実は役立つ受験英語・学校英語
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記事:みかんの行方(ライティング・ゼミ集中コース)
学校で習う英語なんて役に立たない!
受験英語なんて役に立たない!
そんな言葉を耳にしたことはないだろうか。
過去に英語で苦い思い出のある人は、役立つ云々の前に英語自体に拒否反応を示すかもしれない。
今まで大学まで10年も英語を勉強し、海外留学もしたのに、思ったより会話ができるようにならなかったと、疑問を持った人もいるかもしれない。
学校で習う英語、受験のために勉強してきた英語は本当に役立たないのだろうか。
2020年度に学習指導要領が見直され、日本の英語教育が変わった。
今回はそれよりも前の世代で、日本の教育制度で育った人たちに向けた内容となっている。
私は日本で日本の教育を受けてから外国へ渡ったため、帰国子女ではない。しかし、日本の学校で習う勉強や受験英語は無駄だと思ったことは一度もない。とはいっても、それで十分という意味ではない。
「無駄」ではないということである。
まず比較のために、私を例に日本語について考えてみる。
日本で生まれ育った、いわゆる純粋な日本人である私の母国語は日本語である。それなのに、この文章を書くことだけでも一苦労である。ライティング・ゼミの仲間たちの文章を読むと、皆、素晴らしい。語彙力、表現力、描写力、文法、リーダビリティなど、どれをとっても素晴らしい。私はこの中において、完全に劣等生であることは自覚している。だからこそ、母国語の日本語でも、モノを書くためのトレーニングや工夫が別途必要なのである。
次に、英語はどうだろうか。私にとっての英語は第二言語であり、仕事では日常的に英語を使用しているものの、ネイティブレベルではない。そのため、英語のネイティブが読んで全く違和感のないリーダビリティの高い本を書くことはできないのである。日本語でもトレーニングが必要なのに、英語ではなおさらである。万が一、私が英語で書いた書物を出版することとなった場合には、必ず英語ネイティブによるチェックが必要になる。
一般的に日本で生まれ育った人が今までに英語に関わった時間と、日本語に関わった時間を比較すると、どのような差があるだろうか。
想像してみてほしい。
会話、学校のすべての教科、作文、論文、本、メール、TV、インターネット、動画、説明書、身の回りのモノなど。
結果は一目瞭然である。
英語に携わる機会はその人の置かれている環境も多分に影響するため、子供にとっては選択肢が限られる。しかし、興味があり、その範囲の中でも様々な試みをしてきた人も多いであろう。私もそのうちの一人である。
高卒の人でも6年間も英語を勉強してきているが、カリキュラム上、英語で会話をする経験が少ない上、外国出身者たちと触れ合う機会があまりなかった人が多いのではないだろうか。そのため、英語で会話ができるかと聞かれたら、大方の人はNOであろう。
同じ日本語でも、自分の地域以外の方言や表現で違和感なくコミュニケーションを図れるかを考えても、その地域でどっぷりと生活をしているのではなければ、できなくて当然である。
よって、英語をしゃべれないことは何の不思議もないことである。
そもそも英語はその国や地域などでアクセントや発音、使用する単語や表現さえも異なる。ある国では老若男女問わず口癖のようによく使われている単語が、他の国では「おじいちゃん・おばあちゃん」が使う、ちょっと古めかしい印象だったりもする。
日本でも、中学生・高校生が使う若者言葉を大人が知らないことがよくある。TV番組のクイズとして成立するくらいである。
言葉は生きている。時代や地域によっても変化するのである。
さて、本題の受験英語・学校英語についてだが、私が一番役立つと思っていることは、基本となる文法や語彙力である。
日常生活の場では、中学生レベルの英単語とジェスチャーや表情だけでも、様々な状況判断などから簡単な意思疎通が可能であろう。わからない単語でも、知っている単語をいくつか駆使すれば相手が汲み取ってくれることもあるだろう。
ここで注意が必要なのは、「英語が分かりません」という意味で「アイ(I), ノウ(no), イングリッシュ(English)」と言った場合、「I know English」と取られ、逆の意味になってしまうケースがある。しかし、文法を知っていれば、「I don’t know English」と、文章を組み立てることができる。そして、「え? でも今、英語でしゃべったじゃん!」と、笑いを取れたら上等である。
会話の中でスムーズに単語を思い出し、文章の組み立てができるかどうかは、楽器やスポーツと同じように練習や慣れは必要となる。日本語でも「アレだよアレ」となったり、慣れない表現は噛んでしまうこともあるだろう。
ビジネスシーンや本などでは実に多くの単語や表現、用語が出てくる。その壁にぶち当たった経験がある人も多いのではないだろうか。
ここで差が出るのは、語彙力だと思われる。
特に受験勉強では、難しい単語をこれでもかというくらい頭に叩き込んだ人も多いのではないだろうか。日常生活で使わなくても、本、ビジネス上の会話、プレゼン、交渉、メール、公的文書などでそれが活きるのである。また、頭の片隅にある単語と初めて触れる単語では、身につく速さも違うであろう。
日本語でも英語でも、語学の追求には終わりはない。そのなかでも、受験英語・学校英語はしっかりと役立つのである。
何事もモノにできるかどうかは自分次第ということを、私も日々痛感している。
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