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運動嫌いな私がなぜ運動を続けられるようになったのか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岡田ゆかこ(ライティングゼミ・日曜コース)
 
 
「運動するのは好きですか?」
そう聞かれたらあなたはなんと答えるだろうか。
 
私は、小さい頃から運動嫌いだった。
幼稚園時代は公園で遊んだ記憶がほとんどなく、家で遊んでいた記憶しかない。
 
小学生の時は、体育の通知表はいつも2か3だった。3でも2寄りの3で、私の一生懸命な性格に免じて先生が3にしてくれた。
 
6年生まで水泳は5mしか泳げず、親に懇願してスイミングスクールに通わせてもらった。一番下のクラスに振り分けられ、1年生の子と一緒に泳ぎを教えてもらい「どうしてお姉ちゃんは6年生なのに、私たちと一緒に泳いでいるの?」と質問されて穴に入りたいくらい恥ずかしい想いもした。(恥ずかしいという気持ちがバネとなり、泳げるようにはなった。)
 
小学生の間に自分は運動苦手、運動音痴だと自覚するのには十分だった。勉強はやったらそれだけの分できるようになったが、運動は勉強の何倍も努力しないとできなかった。だから運動は嫌いになった。
 
中学生の時は、体育の授業が毎回憂鬱だった。
マラソン等の個人種目の順位はいつもビリに近かった。それでも個人種目は自分が恥ずかしいという気持ちを飲み込めば誰にも迷惑をかけないのでまだ良かった。
 
それが、球技等の団体競技になると話は変わってくる。
私はバレーボールの授業で、ボールを落とさないようにトスすることができず、ミスばかりした。そのことが原因で変なあだ名をつけられからかわれた。私は適当にやっているわけでもさぼっているわけでもなかった。自分なりに頑張っているのに同級生たちは理解してくれないのが悲しかった。
 
運動が嫌いな事にトラウマが加わり、運動はマイナスイメージしかなくなった。
 
それから、大人になってからもずっと運動したくない気持ちは続いた。スノーボードやゴルフに誘われる機会があっても、「動くのは好きじゃないから」と断っていた。
 
ところが、あるきっかけで私に変化が訪れた。
 
出産してから、とある子育て講座に参加した時のことだ。その講座で親子の身体のケアを教えて頂く中で、母親の身体の柔軟性チェックがあった。指定されたポーズをして、どのくらい柔らかいのかを%で採点される。私はその中で最低の0%だった。周りの人は低くても10%とか20%くらいはあった。
 
身体が硬いのは十分自覚していた。
だが、0という数字を耳にしてショックを受けた。0という数字は、「あなたは論外である」と突き付けられたような、そんな感覚だった。今までビリに近いことはあっても、完全にビリだったことはなかった。今まで感じたことのない、ビリから脱却して見返したいという気持ちが湧いた。絶対に自分の身体と向き合って変わろうと誓った。
 
それから講座で知ったセルフケアをするようになった。毎日少しずつケアをする中で身体が変わっていくのを感じた。いつもは子供と公園に遊びに行き、帰宅後横にならないと疲れが取れなかった。それが、帰宅してすぐ台所で夕食を作れるようになった。
 
この「身体が変化した感覚」が楽しくて、もっと自分の身体を整えたいという気持ちがわいてきた。その気持ちの赴くまま、新幹線で東京や大阪までいろんなメソッドを勉強しに行った。身体を整えることができるエクササイズをGoogleで調べてピラティスに辿り着き、スタジオに通うようにもなった。
 
数年経ち、気がつけば小学生からの超合金のような肩こりが改善し、O脚も治っていた。今では「身体が柔らかいですね」と言われることが増え、「柔らかくなったのは、ここ数年です」と答えると驚かれるようになった。
 
あんなに動くことが苦手で嫌いだった私が、いつの間にか運動している事に自分でも驚く。
 
この出来事を通して分かったことが2つある。
1つ目は、苦手意識があることでも自分のテンションが上がるポイントがあれば長続きするし、好きになるということだ。過去の経験から身体を動かすことはやればやるほど疲れるし、面倒くさいと思っていた。でも、セルフケアや身体が整うエクササイズを学んでから身体が疲れにくくなったおかげで、自分がやりたい事をやれる時間が増えた。おまけに姿勢やスタイルまで変わった。気分が上がることばかりだったので、続けられたし好きになったのだ。
 
2つ目は、比較対象が変わったことだ。運動が嫌いだった頃は、自分と他人を比べてばかりいた。あの人はどうして簡単にできて、私はどうして努力してもできないのか。それを考えれば考えるほど、自分のことを否定して自信がなくなった。
 
それが、運動が好きになる過程で比べる対象は過去の自分になった。過去の自分よりも今が良くなっていれば、成長を感じられる。さらにもっと良くなりたいという気持ちが生まれる。
 
「身体の変化した感覚」が楽しく感じるのは今も変わらない。もっと探求したいのでピラティスインストラクターを目指しこれから勉強する予定だ。インストラクターといえば、運動が得意な人というイメージがあるだろう。私はそうではないが、私は私。他人と比べず、過去の自分と比べてマイペースに楽しみたい。そして、私と同じように運動に苦手意識がある人の力になりたいと思っている。
 
 
 
 
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2021-06-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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