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荷物の多い私が小さなバッグを買ったわけ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:北川 瞳(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私は普段、1リットルのペットボトルが余裕で入るようなサイズのバッグをよく持ち歩いている。昔から持ちあるく物が多く、そのせいでバッグもたくさん入る物を選びがちだ。いつもそんなにたくさん持ち歩いてるつもりはないし、こまめに減らしているのに、今までバッグが軽かった試しがない。
だけど出会いは突然訪れた。私はフラッと入った雑貨屋の店先で小さなショルダーバッグを見かけてしまった。ほぼポシェットといってもいいくらいに小さくて、普段の私ならそもそも買おうなんて思わないサイズだ。だけど……いや、だからこそ、私はそのバッグが欲しくなって、ついつい買ってしまった。
 
どうして荷物の多い私が小さいバッグを買おうと思ったのか。
それは私がいわゆる「物の少ない生活」に憧れていたからだ。
ミニマリスト、とまではいかなくても極力周りの物は少ないに越したことはない。だけど急に持ち物を少なくすると落ち着かないので、とりあえず平日はいつもの大きなバッグを使い、特にこれといった予定がない休日の時だけ、このバッグを使ってみることにした。
 
いざ小さいバッグで出かけてみた感想としては「意外にいける」というのが最初の感想だった。このショルダーには普段使ってるバッグの半分くらいしか入らないので、せっかく買ったのに荷物が入らなかったらどうしようと思ったけど、それは完全に杞憂に終わった。財布も入るし、本も分厚くない単行本までなら一冊入る。(本が好きな人には分かると思うが、本は一冊でも意外に重たい)あとは家の鍵やパスケース、スマホと、筆記用具や薬の入ったポーチ。あとはエコバッグを一つ入れておけば、買い物をしても困らない。
 
私が物を減らすことに憧れる理由の一つに、母親が関係している。私の母親は片付け全般がかなり苦手のようで、本人は否定しているが、家のあちこちに文字通り物が溢れかえっていて、お風呂の石鹸一つ探すだけでもとにかく時間がかかる。小さいときから洗面台の下の扉も、キッチンの下の扉も、押入れの扉も、中の物が落ちてこないかいつもヒヤヒヤしながら開けていた。
物が落ちて足に当たると危ないし、そうでなくても中の物が崩れると扉が閉まらなくなったりする。開けるたびに山積みになった中の物が落ちる心配をしなきゃいけない扉なんて、正直言って開けたくないのだ。私が物の少ない生活に憧れるようになったのは、そんな家の状態をずっと見てきたせいだろう。
 
人が探し物をする時間の平均は、なんと一年間のうち150時間らしい。日数に直せば6日とちょっと、一週間のほとんどを探し物に費やしていると考えるとビックリする話である。そんな時間を少しでも少なくしようと思えば、探し物をすぐに見つけられるように周りの物を整理するか、必要ない物を処分するなりどこかに預けるなりして選択肢を減らすか、あるいは減らした上で整理するかだ。整理はシステムができあがるまで時間がかかるから、大体の人は減らすところから始めたほうが早いし、いざやり始めるともう使ってない物がたくさん出てきて正直ビックリする。
 
昔こそこれが普通なんだろうと思っていたけど、今の私の心の中には「あの状態にだけはしたくない」という強い思いがある。だけどこれも遺伝なのか、私の部屋もかなり物が多く、崩れてきたりこそしないけど探し物をすることが多い。バッグも物が多いから、家の玄関まで帰ってきても鍵をゴソゴソ探す時間が必要になる。普段持ち歩く物が多いからバッグが大きくなるのか、それともバッグが大きいから中に入れる物も比例して増えるのか、その判断をつけるために、私は小さいバッグを買った。結果は明らかだった。
 
私自身、巷に溢れる「片付け本」の類はある程度システム化するのが上手い人のための物だと思っている。整理するのは正直言って全然得意じゃない。だから物を減らす努力をするほうが私にとってはよっぽど楽だった。バッグ自体を小さい物にすれば持ち物を重要な物だけ絞るので荷物が減らせるし、重みで肩も痛くならないし、すごく楽なのだ。バッグに入るギリギリまで詰めてる感じはまだ否めないが、それでも普段持ち歩いてる量に比べれば全然大した量じゃない。
だけど「物を減らす」ことはあくまで手段だ。そもそも物を減らすのは選択肢を減らして「一つ一つの行動に時間をかけられるようにする」ため、そして「物を探す時間を極力少なくする」ためなのだから。
この小さいショルダーバッグが、私の目指す場所へのお供になってくれたらいいなと思いつつ、ここで筆を置くことにする。
 
 
 
 
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2021-04-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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