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英単語を知るために大切な2つのこと


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記事:Risa(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「英語の語源はラテン語だよ」
 
中学生の時に塾の先生が言った。
 
それをきっかけにラテン語に興味を持ち、大学に入ってからはラテン語を学びはじめた。
 
ラテン語は古代ローマで使われていた大昔の言葉だけど、今でも魅力がたくさんある。
英語の語源というのもその1つだ。
 
例えば、ラテン語でconは「共に」を意味する。
このcon「共に」とverse「回す」が一緒になった、conversationという英単語がある。
「会話」を意味するこの単語は、「共に回す」という元の意味が派生してできたものだ。
 
コンビニのコンビニエンスもラテン語から説明できる。
con「共に」とvenio「来る」があわさると、「共に来る」となる。
必要なものが共に来ると便利なので、英単語convenienceは「便利、都合がいい」という意味になったのだ。
 
ラテン語を知れば知るほど、英語の語源がわかるようになってくる。
現代にも痕跡があることがわかると、どんどん面白くなっていく。
 
ラテン語にそれほど関心がなくても、英語を勉強している人の中には、ラテン語を利用して英単語を覚えてる人もいるだろう。
 
では、そもそもなぜ英語の語源はラテン語なのだろうか?
 
実は、私はラテン語の学習期間が長いにもかかわらず、英語とラテン語の関係をきちんと調べたのは最近だった。
そして、わかったのは、二つの言語の関係が想像以上におもしろいということだった。
 
なぜなら、ラテン語と英語の深い関係をひもとくには、イギリスの歴史をさかのぼっていくことになり、
「歴史上のこんな出来事があったから、英語がこんなふうに変化して、ラテン語の影響が入り込むことになったんだ!」という感動があるからだ。
 
この記事では、独り占めするのがもったいないラテン語と英語の秘密を、どうしても欠かすことのできない2つの出来事に絞ってお伝えしていきたい。
 
その2つとは、「フランス語の影響」と「ラテン語へのあこがれ」である。
 
さかのぼること1000年ほど。
イギリスではエドワード王が統治していた。
 
エドワードにはフランスの血が混じっている。
なぜなら、母がフランス北西部のノルマンディー出身だからだ。
エドワード自身も、若いころノルマンディーで暮らしたことがあった。
 
ノルマンディー公国の首長ウィリアムとは親戚関係にあり、親しかったため、エドワードの後継者がウィリアムになることは公然の事実であった。
 
それなのに、なんと1066年にエドワードが亡くなると、エドワードの義兄ハロルドがイギリス王として即位したのだ。
 
ウィリアムは黙って見ているだけではなかった。
イギリス南東部のヘースティングズで一戦を交えて見事勝利をおさめたのだ。
 
ウィリアムは無事にイギリス王になった。
 
前王のエドワードとの約束が果たされたのだから何も問題はないはずだった。
あえて問題があるとすれば、それは王が話す言葉。
 
なぜなら、ウィリアムはフランス育ちなのでフランス語を話すのだ。
 
自然と、フランス語がイギリスの宮廷、議会、法廷で使われるようになっていった。
なんと、200年も!
 
その影響は大きかった。
イギリスの地でフランス語が話されるのだから、もともと話されていた英語の中にもフランス語の言葉が入り込んでいったのだ。
 
そもそもフランスはローマ帝国の領土であり、かつてはローマ帝国の言葉であるラテン語が使われていた。
話し言葉は自然と変わるもので、ラテン語は時代を経てフランス語へと変わっていった。
変わったといってもおもかげは残っていて、フランス語の単語はラテン語を語源とするものが多い。
 
そんなフランス語が英語に入り込み英単語になったため、ラテン語を語源とする英単語が生じることになったのだ。
 
この時期にフランス語から英語に借用されたのはなんと約1万語。
現代語にはこのうち7500語ほどが残っている。
 
このようにして、「フランス語の影響」で英語の語源がラテン語となったのだ。
 
これは、いわば自然と生じた変化であった。
これとは違って、人為的に作られた変化もある。
 
それがルネサンスだ。
 
時代は16世紀。
イタリアから花開いたルネサンスがようやくイギリスの地にたどり着いた。
 
ルネサンスとは、一言でいえば、懐古趣味だ。
当時の文化や風習を支配していたキリスト教とは距離をとって、古代の文化を理想とする運動である。
ここでの古代とは、古代ローマとギリシアを指している。
 
影響は文化や芸術にとどまらず、言葉にも及び、なんと空前のラテン語ブームが到来した。
 
この時代の人たちは、ラテン語にあこがれて、わざとラテン語の単語を少し語尾を変えて英語として使うようになった。
 
例えば、ラテン語のdividereが英語のdivide「分ける」となり、ラテン語のdirectusが英語のdirect「直接の」となった。
 
ルネサンス期に書かれたシェイクスピアの戯曲にも、ラテン語を由来とする単語がたくさん出てくる。
 
こうして、「ラテン語へのあこがれ」から約1万語のラテン語が英単語となっていった。
そのうち、およそ半分が現在も英語として使われている。
 
これが2つ目の出来事、「ラテン語へのあこがれ」である。
 
以上のように、ラテン語と英語の関係を探ることで見えてくるのは、イギリスの歴史が英語の歴史にも大きく影響していることと、英語が他の外国語を柔軟に受け入れてきたことだ。
 
フランス出身の王が即位すれば、フランス語の単語が英単語として使われるようになる。
ルネサンス期には、ラテン語がわざと使われるようになり、ラテン語由来の言葉が英単語になる。
 
英語はいわば、ごちゃまぜの言葉であり、ラテン語をはじめ数々の外国語の影響を受け入れている。
古代のラテン語の影がいまだに英単語の中に表れているのは、英語の柔軟性のおかげなのだ。
 
もし、語源を使って英語を勉強している人は、そんなイギリスや英語の歴史にも思いを馳せてみてはどうだろうか。
きっと、学習がより楽しくなるだろう。
 
 
 
 
***

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2021-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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