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くじ引きで得られるものは色々ある


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くじ引きで得られるものは色々ある」
記事:小林海 (ライティング・ゼミ超通信コース)
子供の頃、夏になると近所の商店街でくじ引きがあった。
茶色で八角形でハンドルがついていて、回すと色のついた小さな玉が、一つずつ出る仕組みのものだった。
 
景品は商店街で使える金券であった。
一等は白色で壱万円分、二等はピンク色で五千円分、三等は黄色で千円分、四等は緑色で百円分、五等は紫色で五十円分、赤色は十円分でほとんどが赤色だった。
1回くじを引くのに商店街で千円分の買い物をする必要があった。期間は2週間ぐらいだったと思う。
当時、我が家や、周りの家の買い物の多くは、近くのスーパーを利用していたので、なかなか多くの福引券を集める事は出来なかった。
特に子供の自分達は、こずかいで買うお菓子やジュースでは福引券はもらえなかった。
なので床屋に行って、やっと1回分手に入れていた。父親が床屋に行くと2回分が手に入ったのはかなりの収穫だった。
後は母親が商店街では買い物をした時に、数回分を手に入れていた。だから、毎年4~6回分ぐらいの福引券を手に入れていた。
そして、くじ引きの結果は、ほとんどが赤色の玉で、たまに紫色、そして、本当にたまに緑色の玉を引いていた。
三等以上は鐘が鳴って、二等以上は当選者の名前も張られていた。
子供の頃の自分は(いつか鐘を鳴らしたい、そして名前も張られたい)と思って、毎回ワクワクしていた。
 
小学校6年生の夏休み、近所のおばさんから呼ばれて家に行くと、六回分の福引券をもらった。
普段から何かと面倒をみてくれているおばさんで、ちょうどそこの家の子供が田舎に行っているから、代わりに頑張って当ててと言われた。
 
その年、我が家は五回分を手に入れていたので「合わせて十一回くじ引きが出来る!」
「よし、これで鐘をならせる事が出来る!」とかなりテンションが上がった記憶がある。
 
でも、実際には十回以上、くじ引きを引く人は割と多くいたから、ただ単にいつもより確率が
倍ぐらいになっただけで、全体の確立からしたら、対して良くなってはいないのは何となく分かっていたが、何としても鐘を鳴らしてみせると思い、作戦を考える事にしたのだった。
 
(まずは狙いだ、鐘を鳴らす為には三等以上だが、せっかくなら名前も張り出してもらいたい、やはり狙いは一等の白か!)と思ったが、いやそれは結構難しいと考え直して、(二等のピンク色を狙おう!)と真剣に考えた。
 
この狙いをつけるのが非常に大事だと思っていたのであった。
 
なぜなら、くじ引きを引く期間中は毎日、中身を入れ直しているのを知っていたからだ。
それは単に興味をもっていて、以前に聞いた事がある為だったが、今思えば、これは自然に行っていた重要な情報取集だった。
 
そしてくじ引きが行われ始めた1週間の最初から観察を始めた。
夕方近く、くじ引きが終わる1時間ぐらい前の午後五時に行って、その日の二等の出た数を確認したのだった。
そう、くじ引きが行われている期間は二等以上は名前が張られているから、毎日観察していれば
その日に、二等が出た回数が分かるのだった。
 
五時までに、二等が多く出た日は並ばないと決めていた。
確か、出た数も決めていたと思う、それ以上出た時は二等が当たる確率が低いから、その日は
やらない事も決めていたのだった。
 
それは最終日の日曜日まで続いた。
その日の午後5時に観察しに行くと、いつもより二等が出ていなかった、(よし良いぞ!)と思い、並ぼうと思った。
(しかし、待てよ、もう少し様子を見よう)と思った。
せっかくいつもより多く、二等のピンク色の玉が、まだ八角形の中に入っているのだから、もっと確率があがるように他の色が出るの待とうと、思ったのだ。
 
これは、良いアイデアであるのだが、目の前で二等を他の人に出されてしまう可能性がある、なにせ、いつもより高確率の状態なのだから。
 
(ピンク色は出るな)、(そろそろ並ぶか)と二つの思いを繰り返しながら、くじ引きの様子を見ていた。係りの人はその様子を不思議に思って「何で並ばないで見てるんだい?」と言って来る人もいた。自分は11回分のくじ引き券を片手に握りしめながら真剣な顔で見ていたから無理も無い。
 
そうして、見ているうちに「あっつと!」少し歓声が上がった。
 
黄色い玉が出ての皆の反応だった。少しして鐘が鳴った。
「おめでとうございます!」、「三等です!」と係りの人がメガホンを片手に声を上げた。
 
(よし、今だ)と思い、くじ引きの順番待ちの列に並んだ。
十人ぐらい並んでいての一番最後に並び、鐘が鳴らない事を願いながら自分の番が来るのを待った。
 
そして、鐘が鳴らないままで、自分の番が来た。
くじ引き券を係りの人に手渡すと「はい、十一回ね!」と他の人の時より大きな声で言ってくれた。ついさっきまで、近くでじっと見ていたのを知っていたからかも知れない。
 
そして、黒いハンドルを握って茶色で八角形のくじ引き機を回し始めた。
1個目は赤、二個目も赤、それが続いて5個目は緑、ここで、一呼吸した覚えがある。
六個目は赤、七個目も赤、八個目、九個目まで赤が続いた。ここでも一呼吸した事を覚えている。
そして(あと二回か、次で出したいな)と思った。最後の一回の前が良いと思った。
 
そしてゆっくりと回して、十個目。
 
ピンク色の玉がポトリと出た。
 
鐘が鳴るのと同時に「おめでとうございます! 二等です!」
 
最後は赤色だったので五千百九十円分を手に入れたのだが、それをどうしたのかは全く、覚えていない。
 
それよりも、思い通りに当てた事の喜びを良く覚えている。
 
この経験はその後、何をするにも情報収集と楽しみながらの工夫は大事だと思う事に、非常に役立ち、自分なりに色々と当たりを引いている。(自己満足だけの場合が多いが)
 
 
 
 
***

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2021-06-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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