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メディアグランプリ

理不尽な辞令に苦しんだおじさんがとった行動とは?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:田岡一宏(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「どういうことなんですか! これまで一生懸命にやってきたのに!」
頭に血が上って、カッカ来ていた。上司から、受け入れがたい辞令を言い渡された。
情熱を傾けていたサプリメント開発の仕事から外れろというのだ。
 
「今の仕事は長くやったからね。君の将来を考えて、仕事の幅を広げスキルアップをしてもらうためだよ」
上司は、君のためだと恩着せがましく言った。
 
悔しさと共にザクっと体の一部をえぐり取り除かれるような痛みが胸の当たりに走った。涙をこらえるので精一杯だった。6年経った今でもその時の情景が頭にこびりついてる。
 
新しい仕事は商品開発から一転、データ処理を中心とした営業事務の業務だ。全く身が入らず、「このままじゃだめだ。もっと前向きに」と思うのだが気持ちが空回りするばかり。全くモチベーションがあがらなかった。サプリメント開発に関する勉強は継続していたが、実践の場がなく悶々とした日々を送っていた。
 
そんな時、ある文章に出合った。ビジネス雑誌の記事だ。
「意にそぐわない異動に対抗する方法は、会社にとって必要不可欠な存在になること」
目が釘付けになった。再び、とんでもない辞令を言い渡させるのはごめんだった。むさぼるように続きを読んだ。
 
「会社にとって必要不可欠な存在になるには、複数の分野で専門家になること。3つ以上の分野で専門家になれると安泰。存在が希少なので、替えが効かなくなるためだ。ここで言う専門家とは、その分野のことを人にレクチャーできる状態のこと」そんなことが書かれていた。
 
また、専門家になるための時間の目安も書いてあった。
「ある分野で専門家になるには、1万時間の修練が必要。だだし、漫然と1万時間費やすだけでは駄目。常に課題を意識し、都度、課題解決をしながら1万時間の修練をすることが必要」
 
1万時間とは、毎日1時間やって約25年かかる。
会社の仕事時間に置き換えてみる。毎日8時間、月20日働いたとして、約5年かかる。
かなりの時間が必要だ。
 
自分の職歴を振り返ってみた。
サプリメント開発の仕事は、約20年やってきた。情熱をもってやってきた。人前で喋れるネタもある。専門家を言えるだろう。ただし、専門分野はこれ1つだけだ。
そういえば、サプリメント開発の分野には、専門家は大勢いる。替えはいくらでも効く状態だった。
だから、異動させられてしまったのか!
辞令を言い渡された時の悔しさがよみがえった。何としても、挽回したかった。
 
異動先の仕事の内容に、あまり興味は持てない。しかし、そんなことを言っている場合ではなかった。
新しい業務の専門家になる。そして、変えの効かない存在になると決めた。
「この業務のことを人前でレクチャーできるようになる」ことを意識して仕事に取り組んだ。
 
なぜ、このデータ処理が必要か?
処理されたデータはどのように活用されるのか?
業務の仕組みを徹底的に理解するようした。部内や関連部門の先輩方に聞きまくった。めんどくさがられたが、しつこく食い下がった。
 
業務の現状把握の中で課題も色々見えてきた。非効率な業務が結構あるのだ。業務の効率化に向け、上司へ3つ提案を行った。その中の1つが認められ、リーダーとして改善プロジェクトを任された。現状を変えたくないメンバーからの根強い抵抗にあって難航した。が、業務の負荷が減ることを粘り強く説明して、何とか導入にこぎつけた。導入後、最初は反対していたメンバーからも「仕事が楽なって、助かった」と感謝され、「頑張った甲斐があった」とすごく嬉しく思ったことを覚えている。
 
異動して6年目、新入社員教育のレクチャー担当に指名された。自部署の業務内容を紹介する仕事だ。
「この業務のことを人前でレクチャーできるようになる」という目標を達成した。これで、専門家を言えるレベルにはなったのではないかと一安心した。奇しくも、この仕事を始めて、1万時間を経過していた。
 
これで、「サプリメントの開発」と「営業事務系のデータ処理」の2つの専門家になった。少しだけ希少な存在になれたことに喜びを感じた。
 
毎年3月下旬は、新年度(4月)に向けて辞令が出される時期だ。
今の業務に携わり6年。そろそろ新たな辞令がでてもおかしくないタイミングだ。
毎年、サプリメントの開発の仕事への異動希望は出している。
 
今年は、希望を聞き入れてもらえるだろうか?
希望かなわず、他部署への異動だろうか?
それとも、今の業務を継続だろうか?
 
期待と不安が交錯して、落ち着かない気持ちになる。
しかし、6年前から少しだけステップアップした自分にとって、不安は随分小さくなっているように感じている。どんな辞令が出たとしても、今後も専門家になるべく修練し、会社にとって必要不可欠な存在になることを目指したい。
 
もし、あなたが会社や組織にとって不可欠な存在になりたいと思っているなら、複数分野の専門家を目指すことをお勧めしたい。
 
 
 
 
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2021-03-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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