メディアグランプリ

「すぐに」「はやく」「まだか」が人の力を奪う

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:川島進一(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「すぐに」「はやく」「まだか」
毎日がこの言葉で埋めつくされているように感じます。
 
いつでもどこにいても、一瞬で人とつながることができるようになりました。
ネットで注文した商品は、その当日に受け取ることもできるという速さです。
 
テクノロジーの進化によって、そうした状況はさらに加速し、
「待たなくてもよい社会」
「待つことが出来ない社会」
「待たせることが許されない社会」
になっています。
 
「待つことは悪」というイメージさえあるように感じます。
 
もちろん「早い」ということに価値があることは間違いありません。
「speed is power」を企業理念にかかげている会社も少なくありません。
 
ただ、それによって、何かが失われているようにも感じます。
それは何なのか。
 
職場を見渡すと、
何かに取り憑かれたように、
動き回っているメンバーがいます。
 
次から次へと舞い込む仕事をスピーディーにこなし、
一見すると充実した会社生活を過ごしているように見えます。
 
ただ、そのメンバー自身の口から出る言葉は、
「毎日、何をしているか分からない」
「自分をすり減らしているような感覚」
「焦りばかりが大きくなっていく」
といった、充実とは全くかけ離れた言葉ばかりでした。
 
常に何かに追われ、考える時間がないと。
 
 
このままでは危険だと思い、「立ち止まる」時間を持つために、
これまでの仕事の結果、仕事のプロセス、あるいは今、抱えている仕事などを一緒に「点検」してみることにしました。
 
その結果、「時間がない」という状況を生み出している原因がいくつか明らかになりました。
そのなかでも、影響が大きいと考えられる原因は以下の3つでした。
 
①この仕事のゴールは何かを考えたうえで着手していないこと
よく言われる5W1Hです。さすがに「いつまでに」ということを意識せず仕事はしていませんでしたが、「誰の」「何に」「どうやって」は完全に抜け落ちていました。
 
②事実と主観を分けていないこと
「これは事実ですか?」という問いに対して「そうです」と一旦は応えるもののも、さらに「本当ですか?」と問うと「◯◯だと思います」という言葉が頻発。相手がいる場合の仕事でも、自分の主観で仕事を進めていることが明らかになりました。その理由を聞いてみると「確認する時間がなかったので」と。
 
③自身の抱えている仕事の量と質を認識していないこと
その瞬間に抱えている仕事の「量」と「性質」を整理しないまま、仕事をしていました。すなわち、
・どの程度の時間を要する仕事なのか
・定型的に対応可能な仕事なのか
・非定型な対応が求められる仕事なのか
・一人でできる仕事なのか
こうしたことを事前に整理しないまま、とにかく闇雲に仕事をしていました。
 
いずれも仕事をするうえで当たり前と言えるものばかりでしたので、
話を聞いてみました。
そうすると、本人もこの原因を十分に認識していました。
 
それでは、なぜ「何をしているか分からない」という状況に陥ってしまったのか。
 
そのメンバーが「点検」中に何度も口にしていたのが
「すぐに」「はやく」「まだか」
という言葉でした。
 
この3つの言葉が絶えず、頭の中でまわり続けていたようです。
 
その後、具体的な仕事を題材に、
①仕事のゴールの確認
②事実と主観の整理
③仕事の量と性質の整理
という3つの観点で仕事の棚卸しを行いました。
 
その結果、大半の仕事は、そのメンバーが担う必要のない仕事であったということが判明しました。そもそも、必要のない仕事すらありました。
 
この結果が明らかになったあと、
そのメンバーと「ゆっくり」と振り返りを行いました。
 
「いつからか、自分の中に常に何かに追われている様な感覚が生まれ、それが日を重ねるごとに大きくなってきました」
「こんなはずではないと思いながらもますます泥沼にはまっていきました」
 
この言葉を聞くと、いわゆる仕事が出来ないと言われる典型のように思われますが、
このメンバーは決して仕事が出来ないメンバーではありません。
将来を期待されているメンバーです。
 
そして、このメンバーの話を聞いていた時に強く感じたのが、
「すぐに」「はやく」「まだか」
という言葉は人が持つ力を奪ってしまう、あるいは発揮できなくさせてしまう魔力があるのかもしれないということでした。
 
10数年ほど前に、ある著名な経営者の方が「自然の中に身を置く時間を持つことの大切さ」について語っている記事を目にしました。
それから、私自身は最低月一回は自然の中に身を置くことをしています。
 
自然の中に身を置いている時に感じるのが、目の前の霧がはれ、「余裕」が自分の中に戻ってくるという感覚です。
肩の力が抜けていくという感覚もあります。
 
これまで、
「自然の中に身を置くと、どうしてこうした感覚に包まれるのか」
ということについてじっくりと考えたことはありませんでした。
 
ただ、今回のメンバーとのやりとりを通じてあらためて気づいたことがありました。
 
それは「自然は何も求めてこない」ということでした。
 
自然は「すぐに」「はやく」「まだか」という言葉を発することもありません。
何かを求められることもありません。
 
自分の思うがままにその時間を過ごすことができる。
 
自然の中で時間を過ごしたあとは頭が冴わたります。
「すぐに」「はやく」「まだか」によって奪われていた力が戻ってくるなのかもしれません。
 
こうした立ち止まる時間を持つことを、これからも大切にするとともに、
一緒に働くメンバーにも「自然の中に身を置く」時間を勧めてみたいと思います。
 
 
 
 
***
 
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2021-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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