「本来であれば不要過ぎる努力をして、楽しみを得る」
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:小林海 (ライティング・ゼミ 超通信コース)
昔から……。
そう、子供のころから自分は変わった特技がある。それは左利きの人を見るとすぐに気が付くという事だ。
食事で店に入ると、別のお客さんや店の従業員の格好や動作を見て一瞬で左利きの人に気が付くし、テレビを見ている時も、番組出演者や街角インタビュー、コマーシャルに出ている人達で左利きの人がいれば、同じく一瞬で気が付く。
ある日、それを会社の左利きの同僚に話してみると、「それは右利きの人としては珍しいかも」と言われた。
なぜなら左利きの人は左利きの人にすぐ気が付くらしい、それは同じ仲間意識を感じているからであろうか?
例えて言うなら外国に行った時に日本人がいれば、すぐに分かるような感じに近い仲間意識のような事かも知れない。
自分は右利きなのに、すぐに左利きの人が分かるのは、恐らく子供の頃の憧れみたいな感覚があったからだと思う。
小学5年生の頃の親友が左利きだった。当時、左利きの子供は珍しく、クラス約40人の内で、一人だけだった。本当は左利きの子は他に数人いたかも知れないが、当時は親からのしつけで、右利きに矯正されて表向きは少なかったのではないかと思う、その貴重な存在に自分は羨ましいと思っていた。
統計によると生まれつき左利きの人の割合は日本人の場合約10%らしい。だから40人中で本当は4人ぐらいいたかもと、今思う。
自分の弟も、恐らく生まれつきは左利きだったようだ、だから幼稚園の年長の頃に書いた卒園記念アルバムには鏡文字の、ひらがなで弟の名前が書いてある。
鏡文字になってしまうのは 左利きの人が幼少期に良くある事らしい。
弟は親に特別、矯正された訳では無いが、見た目は普通に右利きで成長した。しかし、ハサミだけは今でも左手を使っている。
親友と弟(生まれつき)が左利き、その為、自分も左利きになりたい思いが強くあって、子供の頃に色々試したが、全く駄目だった。
一番試したのは字を書く事だった。なぜなら、自分は字を書くのが非常に苦手で、書いた文字はとても下手で恥ずかしい文字なので、一番のコンプレックスだった、右手でどんなに練習を頑張っても普通ぐらいに文字を書けないのなら、もしかしたら左手なら上手く書けるようになるのではと勝手に思い、何度か挑戦した事があった。
しかし、いくらやっても全く駄目で、もちろん右手で書いた方が、ずっとマシだった。
左手で書いた文字は文字とは言えないレベルから上達しなかったので、あきらめたはずだった。
それから、長い年月が過ぎたが、相変わらず自分の右手を使っての悪筆はどんなに努力しても変わらなかった。
ところが幸いな事に、世の中はパソコンで文章を書く事が増えた為、手書きの機会が、かなり減って自分にとって最高に良い環境になったと安心していた。
しかし最近になって、ある資格試験の勉強を始めると、まずいと思った。
その試験は覚える事が沢山有り、しかも直筆での作文回答もある。
それを知って困った自分は 何か良い考えはないかと思い、ネットで色々調べたら、右利きの人が左手を使うと右脳が活性化されると書いてあった。
これは もしかして昔興味をもっていた左利きになる練習を本気でして、習得すれば良い事が起きるのではないかと思った。
ネットによると手始めに、歯を磨くのから始めると良いと書いてあった。まずは朝一番に左手を使う習慣をつける為に丁度良いとの事だ。
それに右の奥歯は左手を使った方が本当は良く磨けるそうだ、慣れないうちはしっかりと磨けているか不安なので仕上げは右手も使った。今までより少し時間がかかるようになったが、毎日続けて少しずつ上達した。
そして次は腕時計を右手にはめる事にした。これはネットには書いていなかったが左利きの基本だ、これだけで気分が上がる!
他にも、なるべく日常右手で行っていた事を左手で行うように変えていった。
例えばドアの開け閉めや鍵をかけるなど、更に外でも左手を使おうとすると世の中は本当に右利きの人の為に出来ていると感じた。
駅の改札や自動販売機などが代表だ、左手を使おうとすると随分と不自然な感じになる。他にも水道の蛇口など色々な発見があったが出来るだけ左手を使った。
そして、家で一人の食事時はネットで手に入れた左利き用の正しく箸を使える矯正箸を使用した。
最初は上手くできなかったが、だんだんと上達した。
約1カ月で矯正箸を使わなくても、豆腐や焼き魚、豆類なども大丈夫になった。しかし一番難しかったのは麺類で、これはあきらめた。外国人が箸を使ってラーメンを食べるのに苦労しているのが良く分かった。
それらの訓練と並行して文字を書く訓練も行った。もちろん左利き用の鉛筆の持ち方矯正ツールを使用した。
最初はぎこちない文字でうまく書けず、少しイライラする事もあったが、上手く書けた時は結構喜んだ。
他にも、左手でハサミを使ったり色々な訓練を続けた結果、ある程度の両利きになれた。
大人が日常生活で、上手くできなかった事が出来るようになるのは、子供の頃、年上と同じように出来るようになった時の嬉しさや自信に近いと思える。
この訓練の努力の結果は自分で褒めて、たまに他の人に驚かれる。
これは十分大人になった自分には とても楽しく、少し得をした感じがする。
***
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