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成長はゆっくり、じっくりと


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:板橋 基之(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
人間の成長って驚くほど遅いんです。
生まれてから歩けるようになるのに、1年近くもかかるんですから。
自然界だったら食われちゃいますよね。
 
昨年の1月に子どもが生まれました。
その前までは、友人の子どもに会うと「もうこんなに大きくなったんだ!」と成長って早いなって思っていました。ですが、実際に自分の子どもを育てていると全然早くないです。ヒューマン大丈夫? って心配になるぐらい、成長は遅いんです。
 
私は子どもが生まれる前まで勘違いしていたことがあります。
「成長はある日突然ピョコンと訪れる」ということです。ドラクエのレベルアップかよ! っていう具合に。
例えば「首が座る」。生まれた子どもが頭がグラグラしているのが、首がしっかりしてグラグラしなくなる、ことを言います。それを、私は「ある日カチッとハマる」ものだと思っていました。プラモデルかよ! っていう具合に。
違うんですね。
ジワジワ、だんだんと首がしっかりとしてきて、あれ?グラグラしない、という感じで“首が座った”と感じるんです。「まぁこれ首座ったんだよねぇ」「首座ったでいいんだよねぇ」みたいな。不思議でした。達成感があまり感じられませんでした。カチッとなって「おー!首座ったねぇ!」と喜びたかったです。
 
生まれて、首が座り、寝返り、ずり這い、お座り、つかまり立ち、ハイハイ。
人間が立って歩くまでに、様々な動作を覚えていきます。
 
つかまり立ちができたから、もうすぐに歩けるようになるな、と思っていましたが、そこからが長かったです。
最初は低い物に捕まっては、顔面から倒れて泣いて、その繰り返しで立てるようになっていきます。そして、さらなるチャレンジをしていきます。
何かに捕まって立った時に、全身を前後にクネクネするのです。おそらく、これって歩きたい衝動なのかな、と思います。足を前に出したくてクネクネさせてるのだと思います。クネクネしては倒れる、そして立ち上がり、クネクネして倒れる、その繰り返しです。
そのクネクネで、たまに捕まっている手をわざと離すんです。それで倒れてしまいます。新たなるチャレンジですが、一歩を踏み出す、ということに日々、その瞬間チャレンジしているのです。
 
どれもこれも、ある日パッとできるようになるわけではなく、毎日毎日、繰り返し繰り返し、何度も倒れては同じ事を繰り返し、ようやくできるようになっていきます。
ズリハイも、つかまり立ちも、ハイハイも、出来るようになるまで何度も何度もチャレンジするんです。繰り返して、筋肉がついていき、身体の使い方を学んでいくのだと思います。涙ぐましい努力です。努力、というか本能なんでしょうか。
大人もやりたいことを一生懸命やりますが、その一生懸命やるってことは努力じゃなくて本能なのかもしれませんね。もしかしたら、やりたくないことをやる、ということが努力なのかもしれません。
 
そして子どもが実際に歩けるようになって「立ち上がって歩く」ということがいかに難しいのかが分かります。二足歩行って特別なことなのかもしれません。
ロボットでぎこちない二足歩行ロボットがありますが、あれ、相当難易度高いですね。
 
さらに、喋れるようになるまでに、あと何年かかるの? と思うぐらい脳の発達も遅いと感じます。ちゃんと話せるようになるまでに、4〜5年はかかると言われますから。
 
ゆっくり気長に付き合っていかないと、こちらがイライラして壊れてしまいます。
これはコーヒーをドリップする時の感覚に似ているかもしれません。
 
コーヒーって一気にお湯を注いで抽出すると、美味しくないと言われています。
イライラするぐらいゆっくりとお湯を注いで抽出すると良いらしいです。
 
ポタポタと一滴一滴お湯を注いでいき、膨らんでは落ちるのを待ち、そしてまたポタポタと注いでは落ちるのを待ちます。
焦らない焦らない、ゆっくりとお湯を注いであげると、じわじわとコーヒーが自分の味を出してくれるんだそうです。
焦ってドバっとお湯を注いで急かしてしまうと、雑な味になってしまいます。
人間と同じですね。
 
ドリップの一滴一滴が、子育ての一日一日にあたるのでしょう。
周りの人から見たら、子どもの成長は早い、と思われるかもしれませんが、親から見たら、その成長には一日一日がちゃんと存在しています。
 
私自身、赤ん坊の時の記憶はありません。幼稚園のことも記憶が曖昧、というかほぼ覚えていません。そんなことからか、大人になるまで、サラッと、サクッと、すんなりと育ったもんだと思っていた部分もあります。
しかし、実際に自分の子どもと一ヶ月暮らしてみて、そこには、泣き叫ぶのをあやして、寝れないのを相手して、お腹空いたらミルクを飲ませて、オシッコやウンチをしたらオムツを替えて、風呂に入れて……、そんな一日一日の日々があるのです。子どもの成長とともに。
 
子育てはイラッとすることが多いですが、子どもの成長がゆっくりな分、親の心もゆったりとした気持ちでいることが大切なのかもしれません。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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