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「未来の自分へ」自分宛ての手紙が教えてくれたこと


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記事:えんどうみき(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「次の一歩を進んだ未来の自分へ」
 
何年後か分からないけれど、この手紙を読める日が来ているのであれば、とても嬉しいです。今の自分のモヤモヤからは脱却した未来があると思うだけで安心できます。思い出してくれて、読んでくれてありがとう。
 
書いている今は2018年。
あなたが生きる世界は、今から何年経っていますか?
 

 
2021年6月。
私は、やっと「時」が来たことを嬉しく思いながら、封筒を開けた。
そして、「今は3年後。2021年だよ」とつぶやきながら、読み進めた。
 

今のあなたはどこで何をしているのでしょうか?
気になる気持ちを持ちながら、未来のあなたへ手紙を書いています。
 
今の私は、「今の会社で働き続けていいのか?」と不安な気持ちを持ちながら働いています。入社して半年。入社前には聞いていなかった夜勤・シフトありの業務。1秒の遅延が命取りとなる胃がキリキリする仕事に対して、「私がやりたかったのはこの仕事?」と疑問を抱いています。
 

あの頃、そんな思いを抱いていたな……。
手紙を一度、机の上に置き、目を閉じると入社直後のことが思い出された。
 
私の入社後の最初の配属は、支社の中でも過酷で離脱者が続出するプロジェクトだった。わたしの前任は、3日で飛んだと噂を聞くプロジェクト。少し震えながらジョインした。教育よりもまずは「やって慣れろ」が、第一のプロジェクトの方針だった。他の人と同様、慣れるまでが本当に辛く、一度は突発性難聴になり、左耳が聞こえない時期もあった。
 
入社前に語っていた働き方とは、正反対の日々。
「なんで? こんなことに?」と思う毎日が続いていた。
 

「数年後もこのまま、今の仕事を続けているのは違う」
それは自分の中で既にわかっています。
 
でもね、「じゃあ本当はどうしたいのか?」を問われると本当にわからないの。
 
違うのはわかるけれど、私の正解がわからない。
そんな日々が続いています。
 

そうそう、そうだった。
「ここに居るのは違う」ことは入社1年目の自分でもはっきりと自覚をしていた。
しかし、私としての「次の一歩の進み方」がさっぱりわからなかったのである。
 
わからないからこそ、今いる場所で耐えることしかできなかった。耐える以外の選択は、間違いであると思い込んでいた。
 

一歩進んだ自分。どうしたらいいの? 答えを教えてよ。
未来の自分の言葉がほしい。
答えを知っているなら教えてよ、お願い。
 

答えがあるなら、知りたいよね。そうだと思う……。
過去の自分の言葉に共感しながらどんどん読み進めた。
 
配属された当初、誰にも言えない気持ちを手紙に書くようにしていた。なぜならば、自分の思いの吐き出し口がなかったからである。会社の同期も、大学時代の同期もそれぞれが新しい環境で頑張っている。邪魔したくない気持ちがあった。また、弱音しか出ない自分を隠したかったのもある。だからこそ唯一、未来の自分になら素直な気持ちが出せる気がして、事あるごとに未来の自分にあてて手紙を書いていた。
 
その未来の自分にあてた手紙のひとつを今、読んでいる。
理由は、自分が進みたい道を決めきった上で、最近会社をやめたからである。「これでいい」と確信を持ちながら、次の一歩を進んでいると思えたからであった。
 
それにしても、過去の自分に答えを伝えるとしたら何という?
「意外と難しい……」と思う自分がいた。
「答えられないかも、ごめん……」と思う自分も出てきた。
 

困らせちゃったかな?
でも、これが今の自分の素直な気持ち。
 
今の私はどれだけ考えても、どの選択がいいのかはわからない。でも間違いなく決めているのは、未来のあなたが喜ぶ選択をし続けるよ。だから安心して。
 
ただただ、あなたの幸せを願っています。
 

困っているのバレた……?
よく自分のことわかってるじゃん、過去の自分。
そして最後は、未来の私の気遣いまでしてくれている……。優しいな。
 
読みながら、過去の自分の優しさにほっこりした。恐らく、手紙を保管していた数年の期間を通して、自分の言葉が他人の言葉のように客観的に聞こえる状態になっていたのだと思う。だからこそ、自分の言葉を通して自分の良さに自然と気づけたように思えた。また、過去に友人が伝えてくれた「あなたって優しいよね」という言葉が、「こういうことか」と不思議と納得してしまった。
 
「私って優しいじゃん」と附に落ちたのである。
 
最初、未来の自分に手紙を書いたのは、誰にも言えない思いを唯一伝えられるとしたら、未来の自分だと思ったからだった。未来の自分になら、不安も悲しみも、残念さも、どうしようもなさも、素直に伝えてもいいと思ったからだった。
 
確かにそうだった。それから数年後、手紙を受け取ったことで過去の自分の気持ちに改めて寄り添うことができた。もう一度、気持ちを味わうことができた。
 
しかし、それだけではなかった。
過去の自分から、未来の自分に手紙を書くことは、自分がどんな人間なのかを自分で知る機会になると気づいた。自分の良さに自分で気づけるツールが、手紙だと知った。
 
手紙の内容、言葉の選び方、口調、気持ちや気遣い、応援メッセージから、自分自身の素敵な人柄が見えてくる。手紙を通して、自分の素敵なところに気づける。納得できる。自分を肯定できる。手紙って最高のツールじゃないか。
 
さあ、今の私は、会社をやめた節目だ。未来の自分に手紙を書こう。
 
未来の自分がまた、過去の自分の気持ちに寄り添えるように。
自分の良さに、自分で気がつけるように。
 
 
 
 
***
 
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2021-06-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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