海賊王に俺はなる!
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:りお(ライティング・ゼミ日曜コース)
「どうしてあんなに流行ったんだろうね」
職場の昼休み。話題はあの、鬼滅の刃であった。
私は鬼滅の刃の漫画もアニメも映画も見たことがないが、なんとなく主人公の男の子と主題歌はわかる。
先輩方も鬼滅の刃を見たことがないらしく、あの作品が流行った理由を考えては、「何が良いのか分からない」と口にしていた。私だって鬼滅の刃を全く知らないけれど、なぜか先輩方の一言にムッとしてしまう。
流行るのには流行る理由がある。何かが良いから流行っている。本物の作品にきちんと触れないまま、評価を下すのは違うだろう、その作品が好きな人がいるのに失礼だと瞬時に思ってしまった。
鬼滅の刃と同じジャンプ作品の「ONE PIECE」
もう10年以上前、私は先輩達と同じ、ものの見方をして後悔をした。
あれは確か、親戚の家に遊びに行った時。
本棚にズラッと並ぶONE PIECEとUFOキャッチャーでとったというチョッパーのぬいぐるみ。チョッパーが可愛く見えて仕方ない。その気持ちがバレていたのだろう、ぬいぐるみあげるよ! とチョッパーと、次いでにONE PIECEの映画特典でついてきた漫画をもらった。
パラパラと漫画を捲る。全然話が理解できない。
それもそのはず。当時公開していた映画の裏話がまとまっている一冊は、キャラクターやそもそものストーリーを理解していないと追いつくのが難しい内容だった。
無理ー! 何がいいのかわからない!
ちゃんと知ろうとする前に思いっきり強制終了ボタンを押してしまった。
それから7~8年後。
仲良くなった男子にONE PIECEを勧められる。りお、絶対ONE PIECE好きだよ!! て言われても素直に読もうと思えない。幼かった私のONE PIECEに対する毛嫌いが、心に強く残っていた。
しかし、状況は一変した。
ONE PIECEが好きな子が私の周りにひとり、またひとりと増えていったのである。しまいには、ONE PIECEのスマホゲームで楽しんでいる友達。
ちょっと待って……!
なんでそんなに流行ってるの?? と不思議でならなかった。何がそんなに魅力なのか。自分の過去の拒絶反応を疑い始め、遂に、私はONE PIECEに手を出し始めた。
試しにTSUTAYAで一巻を借りた。続きが気になって、その日のうちに二巻を借りた。その次の日に五巻まで借りた。困った。止まらない……。
ただ、漫画を借りられるだけ借りて全巻ザッと読むだけじゃ勿体ない。もっと一巻一巻を味わうために「ONE PIECE一日一巻」というマイルールを決める。
このマイルールは、当時、就職活動生の私に思わぬ形でメリットを与えてくれた。エントリーシートの趣味の欄に「ONE PIECE一日一巻」と書くことで、面接官が必ず食いついてくれる。面接官の中には、ONE PIECEファンの方も多く、ONE PIECEのエピソードが印象に残って合格した面接もあった。
そして、気づいた。私はONE PIECEの沼にハマっているじゃないか。
スマホアプリでカラーのONE PIECEを読むようになった。人に、ONE PIECEを勧めるようになった。自己紹介では、ONE PIECEが好きです、というようになった。今は終わってしまったが、東京タワーに併設されているONE PIECEタワーにも2回行ってしまった。遂には、ONE PIECEの舞台のひとつであるイタリアのヴェネツィアに行った。
手のひらを返すような自分の言動に怖くなったが、それだけONE PIECEが魅力的だったのである。
主人公であるルフィの「海賊王になる」夢に向かって真っ直ぐ進む姿や、自分が大切にしたい仲間のためにどんなに高くて分厚い壁にも挑もうとするところ。ルフィの人柄や勇敢な気持ちに心が奮い立たされる。まさにヒーローズジャーニーであり、ルフィの成長が楽しみで仕方なかった。
その時からいつしか、ONE PIECEが人生の教科書となっていく。自分が生きていく上で大切にするべきことを語りかけてくれているようだった。
職場で、それは違うんじゃないかなと思っても、言えない自分。人からの評価の方が気になって、自由に振る舞えない自分。そんな抑え込んでいる私に、ルフィは周りなんか気にすんな!! と自分が信じる道を突き進む後姿を見せてくれる。仲間を大切にしない相手がいたら、どんなに偉い人だろうが強い人だろうが構わずに向かっていく。その勇気や希望にONE PIECEが愛される理由があると思えた。
私の周りには私よりも遥かにONE PIECEを愛している人がたくさんいる。今回の記事でONE PIECEの魅力を語りつくせるほどの語彙や考察力を持ち合わせていないのが、大変悔しい。ただ、私はONE PIECEが多くの人に愛される理由を自分の体験をもって味わうことができた。
「なにがいいのか分からない」
作者が愛をこめて作った作品。その作品を愛しているファン。作品に愛が生まれる理由は必ずある。だからこそ、作品の良し悪しや好き嫌いを決めるのは、本物に触れてからにしよう、と心に決めている。そうすれば、愛に溢れた思わぬ作品との出逢いがあるかもしれないから。
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