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カメレオンは究極のミニマリストだったのか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:寺元 哲(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「サトシ、ワイシャツの下着は肌色が最高だぜ」
 
イケメンかつオシャレで通っていた同僚から唐突に言われたのは、かれこれ10年近くも前のことである。当時スーツを着て会社勤めをしていた私は、ワイシャツの下着は白いTシャツだった。直接ワイシャツを着るのは肌が透けるような気がしていたからなのだが、おそらく私のように下着の色は白一択だという方は、かなりいらっしゃるのではないだろうか。
 
かくいう私は、同僚から肌色のアンダーシャツをオススメされたにも関わらず、実際に購入したのは今年に入ってからだった。そして、思った。肌色の下着を思い付いたファッションクリエイターは天才か、と。
 
肌着の定番といえばユニクロだろうか。夏はエアリズム、冬はヒートテック。一度着ると手放せなくなるほど、多くの方にとって欠かせないアイテムだろう。冬の寒い時期にいたっては、上下ともまずはヒートテックに身を包む。そして上に着る服の色と合わせるために、私は白と黒の2パターンを毎年少しずつ買い足してきた。
 
だが、彼の一言を思い出して購入した肌色のアンダーシャツが、2つの点で生活のクオリティを上げてくれることに気づいた。
 
ひとつ目は、上に着る服の色を選ばないということ。つまり、どんな服を選ぼうとも、その下に肌色のアンダーシャツを着ておけば良いということである。私はそれほどファッションセンスのある人間ではないのだが、それでもこれまでは、白っぽい色の服には白のシャツ、黒っぽい色の服には黒のシャツと当然のごとく使い分けてきた。なぜなら下着に目立ってもらっては困るからである。同系色でまとめておけば、肌着が目立つことはあるまい。そう考えて肌色の下着にはずっと半信半疑だったし、そうこうするうちに同僚のアドバイスをすっかり忘れてしまっていたのだ。
 
ところが、肌色のアンダーシャツを着てみて気づいた。下着の肌色が目立たないどころか、たとえその上に白いシャツを着たとしても、下着に何を着ているのか全くわからない。一方白い下着は、白いシャツの上から意外と目立つのである。黒っぽい服の場合はまだそうでもないが、肌色の下着はそれ以上に、周囲の模様に擬態するカメレオンのように、まさしく肌に同化してしまうのだ。
 
あのiPhoneで名高いアップル社の故スティーブ・ジョブズ氏がずっと同じファッションを着まわしていたように、朝の忙しい時間帯に何を着るか悩むのは時間の無駄である。アンダーシャツのように下に着る服であればなおさらだ。肌色のアンダーシャツは、下着を選ぶ手間を省いてくれるのだ。
 
ふたつ目は、収納スペースの問題だ。日本は4つの季節がはっきりした国である。場所によっては同じ風景を、春の新緑、夏の青い空、秋の物憂い夕暮れ、それに冬の白い雪化粧と4回楽しめる。一方、英語で「ラビットハウス」と揶揄されるほどに小さい賃貸マンションに住む多くの人たちは、春秋物、夏物、そして冬物の少なくても3種類もの服に、部屋のサイズの割に多くの収納スペースを割かなければならない。
 
私もそうだった。東京で一人暮らしをしていた頃、ワンルームマンションにどのように収納スペースを確保するかずいぶん頭を悩ませた。クローゼットだけでは収まりきらず、ベッドに大きめのシーツカバーを使うことで、視界から見えないようにベッドの下を下着類の収納スペースとして活用していた。
 
常夏の国であるシンガポールにホームステイした時にふと気づいたのは、衣類の収納スペースの少なさだった。一年中同じような気温ゆえ、日本のように複数の季節に対応しなくてよいのだ。私の場合、以前は年中同じ下着を着まわしていたのが、ユニクロが冬用にヒートテック、夏用にエアリズムを販売し始めてから下着の枚数が2倍になった。快適になった分、単純計算で収納スペースは2倍になっていたのだ。
 
しかし、アンダーシャツを肌色にすると、上に着る服に関係なく一色ですんでしまう。つまりは、その分収納スペースは減らすことができ、限られた部屋のスペースをもっと有効活用できることになるのだ。
 
さすがに下着をすべて手放すそうとは思わないが、下着の数を減らすだけで生活がシンプルになっていく。近年、日々の生活をなるべくシンプルにする「ミニマリズム」なる生活スタイルがかなり市民権を得るようになってきたが、時間に追われる生活に少しでもゆとりをもたらすという意味で、下着を肌色に変えてみるのもありではなかろうか。まだ肌色のアンダーシャツを手にしたことがない方は、ぜひ一度試してみていただきたい。
 
 
 
 
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2021-04-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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