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続けることは尊いのか


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記事:北村夏紀(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
親になると一度は考える「習い事どうする問題」。
子ども自ら何かの習い事をしたいと言う場合もあるだろうし、親が何かさせたいと思うこともあるだろう。
 
習い事を始めるかどうか決めるうえで、何か決めていることはあるだろうか。
 
私が幼少期のころは、母にいつも
「一度始めるなら、ずっと続けなさいよね!」
と言われていた。
「うん! わかった!」
その習い事をやりたくて仕方のない私は、適当に返事をして習い事に通い始める。
 
好奇心旺盛でやりたいことがたくさんあった小学生時代、友達が習っていると聞けば「そろばん行きたい!」「英語習いたい!」と母にお願いしたが、「いつ行くの?」と。
気づけば平日毎日、習い事で埋まっていた。でも一度始めた習い事はやめられない。つまり、新しい習い事を始めたいと思っても、その時間がなかったのだ。
土日は父の仕事が休みで、家族で過ごすという習慣があったためそこに習い事の時間を充てるともできず、泣く泣く諦めたのをよく覚えている。
 
何かを「続ける」ということが尊いことであると考える人は今も多いように思える。
 
小さいころから続けていた一つのスポーツを究める。一つの会社で長く務める。一人の人を長く想い続ける。
 
一方で、すぐにやめて違うことに手を出したりするひとは「飽きっぽい」という言葉でまとめられる。でも本当によくないことなのだろうか。
 
また私の幼少期の例で恐縮だが、当時習っていたのはピアノと水泳と習字。これらを習っていたことで、今の私に何があるかというと、楽譜を読めること、一応泳げること、見た目のいい字が書けること。しかし残念ながら、楽譜を読む機会、泳ぐ機会は、限りなくゼロに等しい。唯一、字を書く機会は減ってきたとはいえゼロにはならないので、ここぞというときにやっぱり「習字をやっておいてよかったな」と思えるのだが。
 
水泳は8年、ピアノは10年ほど習っていてこれである。でもそれもそのはず。後半はほとんどやる気がなかったのだ。やめたいと思いながらも、一度始めてしまった手前、やめられない。とりあえずズルズルと続けている時間に何の価値があったと言えるだろう。
 
夫は子どものころ、そろばんと英会話に通っていた。私がやりたかったやつだ!
そろばんをやっていた夫は暗算が早い。そういえば大学受験のとき、そろばんを習っていた人は、すべてひっ算で計算する私に比べて何倍も計算が早く、しかも正確でうらやましいと思った。
 
そして夫は英語が得意で外国語学科を卒業している。私はというと英語は超苦手科目。文系に進もうが理系に進もうが、英語からは逃げられず、とても苦しんだ。もしあの時に英語を習っていたら……とどうしても考えてしまう。
 
もちろん、そろばんや英語を小学生の時に習ったからといって、後々本当に役に立っていたかなんてことはわからない。
そもそも、習い事はすべて、将来の役に立つことをしなければならないということもないと思う。
 
ただ、やっぱりやる気もない、本人もやめたいと思っているのに続けることに意味はないのではないかと思うのだ。
 
つらつらと習い事について書いてきたが、現在の私も「飽き性」だ。
大学も2回行っているし、ひとつの会社で4年以上働いたことはないし、実家を出てから同じ場所に3年以上住んだこともない。薬剤師の他に、幼児教育、整理収納などの資格を持ち、並行して仕事をしようとしている。
(唯一、夫だけはいまだ一人だけだが)
 
そんな私だが、「飽き性で、自分はダメな人間だ」とは全く思っていない。
新しい場所に住み、新しいコミュニティに属し、新しいことを学ぶたびに、どんどん知らなかった世界が広がっていくのを感じる。もっともっと知らない世界を知りたいと思う。
 
もちろん、同じことを続けることで見えてくる世界というのもあるのかもしれない。でも私は、新たな一歩を踏み出すことで加速度的に広がっていく世界を見るのが好きなのだ。
 
だから私は母として、娘には娘の興味が赴くままに、様々な経験をさせてあげたいと思っている。これは自分には合わない、興味がなくなった、というのならやめてもいい。好きなことをやっていいよと言える広い心を持ち続けるためにも、私自身も好きなことをやって生きていきたいと思う。
 
ちなみに念のため伝えておくと、「続けなさい」と言った母との関係は過去も現在も至って良好だし、特に恨んでいるわけでもない。
思い返せば、私自身が「やめる」という明確な意思を示していなかった気もしている。
 
そう、私もいまだに、手放すことは苦手なのだ。たくさん持ちすぎて息苦しくなってしまうことがある。
 
私は部屋の片付けが苦手だ。そういえば母も苦手だった。部屋の片付けも、思考の整理も同じ。断捨離をして、必要なモノだけをもって、また新しいことにチャレンジしていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2021-03-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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