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淵野辺(ふちのべ)、ここは面白すぎる街


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記事:永井 廣子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
私がこの街を知ったのは、確か35年ほど前のことだった。
志望する大学の最寄り駅で、受験の時に慌てなくて済むように、その大学で開催される全国模試を受けてみることにしたのだ。
「うわー、けっこうボロボロの駅……。駅ビルもないし地味だよね。しかも、北口に降りるのに階段しかないの?」という、正直なところ、あまりパッとしない印象だった。
今は駅舎の建て替えでエスカレーターもエレベーターも設置され、ベビーカーや車いすでの移動も楽にできるようになったので、利用者にも喜ばれているが。
 
そして、この街に住むようになったのは、1人目の子どもが生まれて2年後。
2人目の子どもを持つことを考えて、駅の近くに建ったエレベーター付きのマンションに引っ越してきてからなので、もう20年以上になる。
住んでみて初めて分かったことも多い。
地元密着型の商店街の皆さんがとても優しくて子育ての環境がすごく良かったことと、電車だと「西の渋谷」と言われている町田まで2駅、車でもあの有名な「国道16号線」まで5分と、とにかく便利なことに驚いた。
 
子どもたちが小さい頃、特に気に入っていたのが、駅を超えて5分の所にある「鹿沼公園」だった。
駅に近いのに広い敷地と充実した遊具があり、無料駐車場があったのも荷物が多くなりがちな子育て世代にはありがたかった。
白鳥の泳ぐ池やお散歩にちょうどいい丘、見事な花を咲かせる桜の木々、豆自動車や自転車の貸し出しがあり交通ルールを学びながら遊べる交通公園などで、ママ友やその子どもたちと共に毎日のびのびと遊び、子育ての苦労を分かち合い、楽しさを満喫できた。
公園の隣には「相模原市立図書館」があり、雨の日には子どもセンターと図書館をはしごするのも、子どもたちのお気に入りのコースだった。
 
うちの子どもたちの「初めてのおつかい」は商店街の八百屋さんで、いつも一緒に行っていたので、一人でも安心して行かせることができた。
その後もおつかいのたびに親切に対応してくれて、わからないことがあると自宅に電話をかけてくれて子どもから聞くように配慮してくれた。
本屋さんでも立ち読みをとがめられることもなく、欲しい本や雑誌や漫画を探すときにも優しく対応してくれた。
親以外にたくさんの大人が懸命に働く姿を見て、その人たちを信頼して成長することができたのは、子どもたちにとって、なかなか得難い素晴らしい経験だったと思い感謝している。
 
だが、この地域の本当の面白さがわかるのは、大人になってからかも知れない。
個性的な飲食店や飲み屋さんが多く、毎日行っても飽きないだろう。
残念ながら主婦の立場でそんなに飲みには行かれないが、数少ないチャンスには美味しさと楽しさを味わい幸せを感じていた。
若者から人生の大先輩まで、飲み屋さんで知り合い話が弾むのも面白い。
できることなら早くコロナ禍がおさまって、飲み会で盛り上がれる日が来てほしいと心から思っている。
 
個性的と言えば、その地元の「にこにこ星ふちのべ商店会」の大ボス、Kさんだ。
企画力と実行力が群を抜いていて、面白いことを次々に思いついては、各所との調整を済ませ実現させるのだ。
その並外れて大きな器と人間力が、引力のように周りの人をひきつけ、商店会や地元の大学生や地域の皆さんが楽しみながら協力して、不可能とも思える企画を見事に成功させてしまう。
 
どんな内容かと言うと……。
*鹿沼公園で行われる「銀河まつり」という夏祭りで「ムーンウォーク世界大会」を開催。「世界大会なのに優勝賞品が地元商店会でしか使えない商品券だ」などと面白半分でマスコミに取り上げられたため、吉本興業の芸人さんや外国の方の参加もあり、予想以上の大盛り上がりをみせてくれた。
*別の年の「銀河まつり」では、本場である豊橋から職人さんを呼んで「手筒花火」をあげてもらった。神奈川ではなかなか見られない光景で、公園の野球場に5千人もの観客を集めた。
*「JAXA宇宙科学研究所 相模原キャンパス」と協力し、宇宙に行った相模原産の「津久井大豆」の子孫の大豆を使った節分の「豆まき」を行ったり、宇宙に旅立ったり帰還したりする機会ごとに、小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」のパブリックビューイングを淵野辺駅のデッキ下で開催したりと、地域の子どもたちや宇宙好きな大人たちがワクワクする事をしてくれる。
*淵野辺のキャンパスに練習場がある「青山学院大学」が箱根駅伝で優勝した年には「箱根駅伝優勝祝賀パレード」を開催する。通行止めにした道路を選手たちが行進するので、地元のボランティアがロープを張って交通整理をする道路の両側に、公式発表で三万人ものファンが集まり祝福し、その感動を共有する。
 
まだまだたくさんあるが、残念ながら書ききれない。
こんなに個性的で面白い地域が他にあるだろうか?
その明るさとバイタリティーには本当に頭が下がるし、見ているとときめいてしまう。
この街に住んで、それを一緒に体験できることを、本当に幸せだと思う。
おかげでPTAや公民館での活動も充実したものになっている。
そして、これから何が起きるのかを、とても楽しみにしている。
 
淵野辺には、青山学院大学相模原キャンパス、麻布大学、桜美林大学、和泉短期大学などもあり、学生さんたちが地元のイベントに積極的に参加している。
お祭りは運営側になった方が絶対に楽しいのだ。
大学生活だけでは得られない貴重な経験や、素晴らしい大人との出会いが、必ず自分の成長につながる。
 
こんな面白すぎる、私たちの街「淵野辺」に、あなたも住んでみませんか?
 
 
 
 
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2021-01-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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