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深夜のたまり場になるジグソーパズル


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ebikawa(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「おめでとうご散います!」
最後の1ピースをはめると、シャララーンという音とともに、こんな怪しい日本語が表示される。私が最近よくプレイしている「Puzzle Together」というオンラインで遊ぶジグソーパズルゲームだ。
 
私は謎解きやゲームは今でも好きだが、単純なジグソーパズルとなると子供の時に遊んだきりで、これまで随分とご無沙汰だった。そんな私が今「Puzzle Together」を始めて、ジグソーパズルのシンプルな面白さに夢中になっている。
 
そもそも、リアルでジグソーパズルをすると、とかく面倒である。
まず、狭い部屋の中では、やりかけの状態で何日も置いておくのは困難だ。2000ピースもの大作ともなると、およそ1メートル✕70センチもの大きさになるので、それなりの覚悟やスペースがないと挑めない。数が多くなるほど、ピースも失くしやすい。完成した時の達成感はいいが、それをどう飾ったらいいのかも迷ってしまう。
 
それらの問題を解決するのが、パソコンの画面上でプレイするオンラインジグソーパズルだ。
「Puzzle Together」の画面は、あたかも実際のパズルのように、机の上にパズルの箱とピースが乱雑にちらばっている。ただし机の面積は無限なので、どんなに散らかしてもピースを床に落として失くすことはない。絵はデータとして保存されるので、場所も取らない。
そして、パズルを愛するスタッフの努力の結晶なのか、ピースの厚さや箱の質感、パチッと嵌めた時の爽快感はしっかり再現されていて、デジタル化した際の違和感も極力なくしている。
さらに「エッジの部分だけ集める」「同じ色を集める」といったデジタルならではの便利機能もついているので、その気になれば楽に進めることもできる。
まさに夢のようなジグソーパズル環境なのだ。
 
たまに「おめでとうご散います!」のように日本語表示が怪しいところがあるが、そこは米国で作られたインディーズゲームなので、多少の日本語の間違いは、もはや一種の趣深さと思いたい。
 
「Puzzle Together」の魅力は、これだけに収まらない。「Together」の名を冠する通り、友人と一緒に遊べるマルチプレイに対応していて、10人までなら1つのパズルを同時に進めることができる。しかもテキストチャットもボイスチャットもついているので、ゲームを通して会話もできる。
 
ジグソーパズルというと個人で黙々と進めるイメージがあり、あまり他人と楽しむイメージはなかったのだが、「Puzzle Together」を友人と遊んでみて、ジグソーパズルは作業分担して進める立派な協力ゲームにもなると感じた。
しかもこのゲームは、現在のコロナ禍における友人とのコミュニケーションにぴったりなのである。
 
「Puzzle Together」は、一度パズルのルームを立ち上げれば、好きな時に出入りができる。立ち上げた人が必ずログインし続けている必要もない。そのため、ルームを立ち上げて友達数人とパスコードを共有しておけば、いつでもそこをふらっと立ち寄る「たまり場」にすることができるのだ。
 
2000ピースの規模になると完成するのに数十時間がかかるので、数週間にわたって挑むことになる。一度に集まってしゃべりながら進めるのも楽しいが、「たまり場」状態にして、それぞれが好きな時にログインし、思い思いに進めるのがとても気楽でおすすめだ。
 
私の場合、独身・独り暮らしで、そのうえリモートワークなのでほとんど人に会わない日々が続いている。
たとえば平日の夜、私が寝る前に「Puzzle Together」を立ち上げて進行中の2000ピースのパズルを開くと、そこには友人がすでにいて、黙々とパズルを進めている。
ボイスチャットで話しかけることもできるが、特に用件がない場合は話しかけない。それでもお互い別々の作業をしているので、沈黙も気まずくはない。たまに、うっかり友人の進めている部分の邪魔をしてしまったときなどは、テキストチャットで「ごめんw」と謝る。
音楽をかけたり、ラジオを聴きながらのんびりと自分のペースでパズルを進め、たまにゲームからはパチ、パチ、と私以外の人がピースをはめる音が聞こえる。自分以外の誰かの存在をうっすらと感じられるのは心地よい。
そしてしばらくして眠くなったら、チャットに「おやすみー」とだけ打ちこんでゲームを終了する。
 
通常、友人とオンラインで遊ぶとなると、Zoom飲み会をしたり、時間を決めてアクション系やコミュニケーション系のゲームをしたりすることが多い。それも楽しいが、平日に気軽には開催できないし、あまり何度も続けて参加すると疲れてしまう。
自分の好きなタイミングでふらりと訪れて、何をするでもなく、人と空間を共有したい。ただ、無言で同じ空間にいるのは手持無沙汰なので、なにかしら単純な作業がしたい。「Puzzle Together」はそんな気持ちにぴったり寄り添うゲームだ。
 
他に「Puzzle Together」では、世界中の人が立ち上げた公開ルームに自由に参加することもできる。名前からロシア人や中国人と思しき方々と一緒にパズルをしたが、会話も必要なく、難しいルールもないので気楽に楽しめる。家にいながら、そんな見知らぬ海外の「たまり場」に飛び込むこともできるのだ。
 
こんなにいろいろな遊び方ができるジグソーパズルゲーム「Puzzle Together」は、なんと基本無料だ。追加で1ドル払えば、自分の好きな写真をパズルにすることもできる。私は課金して、友達の猫の写真を1000ピースのパズルにさせてもらった。ふわふわの毛や、やわらかそうな肉球の部分などを組み立てていくのは、別の意味でも癒しがある。
 
2020年12月にリリースされたばかりのゲームなので、深夜にふらっと立ち寄る「たまり場」がほしい方はぜひプレイしてみてほしい。ジグソーパズルのシンプルな面白さと、気を使わない他者の存在による心地よさを実感できるだろう。
 
 
 
 
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この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2021-05-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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