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愛犬11歳、歯は7本


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記事:杏奈(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
人間の永久歯は親知らずを含めて32本、 犬は42本あると言う。
 
高校時代の友人が歯科衛生士になった。社会人になりたての頃、彼女はよく「 80歳で20本は残そう」 と言っていた。
20本は約60%だ。
 
我が家の愛犬は11歳になる。11歳、色々な説があるが概ね人間で言うと60歳くらい。この年齢で、残っている歯は現在7本、約17%となってしまった。
 
これはもうひとえに飼い主であるわたしの責任。
ミニチュア・シュナウザーと言う犬種が歯周病になりやすいと言うことを理解していなかったし、犬の歯科治療についての知識が少な過ぎた。
そして、どの獣医を選んだら良いか分からずに迷いに迷ってしまったからだ。
 
 
 
子犬の頃の犬はいろいろなものを噛む。乳歯が生え代わろうとして、むず痒く、何かを甘噛みしたくなってしまうそうだ。
ところが、我が家の愛犬はブリーダーさんのところで4ヶ月まで面倒を見てもらっていたこともあり、飼い主に対しては甘噛みをほとんどしなかった。
ときどき、おもちゃや、ガムを噛んでむず痒さをおさめていたようだ。そして、室内に落ちている乳歯を見つけると、なんだか貴重なもののように思えた。
 
すべての乳歯が生え変わり、永久歯が揃った頃の愛犬の歯はとてもきれいだった。
それでも1歳の後半だったか、その頃から少し歯石がつくことがあった。 それをブリーダーに相談すると、歯石を取ってくれる獣医を紹介され歯石の除去をしたり、軽度なときはブリーダー自身が歯石を取ってくれたりしていた。
 
3歳になる頃には歯茎の状態がよくない部分があり、心配性の飼い主であるわたしは、ホームドクターの位置付けの獣医さんに相談に行った。
その獣医さん曰く「全然気にしなくていい」とのことだった。
今思うと、昔ながらの獣医さんでメンテナンスして良い状態を維持するという考えはなく、ある程度の状況になったら歯を抜いてしまえばいいという考えだったのだろう。
確認はしていないが通院している犬たちの口腔内をみるとそう感じる。
 
その頃、犬の飼い主のネットワークでは「歯科治療」についての情報がいろいろ出回っていた。振り返ってみるとその頃からペットの歯科治療をする飼い主が増えていたからなのではないかと思う。
愛犬の歯は大丈夫なのか?と不安を感じていたわたしは、紹介してもらった歯科専門と言われている獣医の元を訪ね、歯石除去等の処置をしてもらった。
しかし、その方法が少し変わっていて帰宅後の愛犬はストレスで鼻の頭の毛が抜け落ちてしまった。
この獣医さんへは1回しか行かなかった。
 
それからしばらく、歯医者探しが続いた。
そう、人間のように定期的に通ってクリーニングしてもらうことで口腔内を良い状態に維持できるところを探していたのだ。
 
やっと出会えた、ここだったら安心だと感じた歯科専門の獣医さんでは麻酔をかけて口腔内の治療をするところだった。
歯茎の再生治療も行っていて、なるべく歯を残してあげたいと思う飼い主の気持ちを理解した治療をしてくれる。
ただし、口腔内の治療をするときは必ず全身麻酔をかけ、治療をすることになる。定期的な通院では口の中を診るだけ。小さな身体に1年に1回、全身麻酔をすることの負担がどの程度のものなのかわからないが、その獣医さんが飼っていた犬にも同様の治療をしていて、長生きしていたから大丈夫だと説明された。
この獣医さんでは4歳の頃、一部歯茎の再生治療を行い、しばらく通院していたが定期的に全身麻酔をかけることが不安で通院を継続することができなかった。
 
次に通った歯医者さんは、犬を飼っている方々の間ではかなり評判のいい歯医者さんだった。自宅から片道1時間程度かかるものの、全身麻酔をせずに口腔内のメンテナンスをしてくれるところだった。
そこには数年通っていた。最後の1年程度は2ヶ月に1度のペースで通っていたが、徐々にグラついている歯が増えてきて、頻繁に通っているにもかかわらず、このような状態になることに疑問を感じ始めていた。
 
そんなときに出会ったのが関西で開業している獣医師で、アメリカでの歯科治療方法を学んだという方だった。
あるとき、愛犬の歯について相談に乗ってもらえることになり、会いに行った。
そのとき、わたしが数年通っている歯科の獣医師が、獣医師免許を持っていない、人間の歯科医であるということを教えてもらった。
そしてそのときの愛犬の口腔内の状況を話をしたところ、小型犬の中には歯肉炎で顎が溶けてしまうなど、重度の状態になると危険なので、いい獣医を紹介すると言われ、その病院で全身麻酔をかけて治療してもらった。
その結果、残った歯は7本、手術時間は4時間半くらいかかっていたと記憶している。
結局、こちらの歯医者さんでも通院の際は口腔内をチェックするだけ。歯石が溜まったら全身麻酔で再度口腔内の治療をするそうだ。
そう、3番目に行った獣医さんと同じ治療方針だ。麻酔なしで口腔内の治療をすることの方が犬の負担も大きいし、しっかり処置をすることができないのだという。
 
 
 
これまでの紆余曲折を経ても、年に1回程度の全身麻酔をして歯科治療することが犬にとって良いことなのか、よくわからない。
ただ1つ言えるのは、口腔内の状態がよくないことで全身状態に影響するような病気にさせてしまったり、顎の骨まで影響させてしまったら、すごく後悔するだろうということ。
だから、わたしは愛犬を連れて歯医者さんに通うことになる。
 
 
 
 
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2021-05-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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