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僕の甥は照ノ富士


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記事:後藤 修 (ライティング・ゼミ 超通信コース)
 
 
「謹んでお受けいたします」

先月の末、ある関取がこのように話して大関に再昇進した。

関取の名前は照ノ富士。照ノ富士は4年前に大けがをきっかけに、相撲界の最高グループである

幕内から落ち、下位のグループ序二段まで位を下げてしまった力士だ。だが、そこから不屈の闘

志で再び、‘関取’として戻ってきて、元の地位である大関に返り咲いたのだ。

照ノ富士を見ると、ある人を思い出す。

それは僕の甥だ。

1年半前、大学6年目を過ごしていた甥はまさに照ノ富士だった。

甥は高校を卒業して、大学に後期試験で合格した。そして、大学生として大学の授業に出ながら、

音楽のサークル活動、家庭教師や予備校のバイトなどして充実した生活を3年間送り続けた。

大学4年になった時に、これからの将来を見据え自分の見聞を広めるため、ヨーロッパ

へ留学をしたのだ。そして、9か月ほどの留学を終えて、帰国した。

その直後、家族で会食をした時、「本当に楽しかった! いい経験が出来たよ!」と嬉しそうに話

をしていた。翌年から始まる就活に満を持して臨む様子だった。

それから、ほどなく甥の就活が始まった。甥は、将来海外に駐在して働くことを強く希望してい

たため、海外に駐在所がある企業を中心に面接を続けた。その結果、3社から内定をもらえた。

しかし、甥は結果に納得できなかった。なぜなら、海外に駐在所が存在する企業から内定をも

らえなかったからだ。

甥は考えて、悩んで、内定をすべて辞退した。自分の気持ちに従って、来年に賭けたのだ。

そして、数か月のある日。甥が就活真っ最中だったころ、甥の父である僕の兄が実家へ来た。

兄は甥のことをこう話した。

「彼はたくさん海外の駐在所がある大企業を受けているよ。いずれ、いい結果を報告できると思

うから。楽しみにしていて」とても、期待を込めながら話をした。それを聞いて、僕はこう

言った。

「そうだね。楽しみだね」と明るく答えた。僕もすぐにでも喜ばしい結果が出てくると思ってい

た。

しかし、そのような展開にならなかった。

甥は希望する企業の面接を受けて、ほとんど最終の面接まで進むのに、そこで落ちてしまうこと

事が続いてしまった。そして、とうとう面接を受けた企業から内定をもらえなかったのだ。

甥がそんな苦境である時に、兄が実家へやって来た。

兄は「彼はたくさんの企業を受けたけど、内定がもらえてないよ。今後、どうなるかなあ」

その顔は依然の意気揚々と話していた様子とは打って変わって、不安そうだった。

僕はそれを聞いて、こう言った。

「彼を見守るしかないね。そうだね、景気づけに僕が彼のところにいってくるよ。彼が住んでい

る街に行ったことないし、ステーキをごちそうして力をつけさせたいから。今度行くよ!」

それを聞いた兄は「そうだね。ありがとう」と明るく言った。僕は少しでも甥を勇気づけれらた

らいいと思った。

そして、僕が甥が住む街に行く前日。その後にドラマがあった。

僕は出発する準備を整えていると、一緒に住んでいる母親が僕に声を掛けてきた。なんと、こん

アンビリバボーな話をした!

「ちょっと、甥が内定をもらえたって! 今、甥のおかあさんからメール来たよ!」

僕は驚いた!そして、母親に言った。

「本当に? すごすぎる! まじで!」僕は嬉しくて大声を出してしまったのだ。

甥は僕が会いに行く前日に、社会という‘土俵’に上がることが出来たのだ。

その後、詳しい話を兄から聞いた。甥はシステム関係の会社から内定をもらったこと、そこは

成長が期待できる派遣企業だということ、そして、甥が希望する海外に駐在できるチャンスがあ

ることを聞いた。兄は嬉しそうに声を弾ませていた。

翌日、僕は待ち合わせに決めていた駅で甥を待った。やがて、彼が現れた。

僕は「おめでとう!良かったね!」と声を掛けた。

彼は「ありがとう。よかったよ」とクールに返事をした。

僕は何とも言えない心持ちで甥を見た。

それから、約束したステーキハウスで2人で乾杯をした。そして、今回の就活で苦しかった時に

いろんな友達や後輩に支えられたこと、また、いろんな本を読んで自分を奮起させたこと、そし

て、これまでの大学生活の思い出を熱量高く語り続けた。そんな彼を本当に成長したんだな、本

当に頼もしい人望がる人になったのだなと僕は感慨深く感じながら、甥の話を聞いていた。

今、僕の甥は就職した会社で希望している海外駐在に向けて、仕事を頑張っている。

兄が実家に来るたびに、「先がたのしみだなあ」と口癖のように話す。

僕にとっても本当に先が楽しみの甥っ子だ。

これから就活を頑張っている方へ、そして今頑張っている方へ。僕の甥は内定がもらえない状態

で先が見えない時期を過ごした。しかし、彼は自分が望む道を切り開いた。どんな人でも困難

で立ちあがれなくあることが就活中にあるだろう。しかし、諦めないことだ。活動を続けていて

も結果が出ない時があるかもしれない。けれども、諦めたら絶対希望への道は見えない。

だから、自分が目指す道をとことん貫こう。自分を信じて行動しよう。その先には、あなた方

が心から行きたい場所の景色がぼんやり見えてくるはず。粘り続けて歩めば、近づいていくこと

が出来る。そのことを強く信じ、地を踏みしめていこう。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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