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BTSにハマったら人生楽しくなってきた


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記事:伊藤瞳子(ライティング・ゼミ「超」通信コース)
 
 
「私たち、凄すぎるひとたちを好きになってしまったね」
 
私は今年40歳になろうとしている、仕事をしながら子育てをする母親だ。
 
「昨日はついに彼の夢をみたの。ちゃっかり夢の中で自分は二十歳になってました。」
 
ママ友からメールをもらって、ニヤニヤする。
実は私も最近彼らの夢をみることがあったから。
 
昨年”Dynamite”という曲で全世界で大ブレイクした韓国の7人組のアイドルグループのBTSに、この歳にしてママ友と一緒にハマってしまったのだ。
 
今まで一度だってアイドルにハマったことはなかった。
子供を持ってからだろうか。
子供と一緒に見ているうちに好きになって、なにかにハマるようになったのは。
それはキョウリュウジャーであったり、ウルトラマンであったり、プリキュアであったりしたが、大概はテレビ放送中の1年間という期間限定のもので、シーズンが終わると興味は次のものにうつっていった。
 
ある時、小学1年生の娘から、BTSのDynamiteという曲のミュージックビデオをみせてもらった。
「これが○○で、これが○○。」と名前を教えてもらったが、顔の区別もつかず、韓国語の名前も覚えられず、ちんぷんかんぷん。
ただ、ただ「へー。よく覚えられたねえ。」と娘に感心するばかりだったが、そのキャッチーな音楽は耳に残った。
 
しかし、彼らは歌とダンスがカッコいいだけのアイドルではなかったのだ。
 
これは日本のアイドルグループではあまりないことではないかと思うが、彼らは自分の好きなタイミングでオンラインでファンとの会話を楽しむことができる。
本当に予告なしに突然始まる。携帯のアプリで「BTSのライブが始まりました」と通知が来ると、メンバーたちが今まさにしゃべっている。
生放送なので、失言してしまわないかと、事務所は心配しないのだろうか、とも思うけれど、彼らは素直に自分達の今の状況や、悩んでいること、最近あった他愛もない出来事について話し、その場でファンからの質問にも答えてくれる。
もちろん生放送には字幕なんてなく、韓国語でしゃべっているので、なにを言っているのか全くわからない。にもかかわらず、同じ時間を共有したくて思わず見てしまう。
韓国語がわかったらいいのに、と血迷って韓国語を学びたいとさえ思ってしまっている。
 
自信満々のアイドルとしての姿だけをみせるのではなく、幼い子供のようにはしゃぎ、時に思春期の青年のように悩み、悲しいときに涙をながす。
テレビの前でそれらの感情を隠さずに表現し続ける彼らに、惹きつけられてしまう。
 
BTSについてYouTubeを検索しているうちに、グループのリーダーの彼が流暢な英語で、国連でスピーチをしたときの動画を見つけた。
 
「あなた自身を愛してください  何にわくわくし  何に心が高鳴るのか
あなたのストーリーを聞かせてください  ただあなたのことを話してください」
 
シンプルな英語で、力強く、そのスピーチはとても印象的だった。
 
“Love Yourself” 日本語に訳すと「汝を愛せよ」。
聖書で聞いたことがあるな、と思い、調べてみた。
聖書には「汝を愛するように、隣人を愛せよ」、つまり「自分自身を愛するように、隣の人も愛しなさい」とあった。
昔は自分自身を愛することは当たり前だったんだなと思う。
自分自身を愛している、と言える人は今どれくらいいるのだろうか。
私は自分が嫌いだった。
 
子供がうまれてからの約10年を振り返ると、時が止まっていたかのようで、子育てと仕事以外になにをしていたのかあまり覚えていない。
保育園に子供を預けて仕事に行き、保育時間締め切りギリギリにお迎えに走り、子供のごはん、お風呂、洗濯機を回して、子供を寝かしつける、という毎日を続けてきた。
 
大学生の頃はたくさんの音楽を聞いたし、本もそれなりに読んでいたけれど、この10年はむしろ音楽は聞きたくなかったし、本を読む時間はないと思っていた。
大好きだった村上春樹の新刊は買ったけれど、その本は読まれることはなかった。
子供たちを寝かしつけたあとに読むことだってできたはずだけれど、疲れ果て、何もしたくなくて、現実逃避し、そのまま一緒に寝る日々だった。
 
昨年、下の子が小学校にあがり、やっと保育園の送り迎えがなくなって少し時間ができた。
ふと、自分から仕事と育児をとったら何が残るんだろうと考えた。
なにもなかった。
もっと違う自分になりたいと、いろんなことに挑戦するようになった。
 
 
料理を作りながらオーディオブックを聴くようになった。
iPadを買って、絵を描いてみた。
2014年に買った村上春樹を、7年経った今読んでいる。
今晩はちょっと夜更かしをして、BTSの動画をみよう。
 
「何にわくわくし 何に心が高鳴るのか あなたのストーリーを聞かせてください」
 
嫌いだった料理はオーディオブックを聴きながらやるようになったら楽しくなった。
iPadで描いた絵をインスタグラムに投稿したら、海外のアーティストが見てくれてうれしかった。
やっぱり村上春樹の読了感は最高だ。
子供たちが寝たあと、夜中にひとり、BTSの動画をみて、声をあげて笑ったり、感動して泣いたりしている私は、今年40歳になろうとしている、仕事をしながら子育てをする母親だ。
毎日楽しい!
 
私はもっと、自分のことを好きになれる。
 
そんなことを教えてくれたのが、私が初めてハマったアイドル
BTSだ。
 
 
 
 
***

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2021-05-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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