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結婚と起業は似ている。


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記事:武田智幸(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
私は現在39歳。
結婚生活11年目。
3歳と6歳の子を持つ二児の父。
 
10年前……。今の妻と付き合っていた当時。私たちは月一のハイペースで旅行に行った。スノーボードにもたくさん行った。ものすごい頻度で飲みに行った。一人暮らしの私の家でくだらない話をしてたくさん笑った。この人となら楽しい結婚生活にならないはずはないと確信した。そして、私たちは満を持して入籍した。
 
だが……。
そんな甘い結婚生活の見通しはすぐに崩れた。
 
バタン、ジャー、バタッ、トントントン……。
 
日常だ。
日常という奴がやってくるのだ。
思えば、結婚前の素晴らしく楽しい思い出は、すべてが非日常だった。
 
朝起きて、顔を洗って、支度をして、ご飯を食べて、家を出る。
クタクタに疲れて帰宅して、お風呂に入って、着替えて、ご飯を食べて、寝る。
生活には、非日常の数よりも、圧倒的に多くの日常がある。
 
ご飯の後片付け、掃除、洗濯、日用品の買い物etc……。
 
二人の生活となると、全ての家事が2倍必要となる上、子供が生まれれば、その労力は3倍、4倍にもなる。私の仕事が忙しくなってしまうと、この負担は妻に集中する。ストレスが溜まり、自分に対する当たりが強くなるのは必然だった。
 
「なんで私ばかりやらなきゃいけないの? ◯×※!×◯!×※△・! 」
「そうだよね、皿洗いするよ。」
 
ジャー。
毎日皿洗いをするようになった。
 
「皿洗いだけすればいいと思ってるわけ? ◯×※!×◯!×※△・! 」
「いつも助かってるよ、そうだね、掃除もしようかな」
 
ウィーン。
週末に掃除を担当するようになった。
 
それからは、なんとなく平穏な日々が戻った。結婚は一つのゴールなのは間違いないが、その先の暮らしはもっともっと長く続いていく。お互いに成長しながら、毎日を2人で作っていく必要がある。日常をいかに良好に過ごせるかが大事。お互いに助け合っている感じが、結婚生活のお互いの満足感や充足感を高める秘訣なのではと思う。結婚10年目にしてようやく分かってきたような気がする。
 
そんな自分は、2020年に起業した。株式会社である。
 
小学校の卒業文集で「社長になる」と書いていたことを覚えている。
ずっと、いつかは……と思ってきた。
コロナ渦で、「いつなの? 今でしょ」 と決心した。働いている会社にも相談した上で了承をもらい、すぐに動いた。
 
会社を作るには、資本金の準備だけでなく、いろんな作業が必要となる。
会社の事業に関するコンセプトや計画を練り、具体的にどんなサービスをするのかを考えた。それから、定款を作る、印鑑を作る、法務局へ行くetc……。仕事しながらの準備は大変だったが、ワクワクした気持ちの方が大きかった。そして、いよいよ会社を設立した。夢に見てきた”社長”の誕生だ(現状仕事と自分の会社の二足の草鞋)。
 
それから1日、2日経ち、1週間、1ヶ月とあっという間に時間が過ぎていた。
 
「あれ、仕事っ……」
 
嘘みたいな本当の話なのだが、会社はとてもスムーズに設立できたが、世の中の人々に向けて何も伝えていなかった。ウェブサイトは後からでもいいだろうと思っていたし、SNSで社長になりました感を出すのも何か違うと思っていた。
だから誰からも声がかからないのは当たり前。会社の存在すら知られていないのだ。会社の存在を知っているのは、区役所の担当者、法務局の担当者、そして印鑑を作ってくれた職人くらいであろう。
 
まず1つ仕事をするため、周囲の方々に連絡をした。当然だが、すぐには仕事を得られなかった。
 
「Kさん、会社作りました」
「そうなの!? おめでとう。こんな仕事あるんだけど、やってみる? 」
「もちろん、やらせてください! 」
 
でも、かつて一緒に仕事をしたことがある方から、先日無事一つ目の仕事を受注し、納品した。通帳に記載された振込金額を見た時、Kさんからの”ありがとう”のようなお礼の気持ちを感じた。額はともかくとして、相手の期待に応えた対価が、自分の会社の銀行口座に直接入ってくる感覚はとても新鮮で、嬉しいものだった。
せっかく会社をやるのだから、相手の売上に貢献できるような仕事、やってみたかったけどできなかった仕事をしていくつもりでいる。そのために、今ウェブサイトを作り始め、いろんな実験を始めてみるつもりだ。
 
何事にもポジティブで前向きな楽天家、誰とでもある程度はうまくやれると思っているタイプの人間。大抵のことは、なんとかなると思っている。
それが私だ。
 
ここまで粗いまとめで、かなり偏った内容で書いてはきたが、実際には様々な準備やシビアな想定はしている。でも、誰にも未来を予想することはできない。やってみないと分からない。だから面白い。
 
結婚と起業。
 
どちらも私の想像とは少し違っていた。事前の予想通りには行かなかったし、思い描いていた理想とはズレがあった。そのポイントは、それがゴールではなかったということ。
 
目指すゴールは誰しもあると思う。でも、そのゴールというものは、ある意味スタート地点であることが多く、実際には、目的地の先に長い長い戦いのロードが続くのだ。想定とは違う状況に、いかに折れずに進めるか。試行錯誤し、凹みながらも、何とかして乗り越えられるかどうかが、成否を分ける最大のポイントのような気がする。
 
だから到達する前のスタート地点には、行きたいと思ったら潔く進めてしまって、そこからの戦いのロードに早く出た方が良い。そして、その戦いのロードを早く始めた方が良い。自分の決断が正しかったのか、間違っていたのかは、後々の行動次第で決まっていく。と言うのが持論である。
 
「あのさぁ、皿洗いと掃除だけすればいいと思ってない? ◯×※!×◯!×※△・! 」
「うん、そうだね……」
 
妻から見た私は、まだまだダメな夫のようである。皿洗い、掃除の次に、自分がやることは何だろう。今年中には料理に手を出すのだろうか。
 
子供たちが成人する頃には、何とか穏やかないい家庭を築きたいと思っている
 
 
 
 
***

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2021-04-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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