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自分で自分のご機嫌をとろう


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記事:岡田ゆかこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
もう、毎日時間に追われて身体も心も疲れちゃった、つらいな。
 
数年前、私はよくそう感じていた。当時子供は未就園児だった。プレ幼稚園という入園前の子供が通える幼稚園に週1回通っていた。それ以外の平日も週末も毎日子供と二人で過ごしていた。夫は働きながら、平日の夜と週末は大学院に通っていて家にはほぼいなかった。私の実家は近くにあるが、両親は「自分の子供は自分で見るべきだ」という考え方なので、私がどうしても無理な時以外はほとんど預けたことがなかった。
 
その時の私の一日の流れはこうだ。
朝起きて洗濯をしてお弁当を作る。遊びに出かけて、帰宅。
帰宅して私は休憩したいけど、子供は私と一緒に遊びたいというので付き合う。
子供が私と遊んで満足したら夕食を作り、食べて片づけ、お風呂。そして寝かしつけ。
子供を寝かしつけながらいつの間にか自分も爆睡。起きたら翌朝。
 
時々は同じくらいの年齢の子供がいるお母さんと会って話すこともあった。お互いが同じ状況で気持ちが楽になったり、スッキリしたりする。でも、満たされるという気持ちとはちょっと違った。
 
そんな時、少し前に参加していた育児講座の繋がりで知り合った方にこう言われたのを思い出した。
「自分のことを愛してくださいね、ご機嫌にしてくださいね」
 
自分のことは好きなつもりだけど、今の状態はご機嫌ではない。私がご機嫌になるってどんなことをしたらよいのだろう。考えはするけど、思いつかない。どうやら家事や育児に追われて自分は何がしたいのか、何をするのが好きなのか忘れてしまったようだ。
 
よく考えて、自分の過去に遡ってみて思い出してみる。
すると、カラオケが好きだった事を思い出した。
 
私がカラオケに初めて行ったのは高校時代。テストが終わると友達と行くのが恒例だった。
大学時代は、周りにカラオケ好きな友達がおらず、カラオケに誰かを誘う勇気もなかった。たまにその場の流れで同級生と行くくらいだった。
 
社会人になってからは、カラオケ好きな友達ができてストレス発散のためによく行っていた。長い時は4、5時間歌うこともあった。
その後結婚して1年に1度くらい夫にお願いしてカラオケに付き合ってもらっていた。
そして出産してからは、全然行ってなかった。
 
カラオケが好きだったことを思い出してすぐ、子供がプレ幼稚園に行く日に一人で行ってみた。結果は、大満足だった。
 
カラオケの採点機能を使って、メロディ、リズム、声の抑揚などに気をつけながら歌うことに集中できることが楽しかった。気持ちよかった。何かに集中すること自体、しばらくなかった気がした。いつも自分の家の中や、家族など自分の外側ばかり意識をしていたことにも気が付いた。自分に集中できることによって満たされて、心の中のモヤモヤが晴れていくのが分かった。
 
他にも気づいたことがあった。自分が満たされてご機嫌だと、気持ちに余裕ができて周りに優しくなれる。そして、何故だか子供も楽しそうなのだ。それはきっと母親が笑顔になると、子供も嬉しい気持ちになるからだろう。ということは、今まで私は子供に対して怖い顔をしていたのかも……。これからは、忙しくても自分にとって楽しいこと、満たされる時間も作ろうと思った。
 
ちょうどその頃、私は幼稚園選びに悩んでいた。
プレ幼稚園は、野外保育で自然と触れる機会が多く、子供にとって良い環境だろうと通わせていた。親子ともに園を気に入っていた。だが、送迎は車で片道40分かかる。その時は週1日のみ送迎だったが、入園したら週5日通わせることができるか不安だった。
 
その理由は二つあった。
一つめは、送迎の往復時間が約1時間半であり、それを1日2回やる体力に自信がないこと。二つめは、車で送迎できるのが自分しかいないため、自分が体調不良時に登園できなくなってしまうことだった。
 
その園では、遠方から送迎しているお母さんは珍しくなかった。
周りのお母さんたちを見ていると、毎日のスケジュールをやりくりして楽しそうなのを見て、私にはできそうにないと落ち込んでいた。近所の幼稚園に通った方が私の体力的にも楽なのは分かっていた。登園日は余裕がなく朝から子供にイライラして怒っていることが多かったし、帰宅してからも疲れきっていたから。でも、その園を諦めてしまうのは自分の不出来を認めるようでつらかった。
 
自分が久しぶりにカラオケで歌ってみて分かったこと。自分が楽しくて満足感を感じると、子供にイライラすることが少なくなる。子供もそんな私を見て楽しそうにする。
 
それが分かって、幼稚園もその基準で選べば良いのでは? と思った。
私が心の余裕を持てるように、自分がご機嫌になるために。
 
それから、結局家から一番近い幼稚園に通うことに決めた。
 
今は入園して2年が経つ。子供は幼稚園に楽しそうに通っているし、私も満足している。相変わらず家事や育児で時々イライラしてしまうこともあるけど、そんな時こそ何がしたいのか、どうなりたいのか自分と会話をして自分の満足度を上げる。そうすると落ち着くのだ。
 
もし、家事や育児に疲れてしまった人がいたら「自分で自分のご機嫌をとること」を提案したい。
 
 
 
 
***

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2021-05-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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