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メディアグランプリ

春の旬をいただくことは、身体を一年健やかに保つスタートにもなる。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岩渕千佳(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「あ、セリ。」
先日、近所のスーパーに食材を調達しに行ったら、野菜コーナーに「セリ」が置いてあったので、思わず買い物カゴに1束投入。どうやって食べようか……。やっぱり、シンプルにおひたしか。卵と溶いて食べてもいいな。そんなことをあれこれ廻らせながら、買い物をすませ、その日はシンプルに、さっと湯に潜らせて、鰹節を振りかけて、おひたしにしていただいた。柔らかくておいしい。「おひたし」って、よく考えると、新鮮じゃないと美味しくないので、贅沢な食べ方だなと改めて感じる。大変満足な食卓であった。
 
私が住んでいる宮城県の冬の名物といえば「セリ鍋」。新年1月7日に食べる「七草粥」にも「セリ・なずな・すずな・すずしろ・ほとけのざ・ごぎょう・はこべら、春の七草」と、セリが入っているので、私の中では、セリはすっかり冬のイメージだったが、そうか……春の食材でもあったのか。
 
宮城県のセリの栽培の歴史は古く、江戸時代から栽培されていたという。セリ自体は、古事記や万葉集にも登場するほど、古くから親しまれる食材である。
 
栽培自体は古くからあるけど、セリ鍋は、比較的最近広まった宮城の郷土料理。ここで使うセリは「根セリ」。10月〜2月に出荷される「秋冬セリ」で、水中の泥の奥から根っこごと持ち上げて収穫される。なぜって、「根っこ」の部分から丸ごと使うから。
 
セリ鍋は、根についた泥を丁寧に落とした根っこがついたままのセリを使う。根まで使うので新鮮なものしか食べられない。セリを根・茎・葉の3つの部位に分けておき、鶏肉や鴨肉を入れた醤油ベースの鍋でいただく。最初に根っこの部分を味わう。20秒くらいで食べ頃。次に茎や葉の部分はしゃぶしゃぶ感覚で。最後に、豆腐やネギなど他の食材も一緒に鍋に入れて楽しむ。根・茎・葉のそれぞれの旨味、食感を味わえるけど、私は、根っこの部分が、一番旨味があってお気に入り。
 
今時期に店頭に並んでいるのは「葉セリ」。4〜5月に出荷される「春セリ」は早春に芽吹いた茎は刈り取って収穫されたもの。茎葉は柔らかくてクセがなく、それでいてセリの香りがよく感じられ、これはシンプルにおひたしや、さっと炒めて食べても美味しい。セリを加えた「競り(セリ)カツ丼」という地元イチ推しの食べ方もある。ご飯と混ぜておにぎりにしても美味しい。
 
セリには、ビタミンCやミネラル、葉の部分にはβカロチン、食物繊維が豊富に含まれていて、セリ特有の香りには、鎮静効果のあるオイゲールや血栓予防や肝臓強化に役立つピラジンという成分が含まれている。
 
「春野菜はデトックスに効果的」というキーワードで、雑誌でも特集されることが多いが、春の山菜はまさにデトックス効果抜群。
 
冬はエネルギーを溜め込む時期。そして、暖かくなるにつれて、発汗がしやすくなり、代謝も上がって不要なものの排出が活発になる。一方で、排出を担っている肝臓には負担がかかる時期でもある。そして、腎臓のろか機能を高めたり、肝臓負担を和らげサポートしてくれるのが、春に取れる山菜たち。春の山菜の苦味は、解毒作用があると言われ、また、余分な熱(炎症)をとる効果があると言われている。
 
春は山菜の有名どころは、菜の花、ふきのとう、タラの芽、ゼンマイ、うどなど。芽吹いたばかりの柔らかさと、ほのかな苦味、香り。子供の頃は苦手だったけど、大人になってからは、その後をひく苦味こそが絶品で、身体もすっきりとした気分にさせてくれる。
 
ただ、山菜は、誰もが気軽に取りに行けるものではないし、最近は栽培されているものがあるとは言っても、スーパーで買うときには、なかなかの高級食材。タラの芽に運よく出会えたとしても、お高い……。天然ものになると、最近は根こそぎとってしまう人もいて、そうすると、もう、来年は生えてこないので、だんだんと希少価値が高まっている様な気がする。天然物を取りにいく場合は、ぜひ、自然のルールを遵守した謙虚な気持ちで採取してもらいたい。
 
天然物として里山でとってきた山菜は、よくよく洗って汚れを落とす作業が必要である。そして、春の山菜は、アクが強いものが多いので、水に晒してアクをとったり、何回かに分けて茹でたり、重曹を使ってしっかりとアク抜きをする必要があるものも多い。比較的、アクの少ないふきのとうや、タラの芽は、香りは残しながらアクは飛ばしてくれる天ぷらでいただくことも多い。
 
セリも、春の山菜の一つ。
 
セリは、宮城県と茨城県が2大産地であるものの、日本各地で栽培されていることもあって、スーパーの店頭にも並びやすく、栽培もので年間通しての流通もあるので、比較的買い求めやすい。手のこんだ下処理もいらないし、さっと湯通ししただけで「おひたし」という、贅沢な逸品に仕上がる。
 
季節の春夏秋冬がある様に、私たちの体も春夏秋冬のリズムがあって、その時期の旬な食材は、その時に体に必要な栄養と密接な関係がある。
 
呼吸でも引き寄せの法則でも、まずは、不要なものを「出す」のが最初というが、春はまさに不要なものを出すデトックスの時期。これからの1年を、健やかに保つためにも、不要なものをまずは排出するために、今が旬で、気軽に手に入りやすい食材を上手に使って、体を内側から整えて行きたい。デトックス春野菜としては、菜の花もスーパーで手に入れやすいが、今日の献立の一品に、宮城の葉セリ取り入れてみてはいかがだろう。
 
 
 
 
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2021-05-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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