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道端に生えている臭い「アレ」を鼻につっこんだらすごいことになったという話

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:赤羽かなえ(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
フェイスブックで、その話を見かけた時には、うわっ、よくやるわ……とドン引きだったのだ。
 
すっごくスッキリする、と書いてあるけど、そんなモノ、鼻につっこんだら臭くてかなわないじゃないか。
 
でも、なんとなく気になってしまい、やってみたいという気持ちがムクムクと湧き上がってしまったのだ。
 
元々、私は副鼻腔炎持ちだ。季節の変わり目になると、花粉症と相まって、くしゃみがでる、鼻が詰まる、鼻呼吸ができなくて口呼吸になると喉が痛くなる、と三重苦なのである。
 
でも、そんな簡単な方法で、鼻をスッキリさせることができるなら、一度試してみたい。
 
そう思っていたら数日後、我が家に来た友人が、なんとその植物を花束にして持ってきたのだ。なんで、そんなものを花束にしてきたのか、ユニークな友人ではあるが、あまりにもタイムリーなプレゼントに驚いてしまったのだ。
 
もちろん、彼女には何も言っていない。
 
これが引き寄せの法則ってやつなのか。
 
これはやるしかない。やれということなのだ。
 
でも、まだ迷っている。ちょっと勇気が出ないのだ。
 
だって「どくだみ」だよ?
 
臭いでしょ。
どくだみの葉っぱを鼻につっこむんだよ?
想像するだけでおぞましいじゃないか。
 
とりあえず、読んだ記事ではよくわからなかった部分があったので、グーグル先生にもお伺いを立てることにした。
 
そうすると、信じられないことに、体験談がいくつかヒットする。
そしてみな一様に「すごい」と大絶賛なのだ。
 
やり方としては、まず、鼻に入るサイズのどくだみの葉っぱを2枚ほどとり、汁が出るくらいに、よくもむ。それを鼻の穴のサイズに丸めてつっこむ。
 
以上。
 
あとは、やるか、やらないかだ。
 
やるなら、今でしょ。
 
鼻の穴に入りそうな少し小さめな葉を2枚ほど、よくもむ。しかし、摘まれて時間がたっているせいかさほど汁はでない。そのせいなのか、あの強烈なにおいも気にならなかった。
 
鼻血の時などに詰めるティッシュのように、葉っぱを折りたたんでくるくる、とまるめる。
 
ええい、ままよ!
 
と鼻につっこんだ。
 
あれ?
 
ますます、香りは気にならなくなった。いや、むしろ、鼻から吸い込むとスッキリとした香りが鼻の奥に抜けて気持ちがいい。あんなに臭いどくだみのはずなのに、とても不思議だった。
 
これなら、いけそう。
 
反対側の鼻にも葉を詰め込む。
 
ティッシュのように息苦しくなることもない。葉だから適度な隙間があるからだろう。両鼻につっこんでもいい香り♡
 
グーグル先生によるとこのまま、10分ほど放置して、それから取り出すのだそうだ。
 
香りがクセになって、必要以上に鼻呼吸を繰り返した。
 
そうは言っても、最近の私の鼻は調子が良く、そんなに詰まっている感じもしない。
 
でも、気づいていないだけで詰まっている可能性もある。
 
実は、かつて副鼻腔炎の治療で鼻の粘膜をレーザーで焼いたことがあるのだ。その時にそれはもう衝撃だった。自分の鼻は、思ったよりも奥まで空気が入るということを知ったからだ。
 
物心ついたころから、鼻の奥にスペースがあるなんて知らずに生きてきたのだ。新しく付け替えたのではないか、というくらいに通りの良くなった鼻に戸惑うくらいだった。
 
もしかすると、今のこの状態も、私の鼻の新たな可能性を知らないだけかもしれない。
 
10分経つのが待ち遠しかった。
 
いや、10分かからなかった。なんだか、鼻の奥のほうにねちゃっとした塊が生成されるのを感じた。
 
マジか!
この絶好調に近い状態の私の鼻に、まだいらないものがこびりついているのか!
 
そしてにわかに右鼻だけが軽く詰まり始める。
 
私は、この鼻周りの変化にドキドキし始めた。グーグル先生でヒットした記事を見ると、成果のすごさは、さすがに写真にとれないほど、と言っていたが……
 
10分は経っていないかもしれないけど、待ちきれなくて葉を出してみる。
 
すると、ものすごい鼻づまりではないから引くほどの成果はなかったが、やはり取れるものがちゃんと取れたのだ。
 
これは、すごい。もうにおいも大丈夫なこともわかった。
とりあえず、もう一回やってみよう。
 
私の第二戦……ならぬ、第二栓が始まった。
 
しばらくたつと、右側の詰まっていた部分がゆっくりと変化していくのがわかる。そして、喉の奥にねっちゃりとした粘液が下ってくる感じがした。
 
いつもの鼻水のようなさらっとしたものではない。かなり手ごわい粘度を感じる。
 
第二栓を外した後も、鼻の奥から喉にかけて何度か粘度の高い塊が落ちていった。
 
どくだみ、かなりの効果あり!
 
私の人体実験は終了した。
 
いにしえの人の命をかけた、人体実証実験は本当にすごいと思う。
 
誰がこんな臭いどくだみを鼻につっこもうと思ったのか。
 
もしかすると、昔、ティッシュがもちろんなくて、紙も庶民には手が届かなかったときに、鼻が垂れる子はみんな、そこらへんに生える草を鼻に詰めていたんだろうか。

その時に、どうしても、周りにどくだみしかなくて、誰かが「ええい、ままよ」と思いながら鼻につっこんだのが、大発見につながったんだろうか。
 
初めて、鼻にどくだみをつっこんだ人とハグしたい気分だった。
名前も知らない勇者よ、私の副鼻腔は、あなたのおかげで、今、とってもスッキリした状態です……!
 
今の時代は、西洋医学の発達で薬もあるし、こんな知恵はいらないと言えばいらないのかもしれない。
 
でも、どくだみだけでなく、中耳炎にはユキノシタの汁を耳に垂らすとか、琵琶の葉や桃の葉を煮出したお茶を肌に塗るといいとか、先人が伝えてきた知恵は、本当はもっともっと沢山あるのだ。
 
もしかすると、どこかの庭や、近所の川辺は、無料の薬箱だったり、無料の畑になるのかもしれない。
 
そんな目で自分の家の周りを歩いてみたら、ほら、いつもの景色がもっと愛おしくなる。
 
 
 
 
***

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2021-05-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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