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裏垢が、本当の私。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:宮崎亜子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「裏垢」という言葉をご存じだろうか。
主にTwitterなどのSNS上で、リアルの友達などに公開しているアカウントとは別に、自分の趣味や感情を匿名で発信したい時に使う「裏アカウント」のことだ(”垢”とは”アカウント”を表すネットスラングである)。
プライベート用、仕事用、趣味用、など目的に応じて裏垢を使い分けている人も多いだろう。
 
裏垢と聞いて、表には出せない投稿=ネガティブで陰湿なもの、というイメージを持つ人もいるかもしれない。実際、そのようなアカウントも存在する。
しかし私にとっての裏垢は、自由に本音を吐き出せる、心のよりどころである。
 
私はTwitterで2つの公開用アカウント(一般垢)と、2つの裏垢を使っている。一般垢は、リアルな友達とつながっているプライベート用アカウントと、仕事用アカウントだ。プライベート用では主に友達の近況確認や自分の趣味のつぶやきに使い、仕事用では情報収集を目的として使っている。
 
ここからが、本題の裏垢だ。
普段隠しているアカウントなので、ここに書くのもドキドキしている……。
 
裏垢の1つ目は、恋愛用アカウント。
Twitter上には「惚気垢」「恋垢」というジャンルがある。興味のある方は「#惚気垢」で検索してみてほしい。名前の通り、この惚気垢界隈では、主に女性が彼氏や旦那さんとのラブラブな惚気を自由気ままにつぶやいている。確かに、恋人との惚気話というのは、リアルの友達の前では自慢のように思われがちで、言いにくいものがある。でも言いたい! という気持ちはよく分かる。そんな心情に、この惚気垢という世界は見事にマッチしている。
なにせ、フォロワー同士は基本的に赤の他人、何も遠慮することも恥ずかしがることもなく、堂々と惚気られる。フォローする人も、人の幸せな惚気話を聞きたくてフォローしているので、知らない誰かの彼氏の甘い言葉や、日常のイチャイチャ報告に「素敵な彼氏ですね!」といいねし合う、それはそれは幸せな世界なのだ。
 
私もこの惚気垢で、恥ずかしくなるような惚気を何度もつぶやいた。絶対にリアルの友達には教えられない。(もちろん彼氏にも)。
 
ところが最近、私はその彼氏と別れてしまった。惚気垢でお別れ報告をすると、会ったこともないフォロワーさん達がたくさん慰めてくれた。Twitterがあって良かった、と心から思ったものだ。
そして、別れた後しばらく、悲しい気持ちをメソメソとつぶやいていたが、なんとなく居心地が悪い。そう、ここは惚気垢なので、基本的に幸せな恋愛をしている人たちが集う場所であり、ネガティブな空気を持ち込みにくいのだ。
 
そこで新たに、失恋用アカウントを作った。作ってみて初めて知ったのだが、「失恋垢」「復縁垢」という世界もTwitterには存在していた。ここではどんなネガティブなことを言っても否定されない。同じく失恋をした人たちが、悲しい、つらい、といった心情をひたすらつぶやいている。つらい時こそ弱音を吐きたくなる、誰かに聞いてもらいたくなる、という心理に、この世界も非常にマッチしていた。私はこのアカウントで毎日のように、泣きながら、彼と別れて悲しい、もう一度やり直したい、といった未練をただただつぶやいた。同じような境遇のフォロワーさんのいいねやリプライに、少し心が軽くなった。
 
ところで最近この失恋垢にいるフォロワーさんが、元彼とヨリを戻したらしい。「おめでとう」とは返したものの、私も、あるいは失恋の傷が癒えていない他のフォロワーさんも、失恋垢を無事卒業した彼女に対して、心から祝福をしにくいのが本音だ。彼女もなんとなく気まずいのか、次第につぶやきは減っていった。もうここは彼女のいる世界ではない、と感じたのだろう。だからと言ってこの世から彼女の居場所がなくなったわけではない。もしかしたら今頃は惚気垢を作って、思う存分、惚気をつぶやいているかもしれない。
 
人は誰しも、いくつかのパーソナリティを持っている。
そして環境が変われば考え方も変わる。
 
しかし、得てして現実世界では、言いたいことが言いづらい。
「この人の前でこんなこと言ったら、感じ悪いかな」
「私は真面目なキャラクターと思われているから、ふざけたことは言いにくいな」
「悩みを相談したいけれど、弱っている姿は見せたくないな」
 
そんな自分自身のイメージにとらわれて、本音を言えずにモヤモヤしている人は多いのではないか。
でも、言いたいことも言えない世の中は、息苦しい。
本音は、吐き出した方がスッキリするのは、当然じゃないか!
 
だから裏垢を使って、適切なコミュニティの中で、あるがままの自分をさらけ出してみた。自分に共感してくれる相手がいる場所へ、スマホのタップ一つで自由に行き来できた。どこでもドアのように、気軽に。
 
裏垢は、自分を構成する、ほんの一部の自分でしかない。しかし、そこで出会った、本名も顔も知らない誰かに救われた。自分も、そんな誰かの支えに、少しでもなれていればいいな、と願う。
 
現実世界で「イツモノワタシ」でいられるのは、裏垢の世界での、弱くて強い絆に支えられているおかげだと思う。
 
今日も裏垢には、飾らない素のままの自分がいる。
 
 
 
 
***

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2021-05-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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