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人生に窮した時こそ「欲」が優秀な燃料になる


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記事:晏藤滉子(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
神様は私のこと嫌いなんだ……。
 
15年程前、私は人生最悪の時期だった。
自分の弱さを吐露することが出来なかった私は、人の中にいてもどこか孤独だったし、周囲が全て敵に思えていた。
 
当時の私は、無気力に支配されていたと思う。
怒りや悲しみとか感情の波が押し寄せる訳でもなく、漂うかのように静かで……生きているのに心は死んでいたのだろう。このままじゃいけない、もう前を向いて歩いて行こうと頭では分かっていても、心や身体がついてこない。
私はそんな自分を持て余していたのかもしれない。
 
そんな時期、私はある決意をした。
「3ヶ月間、自分のやりたい事をしよう」。
 
あまりにも無気力だった私は、3ヶ月以上の未来は到底考えられなかった。
その先の事なんてどうでもいい。とにかく3ヶ月の間好き勝手に自分の為に生きてみようと覚悟を決めた。
 
「私の欲」にまみれようと、心の中で決めた。
 
私が最初にしたことは「土鍋」でご飯を炊き、昆布と鰹節で出汁を丁寧にとってお味噌汁を作ること。丁寧な生活をしたかったのだ。天井に届くような大きな観葉植物を置き、部屋を好みに整え、私の快適な巣作りを遂行した。そして興味が湧く講座や勉強会など、ピンときたものには躊躇なく申し込んだ。
 
当時を思い返せば「欲」に忠実に従ったことで、私はやっと生気を取り戻し、歩き出す事が出来たのかもしれない。
 
「欲」というものは、一般的に悪と捉えられている。
物欲、食欲、色欲、欲深いとか……ギラギラしていて周囲から忌み嫌われるイメージがある。
 
昔ばなしでも、「欲深爺さん、婆さん」は絶対的な悪役で、残念なラストを迎える事が殆ど。「清貧でも真っ当に生きていれば最後は勝つ!」なんて、古今東西好まれる王道のストーリーだ。
 
ただ、「欲」とは本来人間らしい心の動きであり、行動を促すものだ。
 
人生の中では、誰でも挫折したり凹んだりする時がある。
 そんな時は心も荒んで、ささくれ立っているのだろう。
 
 もう馬鹿にしないで!
放っておいて!
 
頭の中のノイズは雄弁であるにも関わらず、生身の身体は膝を抱えてうずくまっている。そんなカオスな状態に陥りがちだ。
 
そんな時、救世主は「自分の素直な欲」なのかもしれない。
 
どん底から這い上がるには「使命感」「正義感」ではまだまだ力不足。
谷底から 這い上がるためにはコッテリ濃い燃料が必要だ。
 
「モテたい」「お金がほしい」「キレイになりたい」
「美味しいごはん食べたい」「見返したい」……
 
「堂々と口に出せない欲」も、生命力が堕ちきったタイミングでは有効な燃料になるものだ。
 
堕ちきった時専用のコッテリ濃い燃料。 それが悪役な「欲」のもう一つの顔なのだろう。
 
ただ、「欲」という燃料は、持続することはない。
あくまでも初動時の燃料としては力強く優秀なのに、順調に走り始めたらトラブルを招きやすい。
 
劣化しやすいし、燃費が悪くガス欠を起こしやすい。
時には有毒の排ガスも周囲にまき散らすようになってくる。
そして何より「欲」だけでは……心が虚しくなるのだ。
 
「自分は一体どこへ向かいたいのだろう?」
多かれ少なかれ、そんな壁に突き当たるのかもしれない。
 
「欲」で虚しさを感じ始めた時、「使命感」や「自分にとっての正義」という純度の高い燃料が交換のタイミングを待っている。
 
人間は車と違い、一つの身体で燃料を変える事が出来る。その切り換えのタイミングは本人の意志次第なのだろう。
 
私自身、生きることに窮した時「欲」を燃料として選択した。
 
当時はその意図を深く考える事もなかったが、今では分かるような気がする。
気力が墜ちた状態では「使命感」「正義」など高純度の燃料を、心と身体は受け付けなかったのだろう。
 
自分を満たす経験があってこそ、「さぁ、自分は何処へ向かいたいのか」の段階に入る。私自身はここに5年程かけているが、それが長いか短いかは正直分からない。「自分は何をしたいのか」「何を大切にしたいのか」をずっと自問自答し、自分の本音と向き合い、行動に移してきた。
 
3ヶ月間自分のやりたい事をしよう、から始まった自分との約束ごと。
それは、半年、一年と更新し……いつの間にか15年も経っていた。
 
当時は「神様は私のこと嫌いなんだ……」と失礼な悪態をついたものだ。
とは言え、この経験を通して、仕事や人間関係など多くの良きことを得たと確信している。そう思うと、神様から嫌われているどころか、「神様からのギフト」を貰っていたのだろう。
 
私は神様から結構可愛がられているのかもしれない・・・・・・やっと気づいたのだ。
 
 
 
 
***
 
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2021-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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