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片田舎にある八百屋が教えてくれたこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:あんちゃん(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
みなさんはSNSをどのくらい活用されているだろうか。
 
私は、Instagram・Facebook・Twitter・その他のアプリを含めると30以上。
その中で、非常に警戒心を強めているのが発信者に対しての「誹謗中傷」である。
 
私自身は、気心知れた知人との繋がりしかなので、いわゆる“炎上”というものを経験したことはないが、ニュースなどで報道されている「炎上問題」の中には、「え? そんな事で? 」と思ってしまうこともある。
 
更に、身近な人がこの「炎上問題」の当事者になった事があり、誹謗中傷を通しデジタルの世界で極悪人のようなイメージ像を作られてしまいSNSの発信に緊張感を持っていた。
 
現代は「目の見えない人に気を遣う時代」なのかもしれない。
 
しかし、そんな時代に警戒心を全く感じさせない場所があった。
それは、愛知県岡崎市にある八百屋だった。
 
その八百屋を見つけたのは、たまたまInstagramを通して色々なサイトを見ている時である。
 
その八百屋には。フルーツを丸ごと挟んだようなインパクトのあるフルーツサンドが販売されており、毎日行列を成しているという。
 
見た目は、まさに“インスタ映え”という言葉が相応しいフルーツサンドだが、八百屋の場所は愛知県の片田舎にある。
 
そこに全国から人が集まり、そのフルーツサンドを買っていくらしい。
しかも、販売開始から1時間足らずで完売してしまうとのこと。
 
八百屋なのだから、食べ頃のフルールもあり、それを使ったフルーツサンドはおいしそうだなと思うが、それだけで片田舎に全国から人が集まるものだろうか?
 
何がそんなに人を引き付けるのか自分の目で確かめてみようと思い、休みに出向くことにした。
 
自宅からは、車を使って、1時間くらいで到着する。
しかも、八百屋から20分くらい車を走らせたところには、八百屋が運営しているカフェもあり、そこも人気らしい。
 
「ただの八百屋がカフェ? どんなビジネス方法で片田舎の八百屋を成功させたのか是非この目で確かめて見よう」
 
そんな気持ちを抱え、車を走らせた。
 
ナビの案内通り道を進み、目的地へ到着。
八百屋の専用駐車場に入ると、若い男性が案内してくれた。
 
皆様にイメージを膨らませていただくため、その男性を例えるならば三代目J SOUL BROTHERSにいてもおかしくないような風貌である。
 
その三代目のお兄ちゃんが、少し訛った口調で丁寧に道を案内してくれた。
 
完全に私の固定概念を打ち破られた。
片田舎の八百屋に三代目J SPUL BROTHERSは想像すらしていなかった。
 
一旦どんな八百屋なのだろうか?
 
早々と駐車場に車を止め、お目当ての八百屋へ向かった。
 
店内は、正直、特徴のあるような店内ではない。
 
しかし、ふっとレジに目をやるとレジ打ちをしているスタッフが全員若いお姉さんだ。
そして印象に残ったのは、手際の良さ以上に覇気がある対応だった。
 
その対面にある、魚コーナーをみると、これまた三代目J SOUL BROTHERSのような風貌のお兄ちゃんが老人と親しげに話し二人とも笑っている。
 
ん?何なのだろう、この空間は。
 
品揃えも建物も、特徴のない八百屋だが、スタッフの活力が明らかに他の八百屋やスーパーとは違う。
なんだか気持ちの良いものを見させてもらったような清々しい気持ちになり、この八百屋が近くでカフェも出しているのだから、なんだか期待が持てるなと思いカフェへ向かった。
 
そして、このカフェであの八百屋がなぜ人気なのが、その答えを知った。
 
広がる田んぼの一角にポツンとプレハブ小屋のような作りで、そのカフェがあり、お店の外にまで行列ができていた。
 
コロナ禍にも関わらず、こんなにも賑わっている店は久々に見た。
 
中に入ると先ほどの八百屋で働いている若い年齢層のスタッフが注文を取ったり、レジを打ったり、厨房で調理をしたり、賑やか且つスピード感のある店内だった。
 
その動きは、マニュアルという言葉を一切感じさせず、各々の作業をフォローし合いながら、今その時に自分が何をやればいいのかをそれぞれが正しく判断し、連携している。
とても強いサッカーチームのプレイを見ているかのようだった
 
そして、注文の品ができると、お客様を番号ではなく名前で呼ぶ。
まるで近所の人を呼ぶように、“人”として親しみを込めて接客しているのが伝わってくる。
 
スタッフのオープンマインドな対応にこちらまで心を緩めてしまいそうになる。
 
そして、彼らのこの雰囲気はただの「ビジネス」だけのものではないことが分かったのが壁に飾ってある絵を見た時であった。
飾ってある絵はPICFAという障害福祉施設の方が描いた絵が飾ってあった。
とても綺麗で活力のある絵が店内を彩っている。
 
どのような人が描いているかという前提を知らずとも、そこに飾ってある事が自然であった。
そして、その絵を見た時、この人達は映えるスイーツを売りたいという事で商売をしているのではなく、みんなを元気にしたいという思いで働いているのだなと感じ取った。
 
人によっては、いやらしいと思う人もいるかも知れないが、私は彼らを目の前で見た時に素直に思ったこの感情を信じたいと思った。
なぜなら、仮に全てが計算で金儲けだけのためにやっていたとしたら、コロナ禍に老若男女問わず行列を作るほど人が押し寄せるだろうか。
 
冒頭でSNSを通じて、目に見えない人に恐れるような時代になったと感じていたが、デジタルでは伝わり切れない生身の人間の力というのは、どんな時代になっても重要なのだなと思った。
 
それをより多くの、そして遠くの人へ届けるためのテクノロジーという関係を忘れてはいけない。
 
私たちはテクノロジーに脅かされたり、乗っ取られた生活をしてはいけないなと感じた。
 
私の知人含め、今自分のちょっとした言動で多くの非難を浴びている人がいたら、見失わないでほしい。
人の本当の想いは活字や映える写真だけでは伝わらない。
デジタルの中で私たちは生きているわけではないということを。
 
 
 
 
***

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2021-02-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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