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人も減価償却する

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:辻 敏充 (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「機械だけじゃなくて、人も減価償却するんだよ!」と経理の勉強をしているときに経営の師匠が言いました。
 
減価償却という言葉が難しいうえ、人も減価償却するって、何を言っているのかよく分からずに、最初から説明しなおしてもらいました。
 
「さっきは数字の説明で悪かったね。考え方だけ説明するよ。機械を1000万円で買ったとしよう。来年も同じ価値があると思う? 10年たっても1000万の価値が残っているかなぁ? どう思う?」
 
「そりゃ価値は下がっていくと思います。10年もたてば価値はないでしょうね」
 
「そうだよね。長年にわたって使う機械は、徐々に価値が下がっていくという考え。この考え方が減価償却なんだよ」
 
「なるほど」
 
「大事なことは機械だけでなく、人も減価償却するんだよ」
 
出ました。これです。
 
「人も減価償却ってどういう意味ですか?」
 
「その説明は待ってね。辻さんに質問をしよう。今はコロナで人は要らないかもしれないけど、一人採用しようと求人をしたら、20歳の子と50歳の人が来ました。二人とも未経験です。どちらを採用する?」
 
「そりゃ20歳でしょ」
 
「どうして?」
 
「両方とも未経験なら、若い方が良いに決まっているないですか! 将来性があります」
 
「若い方が将来性という価値が高いということだよね。機械と同じように、人間も年数を経ると、体力が落ちたり、記憶力が下がったりと能力は下がっていく。人間も価値が下がっていくと考えているんじゃないかな」
 
「そう考えているかもしれません。ただ、採用なら納得できますが、会社で社歴の長い人は、価値は高いと思います。」
 
「そう思うよね。それについても例えを使って説明するよ。そのためにもう一つ質問するよ。さっきの採用の話で、経理の人が欲しいとするよ。その求人に20歳の未経験と50歳の経験者が応募してきたなら、辻さんはどっちを採用する?」
 
「ちょっと悩みますが即戦力で50歳にします」
 
「最初の例のようにその人の経験や知識が活かせない状況なら、機械と同じで新しい方が価値は高いよね。専門性の高い仕事の求人で、培ってきた知識、経験が活かせるなら、その人の価値は高いよね」
 
「確かにそうですね」
 
「基本的には、機械と同じで人間も価値は下がっていくんだよ。それに抗うために、知識や経験を増やして自分の価値を上げていくしかない。こうやって勉強することは価値を上げていることだよ」
 
「少しすくわれた気持ちです」
 
「辻さんの言うとおり、会社に長く勤務していれば、それだけ経験や知識が積み重なる。これにも価値があるよね。だから、あまり転職しない方が良いと私は考えているんだよ」
 
「それじゃ、価値を上げるためには何をすればいいですか?」
 
「何をすればいいかは、立場、年齢など人によって違うよね。ただ、時間がたっても価値が下がらないものを狙うのが良いと私は思っている」
 
「それって、なんですか?」
 
「うちの会社で説明するよ。シロアリ駆除の仕事をしているよね。最初のころは、事務所が自宅で、国民健康保険で土・日・祭日が仕事、床下に潜って薬まみれになる会社に入ってくれる人はなかなかいなかった」
 
「そんなことあったんですか? 今は自社ビルもある立派な会社じゃないですか!」
 
「最初はそうだったんだよ。その頃に入ってくれた人達は暴走族や仕事を転々としている人達で、この人たちがビックリするほどサボるのだよ!」
 
「なんとなく分かります」
 
「その当時はこんな人間なら雇わなければよかった! と思ったけども、彼らにやってもらうしかなかったんだよ。彼らにどうしたら仕事をしてもらえるかと思って、心理学や人との関わり方を勉強したんだよ」
 
「その考え方は私にはないです。給料上げるか何かでもうちょっといい人を探すと思います」
 
「普通は、そうだろうね。ここで苦労して彼らとの関わり方を身に着けたことが良かったと思っている。社員さんといい関係性が出来てくるとサボることはなくなったよ。こういう人を一人前の社員とすることで、人に関するプロと認められるようになった。それでいろいろな会社で社員教育をさせてもらえるようになったり、採用を任されたりするようになった! これが減らない価値だよ」
 
この師匠の話を聞いて、私も人を動かすという能力を身に着けたいと思いました。いろいろと探していると、このライティングセミナーの広告が目に入りました。
 
「なぜ受講生が書いた記事が次々バズを起こせる?」というキャッチコピーにこれだ!と思いました。内容も単にノウハウの提供だけでなく、書くという実践があること、それを評価する仕組みがあるところに魅力を感じました。 これをキチンとやりきれば、少しは自分の価値を上げれるような気がして申し込みました。
 
5回の課題提出でバズることは出来ていませんが、まだまだチャンスがあります。コツコツと課題と向き合うことで、人を動かす文章のコツを身に着けていきたいと思います。
 
 
 
 
***

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2021-02-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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