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  おかえりなさい、もう一つの我が家へ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせ

記事:森本 有美(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 

「おかえりなさいませ、森本様」。

とあるホテルに私たち夫婦が2回目に訪れ、車から降りた際に掛けられた言葉である。

とても驚いた。

何に驚いたか。

「森本様」と名前で呼ばれたのだ。

過去にたった1回しか訪問していない客に対して。

当時、私たちは結婚を決め、式場を探していた。

新幹線での移動になる親戚が多いことから、東京駅に近いこと、ホテルであることを条件として、いくつかのホテルのブライダルフェアを回っていた。

自分たちの希望としては、古いホテルより新しいホテルがいいかと考え、新規開業した2つのホテルを見学していたのだが決めかねていた状況だった。

そんな中、私がよくショッピングしていた街があり、その雰囲気が好きだったことからこのホテルにたどり着き、ブライダルフェアに伺ったのが1回目の訪問である。

1回目の訪問では、食事の試食と会場の案内だけだったため、その1週間後に詳細な料金等を聞くため訪問したのであった。

2回目の訪問について、予約はしてあった。

確かに私たちが伺うことは、出入り口のスタッフも把握出来たであろう。

が、私たちを見ただけで、なぜ名前が分かったのだろう。

車のナンバー?

顔?

どちらにせよ、何かしらの記録か記憶が1回目の訪問であったということになる。

しかしそれだけで、私たち夫婦は、このホテルのファンとなった。

もちろん、その他にも気に入った要素はたくさんがあったわけではあるが、式場に新しいホテルと考えていた私たちの希望は、この一件で吹っ飛び、開業して20年を超えるこのホテルで結婚式を挙げることに決めたのだった。

結婚式前は、式の準備のため足繁くホテルに通った。ひとつのきっかけから、また一つまた一つとファンになる要素を見つけ、大ファンになった。

結婚式が終わってからは、ホテルのレストランやラウンジによくお邪魔した。いつも「おかえりなさいませ」と迎えていただいたスタッフの皆様には感謝している。

このホテルのコンセプトの一つに、「おかえりなさい、もう一つの我が家へ」というものがあった。

その場所は、自宅よりももちろん広く、快適でサービス満点。全くもって我が家とは似ていないわけではあるが、いつも「おかえりなさいませ」と迎えてもらえる安心できる場所だった。

頻繁でなくても、近くに行く際はいつもこのホテルに泊まる。

宿泊できなくても、誕生日などの記念日には、このホテルのレストランを利用する。

それまで、ホテルやレストランについて割と新規開拓を好んでいた私たち夫婦は趣向を変えた。

このホテルには客として、本当にたくさんのことを教えてもらったように思う。

ホテルのサービスとは何か。何を求めて良いのか。

フレンチレストランのサービスとは何か。マナーとは何か。

なかなか初めて行くお店では聞けないことも、顔馴染みのスタッフに聞くことができた。

周りのお客様の振る舞いを見て勉強にもなった。

巷にあるフランス料理のマナー講座よりも、100倍勉強になったと思う。

ホテルやレストランのスタッフは皆、プロだった。

まだまだ人生甘っちょろい中、世の中に職業が沢山あること、働き方も色々あることを知ったのも、このホテルのファンになったことによるものである。

ちなみに、私たち夫婦の2回目の訪問の際に名前で呼ぶことが出来たのは、記憶によるものだったと後に聞いた。

「1度訪問してくださったお客様のことは、結構覚えているんですよ」とのこと。まさにプロである。

私は、本当に他人のお名前を覚えることが苦手で、爪の垢を煎じて飲みたいものだ。当たり前のことだが、世の中には自分が不得意なことが得意な人がいる。それを目の当たりにしたことも、とても勉強になった。

そして、第一印象は5秒で決まるとメラビアンの法則で言われている。人は何かを判断するときに、話の内容などの聴覚情報よりも、容姿などの視覚情報を最も信頼するという研究結果による法則である。

が、その後のたったひと言で、印象がガラッと変えられる。私たちはこのホテル訪問2回目のこの一言で本当に変わったのだから。

これについては自分の人生で、誰かに自分の印象をガラッと変えるなんて、なかなか出来ていないけれども。今、生きていく上で、貴重な経験になっていることは事実だ。

あなたは、レストランやホテルは、新規開拓が多いですか?

同じお店に行くことが多いですか?

残念ながら、このホテルは今もう無いのだけれども、私たち夫婦は、このホテルを知ってから、同じお店に行くことが増えました。

お店を知ることで、相手にも覚えてもらうことで、勉強になることが多いこと、安心して訪ねられる場所があるということの心地よさを知りました。

あなたも、同じレストランやホテルに通って、顔なじみなお店を作ってみませんか?

きっと、得るものが沢山あります。

「おかえりなさい、もう一つの我が家へ」と言ってもらえる場所を、私たち夫婦も探し続けています。

 
 
 
 

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2021-03-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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