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先生は、なぜ英語を話せるようになったのですか?


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記事:ぴぼなっち(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
予備校や大手英会話スクールで英語を教えている人間が、まさか30歳になるまでパスポートを持っていなかったどころか、英語がまったくできなかったとは誰も思うまい。
 
「先生は、なぜ英語を話せるようになったのですか?」
 
そもそも私は、英語どころか言語そのものが苦手でした。
 
国立大学の二次試験では、英語の点数が上から4番目のDランク(100点満点のうち20〜40点)で、合格通知と同時に受け取った試験結果を見て、青ざめたことを今でも鮮明に覚えています。
 
仕事を始めてからは、「お前の日本語は、何を言っているのかさっぱりわからない」という国語能力不足を上司から幾度となく指摘されましたし、「お前、不遜だな」と言われたのを、褒められたと思っていたぐらいの言語音痴です。
 
これでも頑張ったのです。
 
「これからの世の中、理系だろうと英語は必須だぞ」と母に言われた言葉を胸に、大学では英語を上達させたい一心で家庭教師を引き受けるという暴挙に出て、社会人になって仕事に慣れた頃には、将来への不安から、仕事終わりや週末にTOEICテストの勉強を始めたのです。
 
ただ、現実はそう甘くはありませんでした。睡眠時間を削って勉強したTEOICの結果が、505点。当時の日本人の平均は550点でしたので、どれほど時間を費やしても私の英語力は日本人の平均にすら届かなかったのです。
 
TOEICの点数に打ちひしがれ、「英語なんて、もう一生やらない!」と思って転職した先に、海外留学の経験のある同僚がいました。仕事上のビジネススキルや英語力だけではなく、人としてもとても魅力的な人たちでした。
 
そういう同僚たちと一緒に仕事をするうちに、こう思うようになりました。
「海外に出ることで視野を広げたい」
「大学院で専門分野の最新の知見を得たい」
「いろんな国から来る人たちとつながりたい」
 
日増しにその思いが強くなった結果、英語が人生最大の壁であろうと登るしかなくなったのです。
 
そして、のちに気付くのです。
この「明確な目標を持つこと」がどれほど大切か、ということに。
 
とはいえ、意志だけでは道を拓くことはできませんでした。
 
仕事終わりや週末のほとんどを英語の勉強に費やしたにもかかわらず、まったく改善される様子もなく、世界最高峰のエベレストの如く目の前に立ちはだかる英語という壁に、何度目かの挫折を味わいそうになっていました。
 
同じ方法では失敗を繰り返すだけだと焦った私は、パスポートをとることにしました。そして、仕事の合間を縫ってまずは海外に飛ぶことにしたのです。
 
「未来への投資」とばかりにシンガポールの英会話スクールに、ホームステイを兼ねた「ド短期留学」をすることにし、翌日締め切りの年末年始留学プランに「もうこれしかない!」という思いで結構な金額のお金を払って飛び込みました。英語を話すどころか、聞き取ることさえ満足にできないのに。
 
しかし、これが大きな転機になりました。
 
私の良いところは、過去のことを綺麗さっぱり忘れてしまうことにあります。特に、「英語は何をやっても上達しなかった」というような、自分に都合の悪いことは……。
 
現地の英会話スクールでは、韓国と中国から来ていた小学校低学年の子供たちに混じって毎日の英語のアクティビティと「異文化コミュニケーション」を楽しみ、帰国するまでの日々があっという間に過ぎ去りました。
 
「30過ぎのおっさん」が小学校低学年のレッスンに混じって、英語を使って一生懸命ゲームをしているところを想像してみてください。結構笑えますよね。
 
「英語はただのコミュニケーションツールなんだ!」
「でも、そのツールすらうまく操れないなんて……」
 
複雑な気持ちを抱えて帰国して以降、セミナーで留学経験者に会う機会が増えました。それは、キラキラした英語ネイティブみたいな日本人たちに出会い続けることを意味していました。
 
もう「英語が苦手だ」なんて、口が裂けても言えない。
 
絶対に「英語の壁」を超えてやると心に決め、会社の新年の抱負で「(非英語圏の留学志望者が受けなければならない)TOEFLテストで100点を取る」ことを同僚の前で目標に掲げ、一直線に走りはじめました。
 
「英語の発音矯正が良い」と耳にすれば体験レッスンに出かけ、英語のコーチングを受けて何が悪いのかを根本から見直しました。会社のランチタイムは単語帳とにらめっこ。仕事が終わったら、24時間あいているマクドナルドでコーヒー片手に夜遅くまで居座りました。英語でのディベート・クラブに参加して、周囲に迷惑をかけまくったのもこの頃です。
 
1時間の通勤電車はシャドーイングの練習の場に変わりました。新型コロナの影響でマスクが必須の世の中になりましたが、マスクをして電車に乗ると、リスニング用CDを声に出して聴いていても誰にもバレないのです。まさしく「神アイテム」でした。
 
リスニングスキルが上がってきたら、ネイティブとのオンライン英会話に手を出しました。毎日25分を2セット。足し合わせると、時間にして40,000分以上! 文型や時制など後回し。正しい英文法なんてクソくらえ。恥じることなく、身振り手振りを交えながら「英語が伝わること」を楽しむことができたのは、シンガポールで小学生に混じって英会話を学んだからでしょう。
 
高校生の頃、部活を頑張った方なら覚えていらっしゃるのではないでしょうか。全国大会やコンクールに出るといった目標に向かって、ガムシャラに練習したことを。
 
私にとっての英語学習はまさにあれと同じでした。
何千、何万回とバットを振って出た試合に、勝った負けたで一喜一憂して。
そして目標が達成できるまで、またバットを振り続ける。
 
その結果、私のTOEFLテストは必要とされる100点を超え、米国大学院のクラスを聴講させていただいたときも、先生のジョークにクスリと笑えるレベルに達していました。
 
今思うと、私の英語能力は、30歳にして「おぎゃー」と生まれたばかりの赤ちゃんそのものでした。
 
でも目標を明確にしたからこそ、必要なものを見極め上達するまで一直線に実行し続けることができた。何度挫けそうになっても、はっきりとした目標があったからこそ、バットにボールが当たるまで気の遠くなるような練習をやり遂げられた。
 
だから自信を持って言えます。
まずは「明確な目標を持つこと」が大切なのだ、と。
 
最後に、今よりもう少しうまく英語を話せるようになりたい方へ
 
英会話上達のコツは、最初からうまく話そうとはしないことです。
赤ちゃんが言語を覚える過程を思い出してみてください。赤ちゃんが、「パパ」「ママ」「うんち」と言葉を発したときの喜びを! 正しい文法なんて、その次ですよね。たくさん話した方が、上達も早いですよね。
 
どうしても譲れない目標を設定したら、あとは実行あるのみです。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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