メディアグランプリ

将来が不安なら、とりあえず虹を描け

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:射手座右聴き(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
「将来が不安で」
最近増えている相談がこれだ。
先行き不透明な時代、無理もない。
 
正直なところ、私だって不安だ。
どうなるか、わからない。
 
53歳。零細の広告制作会社経営。
所有資格、運転免許、キャリアコンサルタント。妻一人。子供なし。
 
仕事は何歳までできるのか。
この先、収入は増えるのか。
体力はどうなのか。
妻との関係はどうか。
 
わからないことだらけだ。
 
でも、キャリアコンサルタントの資格はある。
そして、そんな私に、相談に来てくださる方がいる。
 
「将来が不安です。どうしたらいいでしょうか」
話を聴くことも大切だが、その前にお願いをする。
 
「すみません。虹を描いてもらえませんか」
 
虹、と言っても
雨の後には虹がでる、みたいなポエムではない。
 
極めて現実的な虹だ。
現実に向き合うための虹だ。
 
その相談者さんは、興奮した口調で話し始めた。
 
「いやあ、描いてみたら、自分がよくわかりました」
 
彼女はさらに続けた。
 
「私、そんな働きたくないことがわかりました」
どんどん話す。
「働くよりも、趣味にもっと時間を使いたいんです。
というか、趣味のための働いているんだなと思いました」
 
私はその勢いに押されながら聞く。
 
「趣味のために働くってどういうことですか」
 
彼女は続ける。
 
「趣味のフラダンスをしながら、最低限食べていけるお金が
あればいいんです」
 
「そうなんですね」
 
「かなりすっきりしました。ありがとうございます」
 
彼女のキャリア相談は、相談する前にほぼ終わっていた。
 
私が彼女にお願いした虹は、キャリア理論の虹。
 
ライフキャリアレインボーという理論だ。
 
どんな人でも、7つの役割がある、というものだ。
紙とペンを用意して、あなたの役割を書いて欲しい。
 
たとえば、生まれてすぐに「子ども」 という役割ができる。
この役割は、親御さんがいる限り続く。
最初は育てられる存在として。いつからか、親御さんを助ける存在になる。
 
次の役割は、「学生」。
高校、大学、大学院くらいまで続く。
生涯学習が言われる今、学び直しをしている人もいるだろう。
あなたは今、どんな状況だろうか。
 
三番目は、「余暇を楽しむ人」。
子どもの頃は遊び、だんだん趣味になり、これは一生続いていく。
 
四番目は、「市民」。
住んでいる地域に何らかの貢献をしているだろう。
ボランティアだったり、催し事の手伝いだったり、消防団なども
あるかもしれない。
 
五番目は、「職業人」。
文字通り、仕事をする人だ。20代前半から定年まで続く。
人生100年時代になると、もっと続くかもしれない。
 
六番目は、「配偶者」。
結婚したら、この役割が発生する。
 
七番目は、「家庭人」。
親としての役割や、家事をする人、という役割だ。
 
この七つの役割を考えてもらい、
それに費やす時間を計算してもらう。
 
いままで見えなかった自分が炙り出される。
 
仕事に振り回されている人、趣味優先の人、
家庭人の部分に時間を使っている人、
夫婦の時間の少なさにドキッとする人、地域に居場所を作れている人、
親のケアをしなきゃしなきゃと思っているのに腰の重い人、
忙しくて勉強を怠っている人。
 
様々な自分の現在がわかる。
 
ワークはこれでおわりではない。
10年後の自分、を予想して描いてもらうのだ。
 
仕事は続けていたいか。趣味はどのくらいハマっているか。
子どもが巣立ったら家庭の負荷は減っているかもしれない。
親のケアがますます必要になっている場合もある。
今のところに住み続けるのか引っ越すのかで、地域との関わりは
変わってくる。
勉強して新しいスキルを身につけようとしているかもしれない。
 
さて、10年後、どこに多くの時間を使いたいか。
 
こうやって見ていくと、虹はみるみるうちに
くっきりと自分を見せてくれる。
 
今の自分と10年後のなりたい自分。
 
2つの虹を見ながら、あなたは2つの現実を見る。
 
今の自分が何を大切にしているか。
 
本当の自分が何をやりたいと思っているのか。
 
2つの現実を知ることで、自然と次にやることが見えてくる。
 
10年後、もっと仕事をしたいから、勉強する、という人もいるだろう。
10年後、子育てがおわったときに備えて、仕事ができるように準備する、という人もいるだろう。
10年後、定年に備えて、会社以外のネットワークを作ろう、という人もいるだろう。
 
そう、2つの虹から見えた目標に向かって行動することが
できるようになるのだ。
 
人は、将来がわからないから、不安なのだろうか。
いや、誰だって、将来なんてわからない。
ましてや、この時代だ。
わかるわけがない、とすら思える。
 
と考えてみると、だ。
「将来の不安」 の正体は、将来、ではないのではないか。
 
不安なのは、「自分がやりたいこと」 がわからないからではないか。
 
虹を描いて笑顔になる人は
やりたいことを見つけた人、本当の自分が何を考えているか
知った人ではないか。
 
心の曇りをざあざあ雨のように書き出してみて。
 
そのあとに、きっとあなたらしい、虹がでるはずです。
 
さあ、あなたも私と一緒に虹を描いてみませんか。
 
 
 
 
***
 
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2021-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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