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未来の自分を信じられるか


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記事:朝岡幹雄(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「あー、眠い。寝よ」
 
我ながら正しい選択だ。眠気という強敵相手に戦うだけ無駄だ。とっと降参したほうが良い。
i-Phoneのアラームを20分後にセットして、ソファーに横になる。
 
まるでオープンの中で、ピザトーストのとろけるチーズがトロ~っと溶けるように、僕の体はソファーというトーストにしっとりと貼り付いていく。至福の時間だ。昼寝は本当に気持ちいい。
 
在宅勤務の一番のメリットは、誰かの視線を感じることなく、ゆっくりと昼寝が出来ることだと思う。けっしてサボっているわけではない。昼寝は生産性を高める素晴らしい行為だと思う。最近、ようやくそう思えるようになってきた。
 
自分は根っからの怠け者だ。人の視線がないと人間としてちゃんとしていない。
誰も見ていないところでは今だに鼻をほじることもあるし、zoom会議では上半身Yシャツで下半身パジャマだったりする。ダメな人間である。
ただ自分が偉いのは、自分が怠け者だと自覚していることだ。ちゃんと振る舞うべき時や、ちゃんと働かなければいけない時は、一人だけで誰も居ない場所であれば、あえて誰かに見られている意識を持って過ごしている。まあ、それくらいの怠け者である。
 
そんな怠け者にとって、仕事中の昼寝というものは、実は苦手意識があった。本来の自分をさらけ出す行為だからこそ、「疲れをとるための積極的な昼寝」については、逆に大きな不安に苛まれるものだった。
 
本当に昼寝をしても良いのだろうか? この昼寝は生産性を高める昼寝なのか? あるいは本来の怠け者としての昼寝なのか? 自問自答しながら昼寝をする日々が続いた。
結局は寝るんだけれども……。
 
昼ご飯を食べたら眠くなるのは人間として仕方ないし、お昼休憩が1時間だと思って、その時間内に眠るのは何も悪いことではない。そう自分に言い聞かせて昼寝をしていた。笑
 
そんなこんなで、在宅勤務が日常となり、今では完全に昼寝が習慣になった。
 
ようやく昼寝が習慣になったことで、最初のうちに感じていた不安の正体が分かってきた。自分が何に対して不安に思っていたのかがやっと理解できたのだ。
 
そのきっかけが、「20分」という昼寝の時間だった。
 
15分では眠りが足りないし、30分だと少し長すぎて体が元に戻らない。頭も体が両方ともスッキリする時間が「20分」だったのだ。明らかにスッキリするし、その後の仕事も必ずはかどる。そのままダラダラ過ごしてしまったことは一度もない。
 
スッキリとその後の仕事もはかどることで、ようやく分かった。
自分が不安に思っていたのは、昼寝をする罪悪感うんぬんではなく、「20分後の未来の自分」に対する不安だった。
 
昼寝をした後に、その分ちゃんと効率よく働けるのか? と思ってしまい、未来の自分を信用できていないのだった。「20分」という時間が、未来の自分を信じるきっかけを与えてくれた。意外と自分も、ちゃんとしているじゃん! と思えたのだ。
 
振り返れば、自分は昔から、ついつい夜遅くまで残業してしまうタイプだった。明日でも間に合う仕事も、ついついダラダラ夜中まで続けていたし、逆に〆切間近の仕事を夜中まで続けていて、どうしても眠くなってきた時、明日の朝の自分を信じて、スパっと寝ることが出来ない自分が居た。根っからの怠け者の自分は、少しでもヤル気が残っている今の自分に頼りっきりで、明日の自分を信用していなかったのだ。
 
たかが昼寝の話かもしれないが、未来の自分を信用できるって、すごく大事なこと。
 
僕は若い頃、「未来の自分」というものは、今の自分とは違う別の人間になる感覚があった。未来の自分が想像できない、という表現のほうが適切かもしれない。
それがいつしか、今の自分と未来の自分が地続きで繋がるような感覚になり、今では「いずれ年老いていく未来の自分」ですらも、想像できるようになってきた。
 
容易に想像できる未来の自分を、引き続き信用できるか? 期待できるか?
 
昼寝の話から急に壮大なテーマになるが(笑い)、これは重要な問いである。
 
これから環境も大きく変わっていく中で、自分の体力も精神力も少しずつ低下していくのだろう。
 
それでも、未来の自分はずっと信用するべきだ。
人生にも昼寝のような「20分間のスッキリタイム」があれば、きっと信用し続けられる。
 
ということで、まずは昼寝から。
うららかな午後の昼下がり、ちょっとでも眠気を感じた時は、我慢せずに迷わず20分間眠ってみることを、まずはオススメする。
 
未来の自分を信用できる感覚が身に付くと思う。
その感覚がようやく理解できた怠け者が言うのだから、間違いない。
 
 
 
 
***
 
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2021-03-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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