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「たったひとつの正解がある」という名の麻薬


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ほーりー(「超」ライティング・ゼミ講座)
 
 
「こんな時代だからこそ、
大手に入社したほうがいいに決まってるでしょ」
 
 
「この資格をとっておけば、就職で絶対有利だよ」
 
 
「この投資なら、デメリットもないし絶対うまくいくよ」
 
 
若いときであればあるほど、
「正解っぽいもの」
が見えてくるとそこに
のめり込むのではないか。
 
かくいう私もそこで痛い目にあった一人だ。
 
あっけないほど残酷に
判断能力を失うものだ。
 
もしかしたら詐欺師に
だまさせる人はみんな
そんな感じなんだろうか。
 
高額な英会話教材を買わされたり、
就職や転職ではほとんど役に
立たない資格の勉強に
高額投資したりといったことである。
 
英語が話せれば、確実に稼げるようになる。
 
この資格があれば、
あの憧れの会社に就職できる。
 
 
稼ぐ方法も、
希望の会社に就職する方法も
無数にあるにも
関わらず、一つの正解を
見つけることに執着した。
 
 
「これさえやっていれば大丈夫」
そんな安心感だけを求めて失敗した。
 
私自身、37年間の人生で
数多く経験している。
 
この一つの正解を積み重ねていくこと。
それが自分の世界を
バラ色にすると信じて疑わなかった。
 
 
先日のある新聞記事。
 
2025年以降の大学入学共通テスト
で記述式導入を断念することに
なったとの報道。
 
 
その理由とは、
 
採点の正確性や公平性が担保できない
などの意見が大勢を占めたため。
 
試験である以上、シビアに結果を
数値化して合否を決めるのは仕方ない。
この理由は何となくわかったよう
でわからない。
 
自由記述式の問題だったら、
同じ10点満点でもいろんな回答がある。
多様性がある。この正確性や公平性を
担保できないということなのか。
 
おそらくだが、自由記述の採点コストが大きな支障になったのだろう。
 
受験生の多様な回答に同じ点数を
つけることで、公平性を説明することが
難しい場面も出てくるという
理由からだろうか。
予備校時代に経験した、
国公立大学向けの現代文の授業。
 
まさに記述問題をひたすら解く
ものだった。
 
予習も授業も常に頭がフル回転していて、
自分で答えを作っている感覚が
めちゃくちゃ楽しかったのを
思い出した。
そんな記述問題の醍醐味を受験生が
経験する機会がなくなるのは少し
残念ではある。
私たちは義務教育から、大学まで
テストといった類のものは、
(ア)~(エ)のなかで最も適切な選択肢を選びなさい。
といった問題を無数に解いてきたように思う。
 
明らかに間違った選択肢が入っていて、
二択まで選択肢が絞れるのになかなか
正解が導けない。
 
そのような形で歯がゆい思いをした
経験もみなさんにもあろう。
 
正解がひとつに決まるのは快感だ。
 
正解の選択肢があれば、
だれが見ても「これが正解」だと言える。
 
「あれでもない、これでもない」と
問い続ける必要はないのだ。
 
これ以上悩まなくてもいいと思い、
その先は考えなくなる。
 
選択肢が限定されていて、
それを選んで生きていく。
 
それはそれで幸せかもしれないが、
非常に視野の狭い人間を
作りかねないのではないだろうか。
 
だが教育を受けている間。
せいぜいこの少ない選択肢の問題を
無数に解くことになる。
 
それは知らず知らずのうちに、
たったひとつの決まりきった正解があると
思いこんでいってしまうこと。
 
「正解がこれだ」って100%
決まりきっていないと
気持ち悪く感じてしまう。
 
100%の正解の保証がないと、
行動できない。
 
麻薬の常習者がそれにとりつかれたように、
絶対の正解が見えてくるまで、動けない。
唯一無二の正解を見つかる快感が忘れられない。
 
かつての自分はそこに執着していた。
 
ところが社会に出てからは、
正解のないことだらけだ。
 
選択肢も自分で作っていかなければならない。
 
だれもその選択肢が正しかったか
どうかの採点もしてくれない。
 
この現実に気づかずに
社会に放り出され、失敗を
他人のせいにしてしまう
人間が増えてしまうのは、
仕方ないのかもしれない。
ひとりでも多くの人に読んで
もらえるコンテンツのある文章を書く。
 
自分が記事を書くときに
最も心がけていることだ。
 
そこには自由がある。
 
どんなテーマだったら読んでもらえるか。
 
書き出しはどうしたらいいか。
 
具体例やたとえはどんな書き方
だったらよいか。
 
 
目的のための正解は
ひとつじゃないことを前提に、
自由に考える。そしてアウトプットする。
 
これを繰り返していかないと、
簡単に人は騙されてしまう。
 
目の前に提示された少ない
選択肢を安易に選んでしまったり、
親しい周りの意見や反応だけで
重大な決断をしてしまったり
するのだ。
 
さまざまな価値観にふれて、
考えに考えて自分なりの答えを
だしていく。そこに自由があることに
面白さを見いだす。
「みんながやっているから」
「いまランキングで1位になっているから」
「あの有名人がススメているから」
 
そんな理由だけで自分なりの
正解を決めてしまうのは、
危険だ。その先に後悔が
待っているかもしれない。
 
もっと取りうる選択肢はないか。
自分なりの考えをとことん張り巡らす。
 
そうやって物事を自分で決めていくのは、
正直しんどい。
 
「これで正解だ」というのも
すぐにはわからない。
モヤモヤするし、失敗もする。
 
それでもいい。
後悔してもいい。
自分はこのやりかたで、
「たったひとつじゃない」正解を
作って、苦しみながら人生を楽しみたい。
 
 
 
 
***

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2021-05-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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