載も落としてしまった。ああ。
人の欲望は、とどまるところを知らない。
最初は掲載OKが取れるだけでも、飛び上がって喜んでいたのに、目標はどんどん高くなる。どこまでもキリがない。
でもその“欲望”のおかげで、13週間めげずに続けられたと思う。
講座の規定では、「最終4回の提出記事のうち、3回掲載」なら、合格レベルなのだそうだ。
その4回のうちの1回目を落としてしまったので、もう後はない。
残り3回、全部おちる可能性だってある。
でも。
毎週、書き続けたこと。
4回落としたけれど、9回掲載して貰えたこと。
一度はランクイン(と言っていいのか分からないが)したこと。
この13週間の継続が、血や肉になっている実感がある。
2000字という量も、今はもう怖くない。
課題を毎週出すことは、本当に意味のあることだった。
書く時間をひねり出すのは大変だ。
納得のいかない、恥ずかしいと思いながら出した文章もあった。
ダメ元で出して通ったものもあれば、自信あったのにダメだったものもある。
それでも、とにかく、書くのだ。
千里の道も一歩から。
まだまだ未熟な道の途中だけれども。
「人生」と呼ぶには恐れ多いけれども。
この“欲望”を積み重ねたら、まったく別の景色にたどりつく。
そんな予感が、今はある。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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