メディアグランプリ

そうだ、ゴーストライターに頼もう。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:蔵本貴文(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
「要するに、ゴーストライターですよ」
なかなか理解してくれない人にはこうやって説明する。
 
 
最近はAmazonのKindleを中心とした電子書籍が多く読まれるようになってきた。その中で、どんどん電子書籍プロデューサーという人が増えている。
電子書籍だと、出版の手間も費用も、紙の本と比べてグッと小さくなる。だから、出版のハードルが下がり、「出版したい」という人の夢が叶いやすくなったのだ。
市場が大きくなるところには、供給も多くなるわけである。
 
その中で私もKindleの出版プロデューサーと名乗って活動している。同業者が増えていくので競争は激しくなるばかりだ。
ただ、私の場合は多少の強みがある。人の本を「書いてしまえる」ライターなのだ。つまり、「ゴーストライター」なのである。
 
 
こういうライターを「ブックライター」と呼ぶこともある。しかし、一般の人には浸透していない場合がほとんどだ。だから私の場合、「要するに、ゴーストライターですよ」という事もある。そう言うと理解はしてもらえるわけだ。
 
しかし、良い反応が返ってこないこともある。
つまり、ある著者の本をライターが書くということを、信じられない人がいるのだ。
「それって詐欺じゃないんですか」と。
 
著者というのは「書いた人」だから、書いていないとそれは著者じゃないということだ。これはもっともかもしれない。
実際、小説などの文芸であれば、他人が書いていたとすれば詐欺と言われても仕方がないだろう。それなら、その他人の作品として世の中に出るべきである。だから、ほとんどの作品は著者自身が書いたものだろう。全部とは言い切れないのが難しいところだが……。
 
しかし、ビジネス書や実用書となると、かなり様子が異なる。
実際のところ、ビジネス書の8割くらいは著者じゃなく「ゴーストライター」が書いているとさえ言われている。
 
しかし、こちらは特に問題はないのだ。
ビジネス書をライターが書く場合の典型的な手順は、10時間ほどのインタビューを経て、それを元にライターが文章にするというものだ。
つまり、「書いた」のはライターであったとしても、著者の取材がなければ何もかけない。コンテンツは全て著者自身のものなのだ。ライターはそれを文章に落とし込んだだけである。
一方、著者が自分で書いたにしても、実はかなり編集者の手が入っていたりもする。それなら最初からライターが書いても、それほど変わりはないのではないだろうか。
 
それに、この「ゴーストライター」がいないととても困ることになる。なぜなら、読みたい人の本が世に出てこないのだ。
実際のところ、本で得られる利益というものはそれほど多くない。ビジネス書で10万部というと大ベストセラーだが、定価1500円で印税率10%とすると、印税は1500万円となる。
 
「1500万円」それは普通の人にとっては大金だろう。しかし、本を書いてくれと懇願されるような経営者であったらどうだろう。例えば年収3億円とすると、一か月の収入は2500万円になる。
本を書くのは大変な仕事で、初めてだと数か月くらいはかかるだろう。すると、明らかに赤字だ。経済的に考えると、この経営者にとっては本を書いても割にあわない。
 
しかしながら、読者からしてみれば、いま旬の人の本が読みたい。だから、そのギャップを埋めるために「ゴーストライター」が存在しているのだ。
 
 
さらにこの「ゴーストライター」は、ただ著者の言ったことを文章にするわけでもない。大きな付加価値をつけることができる。それがインタビューだ。
 
頼まれて本を書くような著者なので、能力や実績は申し分ない人ばかりだろう。しかし、必ずしもそれを言語化できるかというと、そうでもない。
一流のスポーツ選手が必ずしも一流のコーチになるわけではないように、自分ができてもそれを文字に落とせないということも多い。
 
そこでライターの出番である。「ゴーストライター」が得意なことは、実は書くことだけではない。インタビューのプロでもあるのだ。
質問をすることにより、著者の考えを整理させる。そして、著者が言語化できていなかったものを言葉として引き出す。著者からしてみれば、自分の口が思いもよらぬことを話し出す感覚だ。
 
この効果は著者の間ではよく知られており、本のためのインタビューの時に、自分(著者)用のレコーダーを用意する人、そして本は書かなくていいからと言ってインタビューだけ「ゴーストライター」に頼むような人もいるということだ。これはライターの大きな付加価値と言えるだろう。
 
 
そしてこの「ゴーストライター」という職業。これは電子書籍の時代において、さらなる可能性があると信じている。
今までは、「ゴーストライター」の力により、言語化できていなかったものを引き出すことができたのは、頼まれて書く著者だけであった。
しかし、電子書籍の時代においては、それが一般の人にまで広がることとなる。
 
確かに卓越した実績を出した経営者は語るべき何かをもっているだろう。
しかし、それは一般の人の中にも確かにあると思うのだ。エンジニア、銀行員、学校教師、看護師、保育士、操縦士、職人、料理人、セラピスト……。
 
こんな隠れた知識や経験が、手軽に手に入る世の中を作りたい。世の中にどんな未知のスキルや経験があるかワクワクする。
 
普通の人が自分の考えをまとめるために、「そうだ、ゴーストライターに頼もう」と思う時代。
そのために、僕は今、本を書き続けている。
 
 
 
 
 
***

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2021-05-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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