大事な人には、言葉にして伝えることが大切じゃないかな
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
山本 愛子(ライティング・ゼミ平日コース)
「離婚を考えている」
去年から4回目、知り合いから聞いた言葉だった。
実際に、離婚した人もいるし、考えている人もいる。
ある知り合いは、結婚して10年ぐらい。旦那さんとの会話はほぼなく、7歳の子供のために一緒に暮らしていると言っていた。会話がないから喧嘩もない。連絡事項だけは共有して、ただ一緒に生活をしている。去年から、夫婦揃ってリモートワークになり、旦那さんのちょっとしたことにイライラするし、我慢するのが辛くなってしまったそうだ。いつから、うまくいかなくなったんだろう? と考えることが多くなったと言っていた。
同じタイミングで、離婚を決めた知り合いがいる。40代半ばの夫婦。今までは、夜、家に帰ってきて顔を合わす程度。夫婦揃って、それぞれの部屋で趣味に没頭していた。去年、こちらの夫婦も揃ってリモートワークになり、今まで気にならなかったことが、急に気になり始めたと言っていた。ある時、旦那さんが自分の部屋には収まらないほどのティッシュペーパーを箱買いして、リビングの半分を埋め尽くしてしまったそうだ。ここで、我慢していた何かが、プツンと切れてしまった。なぜ、こんなに我慢をする生活を送らないといけないんだ! と旦那さんに不満があることを伝えたら、旦那さんは、あまり気にせず生活を続けたそうだ。これをきっかけに、知り合いは、自分の人生を見直したと言っていた。旦那さんに離婚の話しをしたら、旦那さんは、夫婦生活がうまく行っていると思っていたようで、ものすごくびっくりしたそうだ。
「家にいて夫婦喧嘩にならないか?」と、よく聞かれる。
私たち夫婦も、去年からはお互いリモートワークになり、外に飲みに行くこともなく、週に1回買い物に行く。それ以外は、家に2人だけだ。結婚して9年が経ち、近頃は、喧嘩はあまりしない。そもそも、あんまりすることがないかもしれない。
私は、結婚当初から気をつけていることがある。夫とは、生まれた場所も、性格も違う。違うのが当たり前。だからこそ、相手と違うところは、聞くようにしている。
結婚当初は、タオルの干し方、味噌汁の作り方、色々違うことが多かった。夫も私に言いづらい。私は、「違うことを言ってくれたら、変更できるし、変更すればいいだけだから、他に気になっていたことある?」と聞いて変更した。意外に多かった。そこから、変更してほしいところがあれば、お互いが言うことにした。
様々な工夫をしているつもりでも夫婦生活で、うまくいかないこともある。
私は、もっと夫も家事をしてくれたらいいのに。
私は、もっと夫も相手のことを考えてくれたらいいのに。
私は、すぐに夫に伝えて撃沈する。夫は、ゴミも出してくれるし、皿洗いもしていた。夫が1人で買い物に行った時には、私の好きなジュース、おやつ、ビールを買って帰ってくれる。私のために、毎日、冷蔵庫にビールを補充してくれていた。私は、自分のことばかりを考えて、そこに目が行かない時もある。それを教えてもらった時には、自分が情けなくなる。
「あいちゃんは、そうやって自分が聞きたい時に、聞けるからいいけど、俺は、あんまりすぐに言葉にできない」夫に言われた。
私は、どんなことでも違和感を感じたら、夫に話す。夫は、思ったことは話さないことが多い。
私は、話せばいい、確認すればいいと思っていて、すぐに自分が確認したい方法で、伝えることが多かった。どうしたら、相手が言いやすいのかを考えたことはなかった。
それではだめだと思った。そこからは、飲みに行った時、キャンプで焚き火をしている時など、お互いが向かい合っている時に、少しずつ話すようにした。夫も話すようになった。
私も伝えることは大切でも、相手への伝え方や、一旦、自分のことばかり考えてないか立ち止まって考えるようになった。
私たち夫婦は、お互いを理解したいと思っている。だから、うまくいっているのかもしれない。行き違うことがあっても、なぜ、そうなってしまったのかを伝えて、素直に謝る。だから、お互い何があっても大丈夫だと思えるのかもしれない。
夫は、私に感謝をしてくれているようだ。夫が、友達に話している話を隣で聞いた。
「あいちゃんは、言い合いがあっても、すぐに普通の生活に戻ってくれるから助かる」
私は、言い合いになった時は、何がすれ違ったのか確認する作業であって、それが確認できたら終わり、普通の生活に戻る。夫は、最初は、それに戸惑い、自分はまだ怒っていることを意思表示するために話さないこともあった。ただ、だんだんと話さないことで解決できるわけではないと気づいてからは、私より早く普通に戻るようになった。
最近、母の周りでは、離婚したけど、60代になって再婚している夫婦が何組かいると聞いた。
夫婦もいろんな形があり、正解なんてないし、状況も変わる。
その時にわかりあえないこともあるし、後からわかることもあるかもしれない。
私は、人には言葉にしないと、伝わらないことが多いと思っている。夫婦だから伝わると思っていても、実際は、伝わっていないこともある。私は、後からそれを知って後悔するのが嫌だ。伝え方を間違えた時は謝る。でも、伝えようとしていることを諦めたくはないなと思う。
これから先、お互いが理解したいと思えるかは、保証はない。
いつ、どうなるかわからないから、お互いが理解しようとすることを続けられるのかもしれない。
伝えてだめな時は、それは仕方ないと思える。でも、伝えてないことがあれば、まずは、少しでも伝えてみることをしてもいいと思う。
大事な人には、言葉にして伝えることが大切じゃないかな。
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