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「身だしなみ」に少しだけ意識を向けてみよう


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記事:清田智代(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
先日、思い立って美容院に行き、髪形を整えてもらった。
 
施術の間は担当の美容師と話をしたのだが、新型コロナの蔓延で、美容業界も大きな痛手を負っているようだ。美容院に足を運ぶお客さんの数と、来院の頻度が減っているらしいが、彼にとって恐ろしいのは、これが単に感染症対策としての外出自粛によるものではなく、外見を気にする人が減っていることだという。
 
確かに人に会う必要がなければ、外見を見繕う必要もないかもしれない。また、身支度にかけるお金や時間、労力を節約できるというよい面もあるかもしれない。
 
しかし、身支度がそれほど重要ではなくなったとはいえ、「身だしなみ」はどうだろう。
 
広辞苑によると、「みだしなみ」は「身嗜み」と書き、「身の周りについての心がけ。頭髪や衣服などを整え、言葉や態度をきちんとすること」を意味する。
 
最近は外出自粛や在宅勤務の機会が増え、それに伴い人に会う機会が減ったという人は少なくないだろう。それでも日々の暮らしの中で、「身だしなみ」に気をつけている人は一体どれだけいるだろう。
 
というのは私自身、今は一人で暮らしていることもあり、最近「身だしなみ」をおろそかにすることが多くなった。
 
つまり、家にいるときは、下手をすれば寝巻のまま一日を過ごすことさえある。
 
寝巻というものは便利なもので、どんなに気合を入れていても、いつのまにか、そして気軽にベッドへ誘ってくれる、心地の良い服だ。
 
だが、寝巻のままで、果たして気持ちよく生活を送ることができるだろうか。
 
答えは、NOだ。
 
生活というのは起きている時間を過ごすことであるが、寝巻というのは心地よく眠れるよう設計されたものであり、起きている時間に身に着けるものではない。寝巻のままだと、「身だしなみ」はおろか、住まいの整理・整とんさえ、もはやそれどころか動くこと自体が億劫になる。そんな生活なので、自分自身を鏡で見る機会も自ずと減る。その結果、心身ともに余分な老廃物が溜まり、ひいては外に出ることがますます億劫になる……このように、じわじわと生活に支障をきたすことになる。
 
恥ずかしい話ではあるが、このような経験は、きっと皆さんにもあるものだと信じたい。
 
寝巻と着替えを例にしたが、衣服に限らず「身だしなみ」に気を遣うことは、きっと思っている以上に、私たちの精神に大きな効果があるのではないだろうか。
 
なぜなら、この「身だしなみ」というのは、必要不可欠なものではないかもしれないが、日々の暮らしの中で少しだけ自分を気にすることであり、そこに他人がいようといまいと、自分自身を客観的に見つめる機会となるからだ。
 
自分自身を客観的に見つめることで、自分の精神状態を知ることができるし、たとえ心に余裕がない状態でも、今、自分には余裕がないことを認知するきっかけになる。
 
また、「身だしなみ」を整えることは、生活のサイクルを整えることにもつながり、時間を気持ちよく過ごすこともできるように思う。
 
私の身近には、生活を律する達人がいる。
 
それは田舎の実母だ。
 
彼女は私が小さなころから、毎朝早い時間帯に規則的に起きていた。
 
今くらいの寒い季節、実家はとても寒いにもかかわらず、朝起きたら暖房が温まるのを待たずして、すぐに着替えをしていた。
 
着る服や靴下などをすべて前日の夜に用意をして、すぐに着替えられるよう、所定の場所にきれいにたたんで置いてあったものだ。
 
これは今でも印象的に残っているのだが、あるとき私が贈ったおそろいの櫛を常に携帯していて、化粧室に行く時などには必ず髪に櫛を通していた。そしてその櫛を定期的にきれいに洗い、何年も同じものを使い続けていた。彼女は化粧や服にお金をかけるタイプではなかったが、毎日の手入れを欠かさない人だった。
 
「身だしなみ」とは少し離れるかもしれないが、母は、父を仕事に送り出し、私たちが朝食を終えた後、毎朝必ず寝室やリビング、茶の間、台所、風呂場、トイレと、あらゆる生活の場の掃除をすることを習慣にしていた。だから、我が家は決して豪邸ではなかったが、毎日いたるところがぴかぴか輝いていた。
 
彼女は自覚すらしていないかもしれないが、彼女がだらだらと時間を過ごしているのを見たことがない。
 
「情けは人の為ならず」とはよく言ったものだが、これは「身だしなみ」についてもいえると思う。
 
「身だしなみ」を整えることは、誰かによく思ってもらうためではなく、自分自身が心地よく過ごすためのものではないだろうか。
 
さて、みなさんは日々、心地よく過ごせているだろうか。
 
何か心当たりがある方は、ぜひ、少しだけ「身だしなみ」を気にかけてみてほしい。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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