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上司は選べない。私と上司の関係。


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記事:山本 愛子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
上司は選べない。
 
先週、社内の中途新入社員メンバーとオンラインの懇親会を開催した。
そこで、事前アンケートの質問で、「あなたが仕事をする上で大切なことはなんですか?」という質問をした。10人中9人が「上司」だった。それに続くのは、「ワークライフバランス」「キャリアアップ」などバラバラだった。
 
私は、現在、社会人経験が約20年。4社を経験した。
どの会社も上司を選べたことはなかった。当たり前である。私も仕事をする上で、上司は大切だった。
 
1社目の会社は、様々な企業のアウトソーシングを請け負う会社で社員は4人だった。
私の上司になる人は、会社の社長。年齢が5つ上の男性だった。
初めての社会人経験は、事務職。上司の口癖は、「言われたことをやってから文句を言え」だった。
何千件とあるテレアポリスト。一日中、何百件と電話をした。同じことが5日間続いた。5日後には電話がうまくなっていた。毎日、できることが増えていくのが面白くなっていた。社長の口が悪くて、辞めていく社員も多かった。私は、早く一人前になりたくて、がんばれたのかもしれない。
 
私は、事務職から、同じ社長が運営する人材会社に移動して、営業職として働き始めていた。
大阪支社を立ち上げることになり、京都出身の私が実家から、大阪支社に通うことになった。現地の上司は、年齢が3つ上の男性だった。
上司から、筋が通っている考え方で説明する方法であるロジカルシンキングを習得するように言われていた。私は、ロジカルシンキングができず、特訓をしてほしいと伝えた。
 
ある日、その上司から、「明日までにロジカルシンキングの本を3冊読んできて」と言われたのは、24:00。
私は、読めるわけがないと思って、読んではいなかった。今更ながら、上司に自分でお願いをしていて、とても失礼だった。
 
「前日の夜に言われて3冊は、無理じゃないですかね?」と、上司に言った。
「なんでその時に言わへんの?言うたらいいやん。その態度が失礼やと思う」と、上司が少し怒って言った。
「上司に無理っていうの、言いづらくないですか」と、私は言ってしまった。
「愛子が特訓したいって言ったから、こっちも全力で向き合ってるんやろ! 2人しかいーひん環境で、できないこともできないって言えへんかったら、やってる意味ないやろ」上司は怒っていた。
 
私は、泣きながら謝った。なんで、素直に言えなかったんだろう。上司は私ができてもできてなくても、素直に言えるか試していたんだと思った。この上司と出会ったことで、信頼関係の重要さを知った。
その後も特訓は続き、3ヶ月後には、東京のメンバーから話し方がうまくなったと言われてうれしかった。営業数字にも現れた。
 
東京に戻った頃、東証一部上場の会社に売却する話があり、私の上司だった社長も、退任した。私も退職を考えて社長に言うと、「東証一部の会社は、なかなか経験できないから少し働いたら?」と言われて、残ることにした。
 
東証一部上場のグループ会社となった先で、私の新しい上司になった人は、年齢が3つ上の男性。今までで一番合わない上司だった。営業である私に携帯GPSをつけて、お客様のところに行っているかを確認したり、本当にお客様と話したかお客様に電話をして確認する上司だった。その上司といたら動悸がした。何を言われても、前向きになれず、信頼関係は1ミリもなかった。すぐに会社を辞めた。
 
2社目は、アパレルの会社で採用の仕事だった。上司は、年齢が5つ上の女性。2000人の社員がいるこの会社は、上司が私に求めるレベルが高かった。フロアーに30人がいる中で、毎日大きな声で怒られ続けた。
私は、入社してから数年後には、だいたいのことを任してもらえるまでになっていた。この規模じゃないとできない仕事に満足した。上司とは、仲は良くはなったが、緊張から来る咳が止まらなくなっていた。信頼関係が築けないと思い退職をした。
 
合わない、怖い上司は、自分が不安になってうまくいかないことが多かった。その不安で、土日はそのことばかり考えて、日曜日の夜が重い。
今までも合わない、怖い上司はいた。でも、信頼関係が築けていれば乗り越えられた。あとで、自分が成長したと感じられた。
私は、一番合わない、怖い上司と仕事をして、私には上司との信頼関係が重要だと気付いた。
 
私の考える信頼関係は、相手が何を考えているか知ること。私が考えていることも伝えること。お互いが必要だと思っているかを確認することだった。
それを知ることで不安がなくなり、仕事を前向きにできることだった。私が必要なければいち早く辞めたい。
 
その後の3社目と4社目の会社では、まずは、上司に、私が考えていることや、やる仕事の内容が合っているか、私に求めていることなどを確認して進め、上司が何を考えているのかを聞くようにした。私ができてないことも積極的に確認するようになった。
 
そして、3社目と4社目の会社では、上司も部下にどうしたらいいのか悩んでいることを知った。その上司のためにも自分のためにも、仕事でいい結果を残したいと思えた。
 
こうやって様々な上司との出会いがあり、当時は、本当に辛く嫌だと思ったことも、自分を知る機会になったと思えるようになった。会社で仕事をすると、必ず上司はいる。自分と合わない上司もいる。もし、少しでも上司と話せる機会があれば、自分が思っていることを伝えてみるのがいいかもしれない。
 
ただし、無理は禁物。私自身は、無理な時は自分を騙してまで仕事をするべきではないと思っている。仕事を辞めたことを後悔もしていない。
上司は選べない。合う上司もいれば、合わない上司もいる。
数年後に一緒にキャンプに行っている仲になることもあるので、何が起こるかわからない。
 
 
 
 
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2021-04-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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