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メディアグランプリ

人生、孤立したっていいじゃないの。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Shota Hitomi(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「お前って、協調性ないよな」
 
 
大学時代、友人からこんな風に言われたことがある。それは僕が「流行りのJ-POPなんて聴かねーよ」「みんなが読んでる漫画なんて読みたくねーし」と、卑屈っぷりを披露したからである。
 
 
ファッションだろうが、アニメだろうが、基本的に流行を追わない。自分の興味関心を最重要視している。そんなスタイルなので同級生や同世代からは少し浮いているし、ともすれば世間からも置いていかれているのかもしれない。
 
 
言うなれば「孤立」してしまっているわけだが、この国において「孤立」はやや否定的に取られることが多いように感じている。「出る杭は打たれる」なんて言葉はまさしくその風潮を表しているだろう。
 
 
だが、本当に「孤立」は良くないことなのだろうか?
「孤立」はネガティブに捉えるべき状態なのだろうか?
これまでいささか疑問に感じてきた。
 
 
むしろ「孤立」を経験することは、自分らしい人生を歩んでいく上で大切なピースになり得るのでは? とすら思っている。
 
 
そう思うようになったきっかけはゲームにある。
 
 
中学生だった2000年代後半、とあるゲームがヒットしていた。
雄大な自然に現れるモンスターを、仲間と協力して狩猟するハンティング系のゲーム。
「一狩行こうぜ!」というキャッチフレーズでPRされたその作品は、のちにジャンルとして確立される「狩ゲー」のレジェンド的な存在として、人々を熱狂の渦に巻き込んだ。
 
 
僕の住む地域も例外ではなく、クラスメイト、部活の仲間、遊びメンツなど、あらゆる友達がそのゲームの虜になった。休日友人らで集まれば、その時間はほぼハンティングに費やされ、学校での会話もゲームについてがほとんど。「社会現象」という言葉がピッタリ当てはまるほど、この「狩ゲー」の凄まじさは肌で感じられた。
 
 
当然自分もその輪に加わり、みんなで盛り上がりたかった。しかし、その思いが叶うことはなかった。我が家が「ゲーム絶対許しません家庭」だったからだ。
 
 
「ゲームは恥だ」「ゲームなんかよりスポーツしなさい」と、今では古臭くも感じる教育方針が貫かれ、僕はハンティング系ゲームとそのハード機を手にすることは出来なかった。それ故友人たちの話題や遊びにもついていけず、孤立することとなった。
 
 
そんな日々が1年、2年と続く中、次第に考え方が変わっていった。
「人と足並みを揃える必要ってあるの?」と。
 
 
「みんなと同じソフトを持っていないといけないのか?」
「自分が面白いと思えばどんなゲームでも楽しめるのでは?」
「ひとりで楽しんで何が悪い?」
「『みんなと同じ』ってダサすぎwww」
「おまえの個性どこいったんwww」
 
 
と、むしろ積極的なまでに流行を突き放すようになった。
つまり、ひねくれたのだ。
 
 
しかし、この一見残念にも思えるひねくれが、僕の転機となった。
 
 
例えば、進路において。
大学時代、就職活動に励む同級生をよそ目に、休学してバックパッカーとなる道を選んだ。「みんながやってるから」と同調で就活するより、自分の直感や理想から人生を選択する方が後々振り返った時、後悔が少ないと考えたからだ。
 
 
また別の例では、ファションにおいて。
流行やブランドの知名度で服を選ぶことがなくなった。それは、自分の生活スタイルや「どうありたいか?」を明確にし、そこから吟味した方がより自分にフィットすることが多いと感じたからだ。自己表現という意味でも、無名ブランドや一点ものの古着から探し当てる方が一層捗ることすらある。
 
 
このように、人生の至る場面で自分らしい選択を取ることが多くなった。
そののち、僕の人間関係は大きく変わった。
 
 
同じようにバックパッカーとして旅をする若者。
いつも新しい挑戦でワクワクさせてくれる大人。
「お前の力が必要だ!」と頼りにしてくれる友人。
 
 
日々新しい世界と遭遇し、ドキドキさせてくれる素敵な人たちに囲まれている。
 
 
「流行を追う」「周りに合わせる」というスタンスを手放して以降、自分の頭で考え判断することが多くなった。それは時に正しさに迷い、大きな責任を負うこともある。「みんなと同じ」がいかに楽か、身に染みて感じたことも多い。だが、自分らしく生きようとする姿は、周囲の共感をより強く集められるのではないだろうか?
 
 
自分の考えを持ち発信したことで、僕に共感してくれる人や声をかけてくれる人が多くなった。
今日の僕が大勢の人に囲まれているのは、自分らしさを持ち続けたことにある。
 
 
その元となったのは、他でもないゲームによる「孤立」だ。
ゲームを通して「孤立」を味わったことで「自分らしくあること」への勇気を身につけ、それが今の自分を作っている。
 
 
-「孤立」に喘ぎ、辛く苦しんだあの頃があって、今の僕がある。-
そう思うと「孤立の象徴」だと考えてきたゲームを、「自律の象徴」と呼び直すのも悪くない気がする。
 
 
世間ではフリーランスの増加や地方・田舎への移住など、近年人々の意識や生活スタイルは「集」から「個」へと移り変わりつつある。新型コロナウイルスの感染拡大以降その流れは明らかに加速している。
 
 
これはつまり、
「あなたは何者なの?」「何がしたいの?」
とパーソナルに問いかけたり、より個人の意思・価値観が重視される社会への始まりではないだろうか?
 
 
「なかなか興味が合う人がいない」「自分は変わっているのだろうか」
そう世間とのズレに悩んでいる人もいるかもしれない。
でも、心配は要らない。
 
 
あなたにしかない経験や感性が、きっと武器になる。
あなたにしかない言葉や思いが、きっと誰かの心を動かす。
 
 
「類は友を呼ぶ」その日まで、あなたらしさを大切にしてほしい。
 
 
 
 
***

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2021-05-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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